二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

好きです二眼レフ

2012年05月10日 | Blog & Photo

二眼レフを使ってみたいという欲望が、どんなところに由来しているのか、よくわからないまま、ことし3月から、ヤシカマット124Gでの撮影を愉しんできた。
6×6判の二眼レフで撮影された写真集は、きっとかなりの数にのぼるだろう。
「太陽の鉛筆」東松照明
「少年の港」藤原新也
「BERLIN」橋口譲二
ローライで撮影されたこれらの写真集は、どれもため息しか出ないような、歴史に名をとどめる名作ばかりで、そのうち何点かは、わたしの記憶に、いつでも取り出せる鮮明な像をむすんでいる。
そして、初期の川内倫子さんの作品群がある。
そういった写真に影響され、そういった写真をまねたいわけではないけれど、銀塩フィルムが存亡の危機にたたされているいま、じつに7、8年ぶりに銀塩フィルム写真に復帰して、まず気になったのが二眼レフであった。
わたしはヤシカマット124Gにすっかり魅了され、中判フィルムカメラのいわば“世界観”を再認識することになった(^_^)/~



しかし・・・二眼レフといえば、王者はなんといってもローライフレックスであり、ローライコードである。二眼レフについて語られた本を読み、情報誌をあつめ、Webで調べていくうち、ローライが欲しいという願望はおさえがたいまでにふくらんでいった。
というわけで、昨日、新幹線で新宿へいって、中古カメラショップを数軒のぞき、意を決してローライフレックス3.5F(レンズ:75mmF3.5プラナー付き)の後期モデルを買ってきた。
3.5Fは出回り品が多く、5、6台の個体にさわって品定め。
コンディションのいいものはお高いし、ボロはお安い(笑)。これは商取引の鉄則である。
お安いもので、約80,000円、お高いもので、約170,000円。
ハッセルブラッドのデモ機を置いたお店があったので、これもさわって、10年ぶりにその感触を味わってきた。ハッセルブラッドの500C/Mにも、いくらか食指が動いていたからである。しかし、あのミラーアップ音と、撮影後のブラックアウトは、いまのわたしの方法とはなりえない・・・と、再確認。
たばこが吸える定食屋でたばこをくゆらしながら頭を冷やし、きたついでに、紀伊國屋書店の写真コーナーで、輸入書などを物色。

安かろう、悪かろうのカメラは欲しくはない。
どんな写真が撮りたいのか?
カメラの機種選びは、このことと、直結している。
だから、悩ましいのである(^^;)
「そのカメラがなければ撮れない写真が、あるのか?」
ヒートアップしそうな頭を冷やすため、新宿で数時間ぶらぶら。
そして、3.5Fを買った。
いまのわたしにとっては、決して安くはない買いものであった。

ディフューザーと専用ストラップが付属していた。セレンメーターは保証の対象外だけれど、まずまずの精度をたもっていて、ネガフィルムなら、十分実用になる。貼り革に一部ウキがあるものの、AB品といえる、きれいな個体に的をしぼった。初期不良については1ヶ月間の保証付き。後期モデルなので、220フィルムが使用可能だったし、ファインダーもクリア。
中古品なので、一台一台すべてコンデションに差があるが、この個体を買うことにして、サードパーティー製のフードも買った。
ヤシカマットが悪いわけではないが、コピー商品のつねで、オリジナルと比較すると、風格や存在感に、どうしようもない開きがある。ヤシカマットより200gほど重いので、首を傷めないよう気をつけて、しばらく試し撮りをする。
「光線もれ」「シャッタースピードの精度」「ピント精度」等に、まだいくらか不安がある。



一方、これは紀伊國屋書店の散歩の折りに見つけた、ニューカラー・フォトグラフアーの旗手「ウィリアム・エグルストン William Eggleston」のアンソロジー。
「はぐれ雲」時代から意識してきた大好きな写真家だが、これまで、エグルストンの写真集は、一冊も手許になかった。ほかにも気になった写真集があったが、クルマではなく、電車できたので、あきらめた。



またこちらは、本城直季さんのとても評判になった写真集「small planet」。他日、BOOK OFFの散歩のとき、1,000円でみつけた。デジカメのミニチュアライズは本城さんの世界をまねたものだが、さすがホンモノのクォリティは凄い! ですぞ。

はてさて・・・ついに、ローライがやってきた!
わたしの写真が「劇的に」変化することはないが、少しは変わっていくだろう。むろん、それを期待して、新型のデジタル一眼ではなく、ローライフレックスを買ったのであ~る(=_=)

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