二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

フィルムカメラの愉しみ

2012年04月21日 | Blog & Photo


長らく寝かせておいたスキャナを引っ張り出し、フィルムカメラを愉しんでいる。
しかし、いまこのご時世に銀塩フィルムカメラを使うのは、容易ならざることである。
ごく大雑把にいって、ブローニーの場合、コストで1000倍、時間で100倍・・・その負担にたえなければ、フィルムカメラなど、使えないからである。

トップにあげたのは、ヤシカマット124Gでとらえた写真。
いまのわたしは、この6×6判のクラシックカメラをあやつって撮影しているときが、いちばん愉しい。首をたれてのぞきこむファインダースクリーンの美しさは無類である。
左右が逆像、しかもパララックスがある。それもひどく新鮮だし、現像が仕上がってきたときのよろこびも格別なものがある。
神経質にピントを合わせているとキリがないから、6mくらいに置きピンをして、歩き、立ち止まり、また歩きながらカットを重ねていく。人びとは、このクラシックなカメラに対し、とても寛容である。





デジカメのスクエアフォーマットではない。
80mmのレンズをつけた、本物の6×6判の味わいなのである。
「ああ、そうか・・・つい数年前まで、写真を撮るとはこういうことだったのだ」
ところが、つぎにモノクロを撮影したくなって、キタムラへいったときお訊ねしたら、ISO400のブローニーは、すべて製造中止になっている! 「アサヒカメラ」5月号に、フィルムの特集があったので、それでも確認したが、間違いないようである。 (ISO100はかろうじて生き残っている)。

なんといっても、コダックの倒産がひびいているのだろう。
コダック製品は、注文は受け付けているけれど、いつ入荷するか不明だとのこと。
2012年4月現在、普通に使用できるフィルムの種類は寥々たるもの。
フィルムを愛用するプロの方々は買い置きをして、冷蔵庫にでもストックしてあるだろう。
ヤシカマットとカラーネガの組合わせで、スローライフな二眼スタイルを、いましばらくつづけていこう(^^)/  ――と思っているのだけれど、前途には暗雲がたちこめている(~o~)

最近、週にいっぺんくらい中古カメラショップを訪れて、クラシックカメラを眺めたり、さわったりしている。
このあいだ、ハッセル2台と、4×5と、6~7本の交換レンズを携え、カメラ店と買い取りの交渉をしているおじさんに出くわした。
おじさんといっても、元はプロであったのかもしれない。隆(りゅう)とした身なりの、背のたかい紳士であった。カメラ店側の提示額は、45万円。
ところが、売り手側は、50万円以下では手放せないといって、商談は暗礁に乗り上げていた。結果を見とどけずに、わたしはカメラ店をあとにした。

わたし自身のことをいえば、メインはデジタル。そしてときどき、フィルムカメラ。
そんな贅沢(お金、時間の)ができることを、何者かに感謝しながら。
ところで、フィルムスキャナが稼働しはじめたので、2004年8月に大阪にいったときの写真を何枚かスキャンしてみた。
2004年当時、すでにわたしは、たしか350万画素か450万画素のデジカメを、2、3台もっていた。だけど、そんなカメラはとっくの昔に手許から消えている。ところが、この大阪・高野山旅行のとき、中古で買ってろくに使っていなかったニコンF3をもっていったのである。レンズは50mmと28mm。








青みが強いのは、晴天日陰の色温度の影響だろう。このF3には、特別な思い出があるが、それを書くと長くなるからやめておく(笑)。
ヤシカマット124Gと前後し、35mmのネガカラーもポチポチと撮っている。そのメイン機種が、このF3。シャッターダイアルのゴム・ローレットを修理し、一本200円もしないコダックのワゴンセールのフィルム(24枚撮り)を買って。
いずれ、コニカⅡbやキヤノン旧F-1も再デビューさせようともくろんでいる(^^;)
キヤノンやニコンのフラッグシップ機(当時)のすごいところは、大きく重いという欠点はあるもの、露出計が、何十年たっても正確に反応してくれること!

中判はともかく、35mmフィルム、若い世代がもっと使用すればいいのに・・・と、こころから願わずにはいられない。まだまだ現役のフィルムカメラもあることだしね。



☆写真はヤシカ124Gと、ニコンF3で撮影し、スキャンして取り込んでいます。

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