二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

心に残る二つのポートレイト

2013年05月06日 | Blog & Photo

ついつい若い女性に眼がいって、そういう写真ばかりを撮りたがる。
しかし、中高年の男性、女性だって、風雪の重みにたえてきた、ステキな魅力を発散している方がいる。
最初にピックアップしたのは、足利ばん阿寺の門前に、手編みのお店を出して活動していらしたOさんのポートレイト。
円形のうすべりを編んでいたので、「ああ、そうやって編んでいくんですね。手作りなんだ」
と、わたしのほうから話しかけた。

ローライで苦労してピント合わせをし、ゆっくり2枚、3枚写したあと、PENデジで気軽に何枚か撮影し、それから世間話。
失礼ながら、ただ者ではないな・・・とわかったので、
「名刺などありましたら、いただきたいんですが」
自身の名刺をお渡ししながら、そうおたずねした。
そうしたら、「足利水土里探偵団」の副理事長ということがわかった。
ググってみるとわかるが、いろいろな活動をしているNPO法人。

この若さで80才になられるというので、わたしは眼を丸くしてしまった(@_@)
30分、40分、木陰の椅子に腰をおろして、いろいろなお話をうかがうことができた。
この凛とした風格! Oさんの半生がにじみ出ていて、お見事!
「仕事をする人を撮る」というのは、わたしの念願としているモチーフの一つだった。
すばらしいチャンスをいただいたので、何十枚も似たり寄ったりのカットを、バシバシと撮らせていただいた。そしてさっそく、リサイズし、NPO法人宛にご送付。



ご衣装にも、表情にも、やさしく深い人間味があふれていて、心にしみる。
どうもどうも、昨日はありがとうございました。
出店のほうから生徒さんたちがやってきたので、わたしは引き上げることにした。もう少し、お話を伺いたかったけれど。
わたしがこのOさんから学ばなければならないことが、きっとたくさんあるに違いない。
足利がわたしにくれた「最高の時間」を、心に刻んで。





もう一枚、Oさんのポートレイトとは対照的な写真をピックアップしておく。
それがアルバムの表紙に使ったこれ。
右後方に点景人物が写りこんでしまったのは残念だけれど、この日のスナップ、いちばんのお気に入り(^^)/

想像するに、わたしとおそらく同年配だろう。
ちょっとうらぶれた、独特な風情をただよわせているのが、じつに心にしみる。
こんな写真の魅力をわかって下さる人がいるだろうか?
帽子がとてもおしゃれ。それに赤いポロシャツ、赤い自転車。
あとで写真を見返し、ご本人のあとを追いかけてお渡しできるものなら、お渡ししたかった。きっとよろこんでくれるに違いない!
わたしはそう確信している(^^;)

いいなあ、いいよね。このほんのわずかうらぶれた、甘くもなく苦くもないテイスト。
これはすれ違いざまに撮った、わたし自身のもう一つのポートレイト・・・というふうに考えたいのだ(^-^)
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