二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「歴史を紀行する」から「街道をゆく」へ ~司馬さんの跫音

2022年06月03日 | ドキュメンタリー・ルポルタージュ・旅行記
■「街道をゆく」朝日新聞社(昭和46年刊 1971)

新装版を買い直したり、書棚から発掘したりして、司馬遼太郎の著作物が身辺にあつまってきた。
長編小説もあるし、短篇集もある。いっとき買いあつめたことがあるけれど、たいした量ではない。
いつものように文庫本が中心になっている。しかし、単行本ハードカバーも何冊か混じっている。

昨日書棚を物色し、数冊の司馬さんの本を身辺にならべ、ぱらりぱらりとページをめくっていた。読みはじめるまえに“あたりをつけておく”のは大切な儀式のようなもの。
司馬遼太郎だの松本清張だの、たくさんの本を書いている作家の場合、わたしの頭の中の見取り図がないのは不安であ~る。

紀行文集「街道をゆく」などは、現在朝日文庫で43冊となっている。
■街道をゆく公式ホームページ
https://publications.asahi.com/kaidou/

大変なのだよ、これが^ωヽ* 
何を読んで、何を読んでいないか、ときおり迷ってしまう。
自分の“現在位置”がわからなくなる・・・ようなもの。すでに混乱し、同じ本を複数冊持っていたりする。
そして、自宅の中で、所在不明となる。
「ありゃりゃ、どこへしまったか?」
司馬さんは「週刊朝日」で「街道をゆく」を開始する前、「歴史を紀行する」という本を出している。これが「街道をゆく」のいわば前哨戦である。

「歴史を紀行する」は、
《司馬にとって初の随筆集にあたる。1968年(昭和43年)1月から同年12月まで「文藝春秋」に連載された。1969年第30回文藝春秋読者賞受賞。》(ウィキペディア)
という本になる。
そして昭和46年(1971)から「週刊朝日」で「街道をゆく」がはじまるという流れ♪

ハードカバーもソフトカバーもあって、改版も著しい。
ところで今年の2月か3月、「街道をゆく」の初版第16刷を手に入れ、中身検索をして少々驚いた。
第1巻とか「1」とかという表示は使われていない。
・・・つまり司馬さんは、あれほどの長期連載するつもりなく、「街道をゆく」を書きはじめたわけである。
題字は棟方志功、全28章からなっている。
後になって、
1.湖西のみち、甲州街道、長州路ほか
2.陸奥のみち、肥薩のみちほか
3.郡上・白川街道、堺・紀州街道ほか
4.沖縄・先島への道
・・・
というように分けて編集しなおされているが、初出はそうではなかったのである。「街道をゆく」は、長い年月をかけしだいに成長を遂げた紀行文なのだね(^^ )
司馬さんのフアンを名乗っているくせに、な~んだ、そんなことも知らなかったの・・・といわれても仕方ない。
一章あたり約10ページ、28章すべてに地図と、須田剋太画伯の挿絵が付されている。
・装幀 原 弘
・地図 大川一夫

現行版だけをみて「おお、こういうものか」とは安易にはいうことができない。




日本国内ばかりでなく、海外へも飛び出して取材し、われわれ読者を“司馬さん節”で魅了してくれる。
昭和46年は1971年1月1日号から連載開始。そして死去する平成8年1996年まで25年間と少しつづけられる文字通りのライフワーク!
無事定年退職できたら司馬遼太郎を読もう(^^♪
・・・そうかんがえて、おもに古本屋などで買い漁ってきた。半藤一利さんに「清張さんと司馬さん」という著作があるが、このお二人の昭和の大作家は、いまこそ“その時期”がきている。
「あれも読もう、こっちも読もう」と、恥ずかしながら頭の中が洪水状態になっているタハハ(゚o゚;




司馬さんをめぐる本も5~6冊持っているけど、こちらはあまり読まないなあ。とにかく、松本清張・司馬遼太郎はびっくらひょんとするくらいの量を書いているから、ご本人の著作だけでもそのすべてを読むのは無謀な企て・・・な、なのだ。

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