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このあいだ「えーっ、これなに!?これだれ!?」という経験をしたので、ちょっと書いてみよう。
一昨年、昨年、BOOK OFFの小型店舗が、数カ所クローズした。
集約化された大型店が高崎、前橋にオープンしたので、小型店舗の閉店は時間の問題だろう・・・と予測していたが、その予測が的中!
さて、1/31で閉店しますという貼り紙が貼られたBOOK OFFの散歩で手に入れた「レコード芸術2012年6月号に、つぎのような特集記事が掲載されている。
「名演奏家 ランキング&名盤選 ピアニスト編」。
以下、人気投票のトップ10である。
1.ホロヴィッツ
2.リヒテル
3.ポリーニ
4.アルゲリッチ
4.ルービンシュタイン
6.グールド
6.ミケランジェリ
8.グルダ
9.フランソワ
10.R・ゼルキン
11位以下はバックハウス、アラウ、ギレリス、コルトー、リパッティ、エマール、ハスキル、ブレンデル、ギーゼキング、ケンプ、ラフマニノフ、とならんでいる。
わたしは漠然とポリーニやアルゲリッチが上位にくると想像していたけれど、ホロヴィッツのようなロマンチックで限られたレパートリーしか弾かないピアニストがぶっちぎりの1位というのは、とても意外かつ不本意だが、これはこれでおもしろかった。
ホロヴィッツのミニ特設コーナーが設けられているくらいだから、たしかに人気があり、もしかしたら、グールドとならんで、レコード売上げは双璧かもしれない。むろん、ポリーニ、アルゲリッチをふくめて、レコード会社の「売れ筋商品」(笑)。
雑誌にはめったに手を出さないわたしが、なぜこんな雑誌を買ったかというと
「タチアナ・ニコライエワ」というピアニストについて調べたかったから、というのが、理由のひとつだった。
別な店の散歩のとき、つぎのCDが250円の棚にあった。
モーツァルトの第22番(変ホ長調)のピアノ協奏曲と、モーツァルトの交響曲第35番(ハフナー)がカップリングされてあった。
指揮者はカール・シューリヒト、演奏はウィーン・フィル。1956年のライヴ録音にしては音質は悪くない。
この第22番という曲は、モーツァルトのファンのあいだでも、そう評価は高くない。
第21番、第23番というポピュラーな人気曲にはさまれているため、目立たないので、わたしもこれまで一回聴いたかどうか・・・記憶がはっきりしないありさま。250円だからまあいいやと考え、何気なく聴きはじめた。ところがこれがすばらしい演奏なのである(^^)/
シューリヒトは知ってはいるけれど、Tatyana Nikolayevaというこの女性ピアニストは?
調べてみたけれど「レコード芸術」のベスト100選に名がのっていない。
タチアナ・ニコライエワって、だ、だれよ!?
そこでググってみたら、あっさりとその素性がわかった(笑)。
はやいとこ、そうすりゃよかった・・・な~んていわないでね。
このニコライエワさんの第22番、すごくいいのです(^-^)
この曲ってこんなに魅力的なコンチェルトだったのねぇ。
わたしは耳の錯覚かと心配になって、4回しつこく聴きなおした。
モーツァルトの第20番以降では、25番あたりもろくすっぽ聴いていない。
「そんなことで、よくもまあ、モーツァルトファンだなんて自称できるね」
そうなんです、おっしゃる通り(^^;)
とにかく、モーツァルトにはいろいろな楽器を主役にした傑作協奏曲があって、協奏曲といえばモーツァルトということになる。そういった協奏曲のうち、これまであまり馴染みがなかった曲を、昨年から今年にかけて、かなり聴いた。
フランス風のサロン音楽と嫌う人もいるようだけれど、昨年ようやく「フルートとハープによる協奏曲」に目覚めたのだし・・・。
シューリヒト&ニコライエワのこのレコード(CD)は、どうやら日本では未発売だし、海外盤の版(盤)元にしてからが、マイナーなレーベルらしい。
シューリヒトのハフナーもすぐれもの。来場者の咳や足音や、その他のノイズが演奏中も少し聞こえるけれど、まあそれを“臨場感”ととらえればガマンできる。
う~ん、こんな意外な出会いを用意してくれるBOOK OFFの散歩に感謝。
250円でこれだけ愉しめるのだからね。いや、たまには紀伊國屋書店で、新品も買ってますよ、たまに(笑)。
※写真右はカール・ベーム&ベルリン・フィルのモーツァルトの交響曲選集(輸入盤BOX5枚セット)。25番以降の交響曲がすべておさめてあり、500円の棚にあった。まだ聴いたことがない交響曲がいくつかある(^^)/