この「夜への階段」が、mixiアルバムでスタートしたのは、2010年12月23日。
しかし、その前に「夜を歩く」という前哨戦があり、これは2010年10月28日の日付をもっている。
この日付がなにを意味しているかというと、わたしのところへ、LUMIX LX5がやってきたことと関係がある。
それまで昆虫写真ばかり撮影していた三毛ネコさんが、LX5を手に入れたことで、世界へ向けるまなざしが変わったのである。それまで使用していたニコンD80や、キヤノンIXY900ISとは違った写真が撮れることに、購入直後に気がついた。
そして「夜撮り」がはじまった。
(1)街道筋のたそがれ
これは2011年ではなく、2010年に撮影して、「夜を歩く」に収めてある。
太田、大泉へ撮影旅に出かけた帰り道、あまりの美しさに、ついこの店のパーキングにクルマを止めて、運転席側の窓を開けてその場所から写した。
「夜を歩く」というタイトルもいいが、どうしてもディクスン・カーの「夜歩く」、あるいはわが国の推理作家・横溝正史を思い出す。で・・・フィルムカメラ時代にもときどき使っていた「夜への階段」をリバイバルさせた。
太田、大泉の撮影で夢中になりすぎ、遅くなってしまったので、かなり急いでいた。
被写体と背景のバランスが撮れていて、奥行き感があって、アスペクト比16:9の効果が効いていて、お気に入りの一枚となった。
(2)シルエット
夜の光線は、捉えるのがなかなかむずかしい。自然光ならともかく、人工照明によるミックス光となると、銀塩時代には、現像があがってくるまで、どんなふうに写っているか、見当がつかなかった。
ところが、「だれでもシャッターボタンを押すだけで、プロ並みのきれいな写真が撮れる」デジタル新時代が幕を開け、様相が一変。
地方都市に細々と棲息していた町の写真館や、D.P.E.のお店や、結婚式場のカメラマンなどが、失業していった。
これは帰宅途中、前橋の町中で、助手席側の窓越しにパチリ。
なんてことはない一枚だけれど、背景と人物のシルエットというシチュエーションのおもしろさに目覚めはじめの作品として、アップしておこう。
(3)夜の駐車場
2011年3月に、わたしは「深夜への手紙」という、ちょっとシリアス感のただようモノクロ・アルバムを作成している。
☆深夜への手紙
http://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000014120515&owner_id=4279073
夜、どんな写真が撮れるのか、水の深さを測るように、シャッターを押す。
これはわたしの超プライベートなシリーズで、帰宅してから、寝るまでの時間帯、大部分は自宅の中で撮っている。
そして「夜の駐車場」は、帰宅途中、BOOK OFFの駐車場。
わたしのクルマのヘッドライトが、ネット・フェンスを照射している。それが、隣りに停車していた、ブラックメタリックのクルマのボディに映り込んだ。
黒と赤と白。そして、カーブしたマトリックス。カメラはたしか、CX4。
(4)後ろ姿のバス
これも帰宅途中の一枚。
「あれれ、おれってバスが好きなの?」とおもいはじめたきっかけの一枚。
徐行しているが、バスもわたしのクルマも、ゆっくり動いているため、少しブレている。
カメラはCX4。危険なため、液晶には眼を向けてはいないから、ノーファインダー撮影。
あれれ、いま気がついたが「このフォトを利用しているコンテンツ」という表示が、mixiの写真に出ている。うん、これはすばらしい! それによると、この写真を、7月10日と8月22日、二回日記に使用している(^_^)/~
(5)雨の駐輪場
そして、5番目は、やっぱりこれ。
近隣にある本屋の駐輪場で拾った一枚。
シルエット写真といってもいいが、ガラス越しの効果覿面。
雨滴がなかったら、こうは惹きつけられなかったろう。これまた「いつでもどこへでもお供する」CX4の画像。
CX4を手に入れたことで、わたしの写真は日常化した。
特別な日に、特別な場所へ撮影に出かけるのではなく、毎日の行動半径の中に、被写体はいくらでもころがっている。それを意図した通り、すくいとるまなざしと、ちょっとした技術さえあれば・・・。
この写真のような映像を、わたしはすっかり忘れていた遠い、とおい過去にも、見たことがある。デジャブ=既視感。無意識の領域で、何者かが、かすかに、身動きする。