二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

夕ぐれの情景

2008年02月02日 | Blog & Photo
「夕ぐれの情景」
トワイライト・ブルー。たまにこんな光と色に出くわす。
夕ぐれの情景は、胸の奥に眠っていたものを揺らし、呼び覚ます。
感傷であったり、寂寥であったり、ニヒリズムであったり、
もっと具体的な「あの日の出来事」であったりする。
古来「逢魔が時」という語があって、
ひとはその光のなかで、魔物に出会う。
そして夜へ、時は過ぎゆく・・・。

「唐詩選」に趙仮(仮は正しくは偏が古、旁が暇の右半分)という人の
詩が収められている。李白の「静夜思」ほど有名ではないが、
題して「江楼書感」・・・こんな詩である。

 独り高楼に上れば思い渺然たり
 月光は水の如く水は天に連なる
 同(とも)に来たって月を翫(もてあそび)し人は何処
 風景は依稀として去年に似たり

解説を引用しようと思ったが、やめておこう。
本編は岩波文庫「唐詩選」の下巻に収録されているから、
興味のある方はそちらをどうぞ♪


水と月のイメージが、作者の無念の思いを浄化するようである。

 

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