二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

金とオレンジのグラデーション

2013年10月20日 | Blog & Photo
秋が深まって、4時半ころから西の空が茜色に染まってくる。
茜色・・・あかねいろ。
このことばは、日本語として、とても語感が豊かで、いろいろなイメージがわいてくる。
英語や和製英語には、そう簡単に置き換えはできない。
たまにTVを見ることがあるが、カタカナことばばかりが氾濫し、由緒正しい、美しい日本語がずいぶんへっている。
現代語訳なしで、注釈だけをたよりに「万葉集」や「源氏物語」をすらすら読める・・・というような高度な技を要求しても仕方ない。会社内では英語以外は使用禁止などというばかげたニュースが注目されるような、なんともなさけない時代である。
塩野七生さんや内田樹さんがさかんに警鐘をならしているが、文化の地滑り現象はいたるところで起こっている。

日本人は日本人の誇りをすてて、何者になろうとするのだろう?
国際人という抽象的な人間でいいのか、それともアメリカ合衆国51番目の州に、日本も名乗りをあげよ・・・ということなのだろうか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD51%E7%95%AA%E7%9B%AE%E3%81%AE%E5%B7%9E

夕焼け小焼け
http://www.youtube.com/watch?v=qUBn44eycv8
里の秋
http://www.youtube.com/watch?v=_e9luVIJsJI

いまの小学校では、こういう古くさい“唱歌”なんて、教えないのかな?
日本人のこころのふるさと。
こういうフィルターを通して、われわれはこの国土の風景と、長いあいだつきあってきた。
これらの文化が、子々孫々まで引き継がれていくものかどうか、わたし的には少々悲観的になってきている。
そんなことを、ここで嘆いていても仕方ないけれど、100年後の日本がどうなっているのかと、想像することがある。国土を愛し、国土と文化を守り、その地に生きることを、あまりにないがしろにしている。東日本大震災以降“東北”キャンペーンがいろいろな形でおこなわれ、「ああ、そうなのか、そうだったのか」と、失われたものを思い出す。
いまのわたしにとっても、東北は大事なキーワードの一つ。





金とオレンジのグラデーション・・・それは茜色ということばに集約してもいいだろう。
この一語によって記憶の中に眠っている「夕焼け、夕景」への通路が開ける。
そんなことをしみじみかんがえるのは、わたしだけだろうか?
わたしがそれだけ、年をとって保守化したという、ただそれだけなんだろうか?
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