二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

わたし自身をご紹介します

2012年07月16日 | Blog & Photo

ふとした出来事があって、昔を思い出した。しかし、「わたし自身をご紹介します」といっても、集団「はぐれ雲」をやっていたころ、まだ40代はじめの三毛ネコさんであります(^^;)

最初に掲げたこのうすぼんやりした男は、ライカM3を構え、会社の洗面所の鏡に向かってシャッターを切っている。レンズは沈胴タイプのズミクロン50mm。



またこちらは、前橋市内の街角にあったショーウィンドウに向かって、ライカM6で撮ったセルフポートレイトで、レンズは35mmのズミクロン。印刷物からの複写なので、残念ながら画質はこれ以上よくならない。
印刷物とは1997年にわたしが地元新聞社から自費出版した「パーソナル・リレーション(PERSONAL RELATION)」というモノクロ写真集のこと。

ついでだから、ほかにも数枚ピックアップしておこう。



これは「ぐっちゃん」といってわたしが可愛がっていた事務員時代の部下。
結婚し、子供を生んでから、招待状をお送りすると必ず「はぐれ雲」の写真展に姿を見せてくれた。
いまでも年に1回は、わたしの夢に登場し、愉しい思い出を語りかけてくれる、追憶の中の女性である(笑)。



こちらは、それまで風景や花をのほほんと撮るだけのアマチュアだったわたしを鍛えて、写真という世界のディープな愉しみを教えてくれたAさん。このAさんと二人で「はぐれ雲」を立ち上げた。
首からさげているのは、ヤシカマット124Gで、撮影地は横浜美術館の玄関脇。Hさん、Aさんわたしの3人で、ロバート・フランクの回顧展を見に出かけたときのものだ。このヤシカマットと同型の二眼レフを、あれから17年たって、わたしが使うことになろうとは(~o~)



グリーンカードを取得し、ロサンゼルスで仕事をしている娘。このときは高校1年くらいだろう。建て替えをする前の昔の家のリビングで、友人と愉しげに電話している。彼女が胸に下げた三日月のペンダント――いまでもこの写真を通して、ついこのあいだのことのように、このときのことを思い出すことができる。



左は大学院を出たあと、今年の春から警察官として働いている甥、右は甥より1、2歳年上のわが息子。背景はわが家の門。この付近は、17、8年後のいまも、ほとんど変わっていない。コニカBIGミニというカメラは、明暗差が大きい被写体だと、味のある“にじみ”があらわれた。BIGミニは、いまでも手許にあり、正常に作動している。



原宿ホコ天のヤンキー娘。この時代のホコ天は、いわば若者の解放区。わたしは寝ころがって、28mmレンズで撮っている。ブラの奥まで写っているので、もしかしたら、内蔵ストロボを発光させているかも。
彼女たちは目立ちたがり屋が多く、声をかけると90%はOKがもらえた。



またこちらは、地元高崎祭りで見つけたロックン・ローラー族。トサカを立てたお兄ちゃんがひょうきんで、集まった周囲の人を笑わせていた。わたしは彼らのパーフォーマンスが好きで、それを撮るために、ときどき祭りに出かけていった。



原宿のホコ天で見かけたブロンドの美人さん。
20人あまりのメンバーが、ジャズダンスのようなものを踊っていた。新興宗教の布教活動にかかわる人寄せのためのイベントだった。90年代なかばのこのころは、月に2、3回は東京通いしていた。



これは新宿の歩行者天国。
白人男性は足に障害があった。この白人さん、黒人さんは、立ち聞きしていたら、ベトナム戦争当時の元戦友らしかった。まったく偶然、この路上で十数年ぶりに再会したのだ・・・と、わたしは思った。ドラマチックな一瞬!



最後はセットアップ写真というか、作った写真。
右はそのころ“わたしの神”であったご存じ、ロバート・フランク。左は友人がスナップしてくれたわたし自身の背中。向こう側にいるのは、モデルとなってくれたIさんで、スタジオ撮りだった。そこに「われアルカディアにもありEt in Arcadia ego」とキザったらしく書き込んで、それを写真に撮った(^^;) いま見ると、冷や汗もの。

こうして見返して驚くのは、何のメモも残していないのに、どこで、どんなふうに撮影したのか、ほとんどの場合、しっかり覚えていること。
いまとは違って「プロになってやるぞ!」というくらいの気負いと意気込みがあった(笑)。
あの90年代、新宿、渋谷、原宿のホコ天はパーフォーマンスする若者の熱気であふれ返っていた。わたし自身も、いまとは比較にならないくらい「金回り」がよかった。

ライカM3初期型(2ストロークモデル)にズミクロン50mm付きを、27万円でポンと買えるだけの余裕があったのだから・・・。いまではライカもお安くなって、おそらく同レベルの製品を、半額くらいで買えるだろう。
どの写真を見ても、否応なしにすぎてきたパーソナルな“時代の刻印”が刻みつけられている。

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