こんなタイトルで、以前も日記を書いた。
その続編・・・みたいなことを、書きたくなった。
これ、元々はだれの表現なんだろう? 小説家吉行淳之介さんにこういうタイトルのエッセイ集があるし、写真家須田一政さんに、同題の写真展があり、写真集がある。(正確には「角の煙草屋までの旅」)
横町曲がれば、ワンダーランドといったのは、たしか大西みつぐさんだった。
「角のたばこ屋までの旅」でも、「横町曲がれば、ワンダーランド」でもいいけれど、いつのころからか、こういった写真は、散歩写真とカテゴリーされるようになった。
じつはわたしは散歩写真といういい方には少し抵抗があるのだけれど、まあ、大勢に従っておこう・・・というほどの気分である。
トップに掲げたのは、養魚場で見かけたネット。
水が豊富で、一年中水がたえないのだろう。水路の護岸も、養魚ネットも、苔色というか、水草色に染まっている。この深い自然の色は、土や砂と同じような意味でアースカラーといえるだろうけれど、PENデジはよく追従し、精度の高い色再現となった。
この日いちばんのお気に入りが、じつはこれ。
東武伊勢崎駅付近で見かけた倉庫群だけれど、名状しがたい波動のようなものが、つたわってくる。フラットな光線状態だったので、ややコントラストをあげてある。ミニチュアライズでも撮影しているけれど、そちらはわざとらしいので、捨てた。
この日の伊勢崎散歩はF3+50mmF1.4レンズに35mmリバーサルを装填してもっていった。
フィルムは36枚撮り。デジタル+J-pegは150枚くらい撮影したので、撮影するより、捨てるのがむずかしい。フィルムの場合は、撮影するまえに選んでいるが、デジタルは撮影してから、選んでいる。その違いは、わたしの思考回路の中で、いろいろな作用をもたらす。フィルムは人を、撮影という行為を、いくらか内省的にする。
これも好きな一枚。
遠くに小高い丘が見えるのは、古墳。
この女性お二人は、わたしが養魚場を一回りし、クルマにもどってこの場をはなれるときまで、ずっとおしゃべりしていた。その間、およそ20分(笑)。
ご自分たちが、風景の一部となって、モデルにされたのは、むろんご存じないだろう。
茨城県で竜巻が起こって、多くの被害が出た、あの日のショットとは思えないだろう。上空ではヒバリがさえずっていた。
ところで、こちらは巨匠・森山大道さんの写真集「カラー/COLOR」(月曜社4600円+税)。
おととしの秋ころから予告されていたので、三毛ネコさんが待ちかねていた写真集である。
高いな・・・と思ったけれど、1冊しか置いてなかったので、躊躇なく買った。
4、5日、あるいはもっと長く時間をかけて、これから、読み解いていく。
むろん、森山さん“初の”カラー写真集。変わっていく部分、変わらない部分――そのあたりを、わたしなりの観点から腑分けし、味わってみよう。