二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

きみたちがいなくなったあと(ポエムNO.3-24)

2019年11月18日 | Blog & Photo
男は男のふりをして
女は女のふりをして
電柱は電柱のふりをして
なにくわぬ顔で立っている。

男のうしろには男が
女のうしろには女が
電柱のうしろには電柱が
ずっと ずっと彼方までつづいている。

それはいじましくも悲しい光景。
いつか落雷に出会うまでの
いつかだれかに愛されるまでの
いつか土に返るまでの。

ああ いじましくも悲しい光景。
犬小屋から逃げ出したむく犬がやってきて
おしっこをひっかけて走り去り
風に舞うごわごわした枯葉にからかわれ。

どうしてきみたちはそこにいるの?
いつからいるの?
いつまでいるの?
きみたちがいなくなったあと どうなるの?

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