二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

秋深む

2012年09月30日 | Blog & Photo

コスモスが咲き、曼珠沙華が川土手や田の畦を赤くそめるシーズンとなってきた。
そこへ台風の接近。
千年、二千年にわたってくり返されてきた日本列島の風物詩といっていいだろう。
日本には、江戸期に確立された「歳時記の文化」がある。
わたしは俳句はつくらないけれど、歳時記には、比較的若いころから関心をいだいてきた。
とはいえ、俳句は江戸期のものしか知らず、あとは、子規と山頭火をつまみ食いした程度の知識しかなく、むしろ教えていただく立場である。

雲少し榛名を出でぬ秋の空  漱石
秋天につながる坂をのぼりけり 喜舟
かはる夜や心寄せなき秋のくも 暁台
松の幹人を倚らしむ秋の雲 青邨
此道や行人なしに秋の暮 芭蕉
門を出て故人にあひぬ秋のくれ 蕪村
初雁に羽織の紐を忘れけり 蕪村


《此道や行人なしに秋の暮 芭蕉
門を出て故人にあひぬ秋のくれ 蕪村》

この二句の、まあなんという見事な響きあいだろう(^_^)/~
芭蕉の孤愁と、蕪村の飄逸。
日本人の生活は、戦後の“高度成長”とともに、急速に変化していった。しかし、歳時記に代表される自然観は、日本人の“美意識”にいまも根強く残っていて、花鳥風月、雪月花、“もののあわれ”の精神文化が、わたし自身の感受性の中に脈々と流れているのを、ときに意識せずにはいられない。
伝統とは、そういうものであるのだろう。逃れようとしても、逃れることはできない。かつて、この列島は、ほんとうに美しい、百花玲瓏と咲きにおう、うまし国であったのである。

さて、トップにあげた曼珠沙華。これからの一週間ほどで、北関東は花期のピークを迎える。おととい、昨日と、空にはぷかりぷかりとちぎれ雲。


以前よりは意識して空の写真を撮るようになったので、「空と雲」の専用アルバムでも・・・と考えたけれど、見直したらタマ数が少ないので断念(=_=)
季節、天候の変わり目は、ドラマチックな空に眼をみはることがある。






ひょんなことから、オリンパスの超広角ズームを買って持っている。曼珠沙華は広角接写でいこう・・・と決めて2日間、仕事のあいまに撮影したけれど、ボツ写真を量産しただけで終ってしまった。
オリンパス E-P3には、iAUTOという「おまかせモード」があって、大部分はこれで撮影している。このモードは、ご覧になってわかるように、大抵の場合「風景モード」となるらしく、高彩度、高コントラスト。こういうガチガチの絵づくりはあまり好みではないが、まあ、作例ということで、掲載しておこう。

コスモスとはいいけれど、曼珠沙華とは、どうも相性が悪い。
アルバムの点検作業をしながら、あらためてそんな印象をいだかざるをえなかった。
まあ、またチャンスがあったら、これにめげず再チャレンジ! してみるけれど。

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