★ http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/201504/Kuperman.htm
人道的介入で破綻国家と化したリビア
―― なぜアメリカは判断を間違えたのか
Obama's Libya Debacle
アラン・J・クーパーマン テキサス大学准教授(政治学)
フォーリン・アフェアーズ リポート 2015年4月号
NATOが軍事介入するまでには、リビア内戦はすでに終わりに近づいていた。しかし、軍事介入で流れは大きく変化した。カダフィ政権が倒れた後も紛争が続き、少なくとも1万人近くが犠牲になった。今から考えれば、オバマ政権のリビア介入は惨めな失敗だった。民主化が進展しなかっただけでなく、リビアは破綻国家と化してしまった。暴力による犠牲者数、人権侵害の件数は数倍に増えた。テロとの戦いを容易にするのではなく、いまやリビアは、アルカイダやイスラム国(ISIS)関連組織の聖域と化している。「もっと全面的に介入すべきだった。社会を再建するためにもっと踏み込んだ関与をすべきだった」とオバマ大統領は語っている。だが、実際には、軍事介入の決定そのものが間違っていた、リビアには軍事介入すべきでなかった。
小見出し
リビア介入という大失策
二つの政府
反カダフィ派による復讐と殺戮
犠牲者数は誇張されていた
介入と紛争の長期化
テロリストの台頭と兵器拡散
リビア介入の余波
介入していなければ
リビアの教訓
全文は2015年4月号に掲載>>
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● 上記のように糞真面目に考えるから物事が見えないのです。ユーロもオバマ大統領も民主化と
いう大義名分を吹き込まれて、その気になって叩いたのでしょう。
● もし民主化が達成でき、民営化が成功すれば、支配階級≒西側の国際金融機関などは儲けるわけです。
民営化に成功しなくても、戦争行為だけでも、産軍共同体の食い扶持にはなったでしょう。
● カダフィが目障りなのは、西欧のいう事を聞かず、石油から得た利益を国民に還元して、
国民福祉を充実させて、世界支配層に上納金を納めなかった事にあります。
● 貴方がもし親分なら、親分の縄張りで儲けているのに、分け前を親分に上納せず、且その利益で
子分が自らの家族のみを福祉という名目で贅沢させていれば、嫉妬の一つも湧くでしょう。
● 嫉妬どころか、怒りと殺意が湧いてくるのが、ある意味当然です。また他の子分も嫉妬で、
告げ口するのが関の山です。当然親分からやれ”と指令が届きます。気の早い者は、
親分の指令が届く前に、ヒットマンを放っても不思議ではありません。
● この狭い地球で生きている限りは、ある程度の上納金を親分に収めるのが筋である・・・と
支配階級は考えるものです。それを大学を無料にしたり、結婚すれば夫婦に大金を
あげたりと、親分でもしない贅沢を国民に与える独裁者は目障りなのです。
● この様な国があると、親分の国では親分に対する不信感が芽生えるのです。
あのような国でも、高度の福祉が出来るのに、なぜ我が国が出来ない?
・・と支配階級に不信感が及ぶのです。
● 親分からすれば、目障りな国をどん底のカオスに落とし込むのが、戦略≒方針なのです。
従って、民営化は失敗したが、産軍複合体の利益の確保と、地域の大国化防止と
カオスの形成と、見せしめの効果は十分達成できたのです。
● 民主化の為に介入した”などと言う戯言を真面目に検討するのが間違っているのです。
個人も集団たる社会も国家も、嫉妬が最も厄介な代物なのです。