「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)9月18日(土曜日)
通巻第7057号
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アマゾンが中国ブランド3000商品の取り扱いを停止
米財務省、香港企業のイラン送金スキームを摘発、制裁
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アマゾンはオンラインの通信販売プラットフォーム上で、中国ブランドの3000の商品の取り扱いを停止し、画面から削除した。
アマゾンは中国での年商が日本の十五倍、黄金の市場であり、中国市場でダントツの一位で、二位の京東を大きく引き離している。そのアマゾンが中国製品を排除するというのは、中国と全面対決するのか、あるいは技術上のことなのか、詳細は不明である。
しかし事情通は「ニセモノが多いこと」「口コミがやらせばかり」で、消費者からクレームが絶えず、これまでにもPAVパワー、TAOTORONICSなどを排除してきた。
一方、米財務省は、香港企業数社(PCA、DAMINEH、45集団など)を制裁するとした。理由は、中国在住のイラン人モルテザ・ミナエ・ハシュメという人物が、中国人を仲介して、これらの香港企業のアカウントから、イランのヒズボラ並びに「ゴドズ部隊」(コッズともいう)へ資金を送金する濾過装置として活用されたからだとした。
ヒズボラは政治団体で表向きは慈善活動を行っているが、軍事部門が武装闘争を展開しており、イスラエルにとっては脅威の存在である。
ゴドズ部隊とは、イラン革命防衛隊直属の特殊部隊のことで、2021年1月3日に、ゴドス指導者だったソレイマン司令官が、米軍ドローンによって殺害されたことで、存在が表面化した。
米財務省の摘発調査は水面下で依然として続けられている。