女牢一
エミーは骸骨兵に抱きかかえられて地下牢の一番奥に運ばれた。間近に巨大な石うすが見えた。ズズズズ、ズズズズ、ズズズズ、石うすの回る音が体の底に響くように聞こえて来た。太い丸太に両手を添えて押し続け、石うすを回している囚人達は、白骨になっているものは少なく、この国ではまだ若い囚人達だった。中には胸に黄色いふだを貼り付けている囚人も見えた。石うすの上には骸骨兵が立っていて、上 . . . 本文を読む
のしてんてん絵画の紹介。本日はその本流というべき「箱」をテーマにした作品です。
カテゴリー「のしてんてん絵画を知っていただくために」に順次紹介していきますので、ご期待ください。
一人でも多くの方に、のしてんてん絵画を御愛覧いただき、心豊かにしていただければと願っております。
御用命の方は、ホームページ「のしてんてん」のメールからご連絡ください。
メールにて心の相談など、様々な思いを語り合い . . . 本文を読む
隠れ家
久しぶりに対面したバックルパーとユングがしっかりと抱き合った。
「またやって来ると思っていたよ。」ユングが笑いながら言った。
「お陰で助かったよ。」バックルパーが礼を言った。
複雑に立ち込めた建物の群れの中にユング達の仲間が集まるアジトがあった。その一室にバックルパー達四人が招き入れられていた。
セブズーの広場から、警備兵に追われたバックルパー達が、アジ . . . 本文を読む
王の間
古びた天蓋付きのベッドに腐乱した骸骨が横たわっていた。その頭に王冠がめり込んでへばり付いていた。その額には円と三角の組合わさった印がケロイドのように盛り上がっている。ランバード王国の紋章だった。始祖セブ王は衰弱していた。
その寝台の前にひざまずいている骸骨がいた。胸に勲章がいくつも揺れている。
「グワッグワッグワッ、まだ儀式の目処は立たぬのか、将軍。」
横た . . . 本文を読む
セブズー市街
地下室を出たゲッペルは、城の隠し通路を使って簡単にバックルパー達を外に導き出した。高台から望むセブズーの町は燃えるように真っ赤だった。空には赤黒い雲が垂れ込めていた。不気味で息苦しい空気が町全体を支配しているようだった。四人はしばらく呆然と丘に立ち尽くしたまま、セブズー市街を見下ろしていた。
「何これ、」エグマがつぶやいた。
「黄泉の国は真っ赤 . . . 本文を読む
地下牢
「まず地下牢を調べる必要があります。」カルパコがウイズビー王子に進言した。
「そうだな。地下牢と、それに続く祭壇を調べてみたい。」
「行きましょう。」カルパコがはやる気持を押さえ切れないように、先を急いだ。
「用心した方がいいぜ。何せここは黄泉の国だからな、何が起こるか分からない。慎重にいこうや。」ジルが大きなおなかを抱えて言った。
「そうよ、カルパコ、焦らないで . . . 本文を読む
前回、退縮後、「のしてんてん絵画」だけに残りの人生をかける。その力があるのかを確認するために描いた模写をお見せしました。
今回はその2枚、真作と模写を並べてみました。写真ではよくわかりませんが、左が真作(2000年頃)、右が模写(2013年)の作品です。
模写の採点は70点としましたが、それは技術面での衰えはないという意味であって、花の描写は真作にはるかに及びません。
同じものを描こうという . . . 本文を読む
黄泉の光
ランプの灯りがオレンジ色に輝き、地下道を照らし出していた。その光がどれ程ありがたいか、そのことは漆黒の闇を通って来た者にとっては共通の思いだった。
「おお、ここは、もとに戻ってしまったのか。」ウイズビー王子が叫んだ。
王宮の地下に降りて左側の洞窟から入ったはずなのに、その右側から出て同じ場所にたどり着いたのだ。左手には王宮に続く階段が見えていた。
「違う . . . 本文を読む
無のトンネル
月の見えない真っ暗な空に無数の星が輝いている。新月の夜だった。ウイズビー王子を先頭に、パルマ達は王宮の地下に降りて行った。地下道の空間にはどこから来るのか生臭い空気が動いていた。階段を降り切った所から地下道は三つの方向に別れていた。
「この道はどこに通じているのじゃ。」
「右側は、セブズーの市街に通じている。」ゲッペルが答えた。
「もしや、王立図書 . . . 本文を読む
のしてんてん絵画の詳細の解説を開始します。
カテゴリー「のしてんてん絵画を知っていただくために」に順次紹介していきますので、ご期待ください。
一人でも多くの方に、のしてんてん絵画を御愛覧いただき、心豊かにしていただければと願っております。
御用命の方は、ホームページ「のしてんてん」のメールからご連絡ください。
メールにて心の相談など、様々な思いを語り合いましょう。
常に、心のしあわせを願 . . . 本文を読む