山梨で縄文イベントのワークショップを頼まれたので、以前からやってみたかった遺物の勾玉の複製をすることにした。
博物館などの勾玉つくりワークショップは、半製品を面取りするだけとか、自由なカタチにつくらせるが、ヒスイ職人がやるのだからひと味違う。
長者ヶ原遺跡出土の滑石製の牙状勾玉(きばじょうまがたま)の実測図になるべく忠実につくり、紐孔も竹で穿孔してもらうのだ。
だいぶ前に実物と似た色をしたネフライトでつくった牙状勾玉の複製。縄文早期末~早期の遺物だ。滑石ではまだつくったことはない。
遺物の複製は書道の臨書と同じで、製作時の工程を推測し、おなじ手の動きをする必要があるのだから、これは往時の職人の疑似体験であり、ワタシなるものからの脱却なのであるw。
滑石のプレートに実測図を写してもらう所からワークショップ開始。加工は紙やすりと竹を使う。
「平成の大首飾り」で243点もの遺物を複製した時、その学びの深さに驚き、以降の勾玉つくりに多大な影響をうけたので、臨書ならぬ臨作は大事なのだと実感した。
試作してみたら製作時間に1時間半ちかくを要したので、勾玉つくり初心者なら2時間以上はかかるだろう。
左が試作品で右が実物大の写真。惜しむらしくは後半に来客があってゴタゴタしたので、尾部の刻みの位置がずれてしまった。次回の反省点。
来客は香港から観光にきた鉱物学者の家族。
紐孔の穿孔は実物と同じ直径の位置でカットした竹の丸箸をキリに使用したが、掌が滑るのでテープを巻いた。ちゃんと実物とおなじ寸法の円錐台をした紐孔になった。
手作業に慣れていない人には箸が細すぎて力が入らないだろうから、ひとまわり太い竹に箸を差し込む方式も考案。
こういった治具を自分で工夫するのも、もちろん学びの内。
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