旅と歴史

全国各地の史跡を取り上げて紹介しています。

満願寺

2015年08月18日 | 旅 歴史
  兵庫県川西市満願寺町に満願寺があります。
 神秀山満願寺は高野山真言宗のお寺で、本尊は千手観音菩薩です。聖武天皇の勅願により諸国に諸願達成の霊場を建立した勝道上人が神亀元年(724)に創建したと伝えられています。
 平安時代中期に、この地に本拠を構えた源満仲が満願寺に深く帰依し、天禄年間(970-973)に堂塔を造営しました。満仲の末子の僧源賢は金堂、千手堂などを造営し、円覚院と改めたそうです。
 万寿年間(1024-1028)に満仲の孫の源頼国が先祖菩提のため寺領を寄進し、多田源氏の祈願所として崇敬を集めるようになりました。
 鎌倉時代以降、北条氏、足利氏の崇敬が厚く、寺運も栄えましたが、室町時代末期に火災で焼失しました。徳川時代に4代将軍家綱が諸堂宇を再興させたそうです。
 明治の神仏分離により多田院仁王門にあった金剛力士像が満願寺に移され安置されました。一時は49あった院坊は、明治初期には円覚院しか残っていませんでした。明治31年(1898)、円覚院を本坊とし、旧称の満願寺に改めました。
 現在の境内には本坊、金堂、毘沙門堂、観音堂、釣鐘堂が建ち並んでいます。他には国の重要文化財に指定されている石造九重塔、源家の七塔、美女丸・幸寿丸・藤原仲光の墓、坂田金時の墓などが残されています。

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