フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

6月19日(水) 晴れ

2024-06-20 11:55:48 | Weblog

7時45分、起床。

チーズトースト、豚汁、目玉焼き、ハムステーキ、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。豚汁は昨夜の残り。スープ感覚で。かなりガッツリの朝食である。

10時半から、大学院の社会学コースの教室会議(オンライン)。

会議を終え、昨日のブログを書いてアップしてから昼食を食べに出る。終日雨だった昨日とは打って変わって陽射しが強い。

「吉岡家」へ行く。

海老天せいろを注文する。

海老天せいろは夏場の蕎麦屋のランチの定番。蕎麦だけではスタミナが不足する。先日の句会に「真夏日の意を決したる上天丼」という句を出したが、海老天せいろはもう少し気楽に注文できる。節約モードであれば野菜天せいろだ。

帰宅して2時から教授会(オンライン)。

教授会は5時には終わり、レビューシートのチェックをしてから、散歩に出る。

久しぶりに「きりん珈琲」に顔を出す。

前回来たのが4月中旬だったので2カ月ぶりである。1カ月以上空くのはよろしくない。「馴染みのカフェ」のシステムを維持していくためにはメンテナンスが必要なのだ。

さて、何を注文しようかな。

アイス珈琲。エチオピア産のモカシダモをドリップで。「かなり苦みが強いですが、お砂糖とミルクは使われますか?」」と店主さんが言った。いえ、スイーツも注文するので、ブラックでいただきます。

チョコレートわらび餅のバニラアイスクリーム添え。

スイーツのお替りをする。白あんプリン。これはモカシダモの苦みにがっぷり四つで対抗できるスイーツである。スイーツのお替りをしたのはアイス珈琲がまだ半分残っていたからだが、久しぶりの来店なので「穴埋め」の気持ちも働いていたかもしれない(笑)。

家を出るときに電話を入れて、きりんブレンドの焙煎もお願いしておいた(注文を受けてから生豆を焙煎してくれるのだ)。

店には1時間ほど滞在したが、ずっとキンドルで『サンセット・ハウス』を読んでいた。「きりん珈琲」は基本的には「もの思いカフェ」(⇔おしゃべりカフェ)である。

通りは家路をたどる人、駅に向かう人、あるいは近所のスーパーに買い物に行く人でにぎやかである。

踏切を渡る。

呑川を渡る。

福田平八郎『漣(さざなみ)』を連想する。この時刻、河口の方からの水の流れがようだ。

月が出ている。

帰宅すると郵便受けに投票所の入場整理券が届いていた。

夕食までレビューシートのチェック。

夕食は味噌漬け豚肉のソテー、玉子豆腐とオクラ、油揚げの味噌汁、ごはん。

デザートはサクランボ。

食事をしながら濱口竜介監督の『寝ても覚めても』(2018)を観る。2時間の尺なので、半分くらい観るつもりで観始めたが、最後まで観てしまった(そうなるよね)。主演の二人がその後ああいうことになるとはねと、どうしてもそういうことを思いながら観てしまう。

今日の日記を付ける。

風呂から出て、大量のレビューシートのチェック(本日が締め切り)。

1時半、就寝。


6月18日(火) 雨

2024-06-19 12:03:30 | Weblog

7時45分、起床。

チーズトースト、目玉焼き、ハムステーキ、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。ハムはブロックを切って焼くので、しばらく(ブロックを消費するまで)ハムステーキが続くだろう。

朝ドラの流れで『あさイチ』も観ているのだが、鈴木アナが昨日に続いてお休み。休暇ではなく、体調不良とのこと。どうぞお大事に。

昨日のブログを書いてアップする。

オンデマンド授業の原稿と資料のチェック。

2時半頃、昼食を食べに出る。雨が降っているが、外出を妨げるほどの雨ではない。

先日の句会に「煮え切らぬ男のような梅雨模様」という句を出したが、そのときペアで「あの女(ひと)の思わせぶりな梅雨模様」という句を作った。こっちは出しませんでしたけどね。「煮え切らぬ・・・」の句に「人」を付けてくれた花さんのコメントに曰く「言われてみれば、老若男女こんにゃくみたいなのはぜーんぶ梅雨模様だわ、って思いました」。

「梅雨模様」とは、「雨模様」が雨がこれから降りそうな様子をいうのと同じように、これから梅雨になりそうな様子をいう。今日の雨は「梅雨模様」ではなく、いよいよ梅雨がやってきた感じである。

「プリミエールカフェ」に行く。

彩り野菜のアサリのクリームスープのスパゲッティ。

食後に珈琲。

『村上春樹 雑文集』所収の「自己とは何か(あるいは牡蠣フライの食べ方)」を読む。大庭健『私という迷宮』(2001)の「解説みたいもの」として書いた文章である。大庭とはプリンストン大学で客員研究員をしていたころに知り合ったそうで、「何でもいいから書いてくれ」と言われて書いたそうである。大庭は村上よりも3つ年長だが、よくそういうことが言えたものである(笑)。

で、「自己とは何か」と「牡蠣フライ」がどう関係するのかというと、インターネットからの読者の質問に「就職試験で、原稿用紙4枚以内で自分自身について説明しなさいという問題が出て、答えられませんでしたが、村上さんならどうしますか?」というのがあって、それに対して、村上春樹は「原稿用紙4枚以内で自分自身について書くのは不可能でも牡蠣フライについてなら書けるのではないか」と回答したのである。つまり自身の内部でなく外部(カキフライはその例である)について書くことで、そこに対象との相関関係や距離感が表現されれば、それは結局のところ、自分自身について書くことになるだろうということである。村上春樹はこれを戯れに「牡蠣フライ理論」と呼び、その実践例を示したのである。「本当の自分とは何か」という迷宮的な問いに悶々としている者にはよい処方箋である。

村上春樹は原稿用紙4枚で「牡蠣フライ理論」を実践したのだが、私なら17音で実践できる(笑)。

 頼もしや五つ並んだ牡蠣フライ たかじ

駅の方に買い物に行く。

「安すぎてごめん!!」は値上げラッシュの社会の現状へのアンチテーゼである。私は古着というものを購入したことが一度もない。古本はよく買うんですけどね。

ドラッグストアーで小さな小さな歯ブラシを購入。歯周ポケットを掃除するためのものだが、歯の生え始めたばかりの小さな子供用みたいだ。

ついでにこんな効能の漢方薬も。毎食前一週間分なので、感覚としては試供品みたいなものである。

帰宅して、木曜日の演習で発表予定の学生のレポートを読む。

オンデマンド授業の収録。

夕食はカツオのたたき、豚汁、温泉玉子、沢庵、ごはん。

うまいカツオだった。

食事をしながら『世にも奇妙な物語』(録画)の残りの二篇、「人類の宝」と「週刊元恋人を作る」を観る。

3月に卒業したゼミ14期生たちは働き初めて3か月が経とうとしている。職場にもよるだろうが、そろそろ研修的な時期を終えて本格的に仕事に取り組む時期であろう。月曜から金曜まで5連勤、しかも定時で帰れることが少ないとなると、大学生活とはまったく違う生活パターンで、すでにそれだけで疲労は大きいだろう。そこに過剰な仕事量や人間関係のストレスが加わったら、心身の健康に支障が出るだろう。気分的には一足先に「梅雨入り」してしまっているかもしれない。昨年度4年生ゼミのMoodleから受講生に「お元気ですか?」のメールを送ってみる(年度が変わっているからもう使えないかと思ってダメもとでやってみたが送信できた)。

レビューシートのチェック。

風呂から出て、今日の日記を付ける。

1時半、就寝。


6月17日(月) 曇り

2024-06-18 12:13:24 | Weblog

7時半、起床。

チーズトースト、目玉焼き、ハムステーキ、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。

昨日のブログに取り掛かる。「書く」ではなく「取り掛かる」といったのは、句会の日のブログは長尺のものになるから。

途中まで書いたところで昼食を食べに出る。

「ホンズ・キッチン」に行く。先月は来ていないので、2カ月ぶりである。

ブン・チャージョーを注文。

ご無沙汰している間に新しいスタッフさんが入っていた。ベトナムの方で、フェイ(?)さんという。でも、ベトナム人の人の名前は私にはちゃんと聞き取れない。これまでいた方(ウェイさんやタンさん)は回数が減るか、辞めて別の場所で働き始めたそうである。しばらく来店の間隔が空いてしまうとこういうことになりがちである。お別れの挨拶がちゃんとできなかったのは残念だ。あたらしい場所で頑張ってくださいね。

昨日のブログの続きがあるので、カフェには寄らず、家に帰る。都知事選には予想以上の立候補者がありそうで、ポスターの掲示板が48人分のスペースでは不足しそうだとのこと。おや、まあ。ポスターを貼るか貼らないかは別として一応人数分のスペースを確保しておかなくてはなりませんから、大わらわですね。

今日は棋聖戦五番勝負第2局が戦われていることを忘れていた。いや、覚えてはいたのだが、句会ブログに集中していて、忘れていたのである。ネットTVを点けると、盤面は先手の藤井の優勢(AIの形成判断)のようだ。。

藤井が3五歩と突いたところ。機敏な動きである。先手の玉の囲いは堅く、対して後手の玉の囲いは不完全である(一手、6二金と上がりたいところだが、その余裕がない)。

ブログを書きながら、中継を観る。

局面は後手が角銀交換で入手した銀を4七銀と飛車金両取りに打った手に対して、先手が5五桂と打ち返したことろ。解説の棋士たちが感嘆の声をあげる。ふつうは4七銀と打たれてはダメだから、そうらならないように指すものだが、藤井はその先を読んで返し技(5五桂打ち)を用意していたのである。

後手は同歩と桂馬を取り、同金に3八銀不成と飛車を取った。先手の次の一手(6四歩)が厳しいのはわかっているが、4七銀と打った以上、飛車を取れないようでは話にならない。

6四歩、5二銀引、5四歩、6六桂、5三歩成、5八飛と手は進む。山崎としては敗勢を自覚しながら、しかし、藤井が一手でも緩い手を指したら逆転勝ちという構想で手を進めている。5八飛は詰めろではないが、5五の金取になっているので、藤井もこの要所の金を取られないようにしながら、且つ、相手にあまり駒を渡さないようにしながら攻めをつなげなくてはならない。解説の棋士は「AIの評価は大差になっていますが、自分ならとても自信を持って指せる局面でありません」と語っていた。

手は進んで、最終的な局面。千日手模様で粘る後手だったが、先手が金を持駒にしたことで2二金打からの即詰めの順が生じた。

この後、数手で山崎が投了した。あの「5五桂打ち」から藤井は一手も緩むことなく勝ち切った。見事である。これで藤井の2連勝。第3局は7月1日と少し先になるが、藤井は今週の木曜日(20日)に叡王戦第5局を控えている。伊藤匠七段と2-2で迎える最終局(持将棋にならない限りは)である。

句会ブログは対局を観ながら書き終わり、アップした。

夕食はカジキのソテー(バルサミコソース)、スナップエンドウ、沢庵、茄子の味噌汁、ごはん。

妻はバルサミコをよく使う。「バルサの女」なのだ(注:伊丹十三監督の『マルサの女』のもじりです)。

デザートはサクランボ。とても甘い。

食事をしながら『世にも奇妙な物語』(録画)から「追憶の洋館」と「友引村」の2篇を観る。

レビューシートのチェック。

10時から『アンメッツ』第10話をリアルタイムで観る。例によって妻の要望なり。脳腫瘍の患者(加藤雅也)とその妻(赤間麻里子)のエピソードがとてもよかった。加藤雅也はよくドラマで見かけるが(最近では『リヴァーサル・オーケストラ』に世界的なマエストロ役で出たていた)、赤間麻里子は何に出ていただろう? 調べたら『虎に翼』の花江の母親役で出ていた。う~ん、気づかなかった。この夫婦のエピソードは最終回の「決断」の伏線だろうか。

風呂から出て、今日の日記を付ける。

明日は大雨になるらしい。季節を感じないビルの中で働いている人たちも出勤は難儀であろう。ご苦労様です。

1時、就寝。


6月16日(日) 晴れ

2024-06-17 16:57:45 | Weblog

7時半、起床。

チーズトースト、目玉焼き、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。

食事をしながら『日曜美術館』を観る。「福田平八郎」の再放送。代表作は「漣(さざなみ)」。

書斎用の小さな扇風機。何度か床に落としていたら、回り始めるまでに時間がかかるようになった。でも、まだ使用に耐える。

昨日のブログを書いてアップする。

1時からオンライン句会なのだが、昼食を食べに出ている時間がない。カップヌードルで済ます。

「句会のある日はそうなりやすいですね」

本日のオンライン句会の出席者は、画面左上から、恵美子さん、私(たかじ)、月白さん、渺さん、さやかさん。それと事前選句(選挙でいえば期日前投票)での参加が蚕豆さん、花さん、港さん。

今回の投句は18句(各自、兼題の「天」を入れた句を1句と自由題2句)。

月白さんが18句を読み上げ、選句タイムに入る。各自、天(5点)1句、地(3点)2句、地(1点)2句を選ぶ。資料は2日前に配布していて、あらかた選句はしているとは思うが、最終的な確認作業ということ。

私は次の5句を選んだ。

天 アマリリス天のあくびのごとく咲く

 アマリリスが咲いている様子を詠んだ句。こういういわゆる一点ものの写生句の場合、どのように咲いているかの描写がすべてである。「あくびのごとく」だけでも面白いが、兼題の「天」を使って、「天のあくびのごとく」と詠んだところがポイントである。崇高な倦怠感とでもいうべき雰囲気が伝わってくる。


(写真はネットから拝借)

地 青蛙われは未完の人なりき

 一茶に「やせ蛙まけるな一茶これにあり」という句があるが、そこでは作者は弱者(やせ蛙)を応援しつつ、自分自身をも励ましている。この「青蛙」の句でも、作者は自身と青蛙を同一視しているが、「自分はまだこれからの人間である」という自負が強く前面に出ている。「青」は、「青臭い」という言い方もあるように、未熟なものを象徴する色である。

(写真はネットから拝借)

地 天気雨困惑顔の犬帰る

晴れているのに雨が降っている。天気雨というのは不思議な現象である。いつだったか、銀座を歩いているいるときに天気雨が降り出し、デパートの入口で雨宿りをした。そのときたまたま隣にいた女性に「天気雨って綺麗ですよね」と話しかけたら、その女性は「え、えぇ・・・」とちょっと困惑した表情をした。この句を見てそのことを思い出した。

人 山下り天津司(てんづし)舞の幕の声

天津司の舞は甲府市小瀬町の天津司神社に伝わる日本最古ともいわれる人形芝居。毎年4月の第一日曜日に行われる。天津司神社から隣町の下鍛冶屋町の鈴宮諏訪神社まで、ご神体である九体の人形がおみゆきし(山を下る)、幕を張られた境内で舞が行われる。句にはとくにオリジナルは表現はないが、五七五の調べに合わせてコンパクトにまとめた点を評価した。


(画像はネットから拝借)

人 勇ましや大海老天丼夏がくる

 私の以前の句「頼もしや五つ並んだ牡蠣フライ」へのオマージュかと思う(笑)。今回、兼題句の中に「天丼」を詠んだものが2句あった。もう一つの句もよい句だが、大人の事情から、こちらの句を選んだ。

全員の選句結果が披露され、集計され、得点の高いものから順に感想が語られた後、作者が明らかにされた。

16点 アマリリス天のあくびのごとく咲く 渺

今回の特選句は渺さんの作。「天」を付けた私の感想はすでに述べたが、月白さんによると、ご夫婦で散歩をしているときに渺さんが「これは何という花?」とアマリリスを見て月白さんに尋ねたそうである。私は「天のあくびのごとく」という表現に感心して天を付けたのだが、アマリリスを知らなかったのか(笑)。

15点 天気雨困惑顔の犬帰る 月白

港さんが「天」を付けた。なぜ「家に帰る」のかという点については、犬が雨を嫌ったという解釈と、散歩の飼い主が傘を持っていなかったという解釈があったが、私の日頃の観察からすると、一般に犬は雨に濡れるのをいとわない。傘を持っていなかったという飼い主の事情ではないかと思う。では、なぜ困惑顔なのかというと、晴れているのに雨が降っているという現象が犬には不可解だったのではなかろうか。

14点 オリーブの花散る朝の相談者 月白

これも月白さんの作。渺さんが「天」を付けた。ご夫婦で上位独占である。「朝の訪問者」ではなく「朝の相談者」であることろがポイント。探偵小説の書き出しみたいである。ここから物語が始まるる予感がする。一体何の相談に来たのだろうと、作者の解説を聴いたところ、「朝のラジオ番組のリスナーさんからのお悩み相談」とのことだった。な~んだ、玄関に誰かがやってきたのだとばかり思っていた。ちょっと拍子抜け。


月白さんのお宅のオリーブの木

12点 青蛙われは未完の人なりき 蚕豆

恵美子さんが「天」を付けた。私の感想はすでに述べたが、この句について渺さんが異色の解釈をした。この「われ」は青蛙を見ている作者ではなく、青蛙その「人」であると。一同唖然。「われは未完の人なりき」と青蛙「本人」が言っているのだという解釈である。完全なる擬人化!

11点 ツバメ飛ぶ超合金の潔さ 渺

さやかさんが「天」を付けた。たしかにツバメという鳥は、その形状や飛び方が、超合金でできた戦闘機を連想させるところがある。ただし、句としては「潔さ」がしっくりこなかったので私は選ばなかった。そのシャープな感じを出すならもっと別の表現の方がよかったろうと思う。たとえば? いえ、急に言われても(笑)。

6点 風船のごと紫陽花はふくらめり たかじ

私の句。花さんから「天」をいただいた。コメントに曰く、「ほんまや~、風船💛って思いました。風船という感じ方に素敵と思いました」。我が家の庭には紫陽花が咲いていて、中でも、大きくふっくらと咲いている白い紫陽花がお気に入りで、毎日、「行ってくるよ」「ただいま」と言いながら私はその白い紫陽花に触れているのである。きっと紫陽花も自分が愛されていることを感じていることだろう。(私の説明に一同ちょっと引く)

5点 真夏日の意を決したる上天丼 たかじ

これも私の句。港さんから「地」をいただいた。コメントに曰く、「わかる、のひと言。暑い日に店の前でよし入るぞ!食べるぞ!と思ったことがしばしばあるので大きく頷きました」。作意としては、「意を決したる」は、真夏日に天丼を食べることと、もう1つ、並ではなく上(高い方)を注文することにもかかっている。昨今の値上げラッシュでこれからますますわれわれは「意を決する」場面が増えるのではなかろうか。

5点 初夏やエレベーターの十五階 恵美子

蚕豆さんが「天」を付けた。コメントに曰く「てらいもなく素直な句ですが、それだけにすんなりと腑に落ちました。空気感とか人々(会社の同僚?)の雰囲気(服装など)が夏を感じさせたのでしょう」。ただ、他の参加者の間では、「十五階」というのが、もちろん低層階ではないものの、高層ビルの林立する都会ではそれほど高層とはいえない、ちょっと中途半端な階であると認識されていた。実は、作者の意図もそうで、初夏から盛夏に向かってこれから気温がどんどん上がっていくということを言わんとしているのだった。つまり、寒暖計における水銀柱の現在の位置を「エレベーターの十五階」という「高くはあるがまだまだ」という言葉で表したのである。

5点 勇ましや大海老天丼夏がくる 恵美子

これも恵美子さんの句。これはわかりやすい(笑)。「地」を付けた蚕豆さんのコメント。「今回天丼の句が二つありますが、美味しそうなこちらを取りました。豪快にかきこむさまが思い浮かびます」。私(たかじ)と恵美子さんの「天丼対決」は同点引き分けに終わった。禍根を残さずよかったと思う(笑)。

以下、選句された作品と作者をあげておく。

4点 山下り天津司舞の幕の声 港

4点 手術日に菜の花を摘む空き時間 蚕豆

3点 風光り鐘を鳴らして彼女逝く 月白

2点 煮え切らぬ男のような梅雨模様 たかじ

1点 新緑の光につられしゃんと朝 港

1点 天地のあわいに遊ぶ我鬼忌かな 蚕豆

みなさん、お疲れ様でした。


(恵美子さんは次の予定があるため、少し早めに退席)

次回は8月11日(日)午後1時から(3時まで)

兼題は「スポーツを詠むこと」(出題者は渺さん)

4時半に予約を入れておいた「ティールーム101」へ行く。

この時間だと客は私だけのことが多い。

今日のシフォンケーキはオランジェットをチョイス。

紅茶はあとで注文するとして、まずは、今週からメニューに登場したグレープフルーツのセパレートディーである。そういう季節になりましたか。

混ぜないで飲むのが私流。ストローを上下することで、紅茶、グレープフルーツジュース、そして両者の境界面あたりという3種の味を楽しむのである。

オランジェットのシフォンケーキ。チョコレートにオレンジピールを混ぜたものである。

紅茶はマダムにお任せ。アールグレー(ラッフルズホテル)を選んでくださった。

マダムが作った巾着。色と刺繍(店名、ケーキ、ポット&をソーサー)の組み合わせはさまざま。

オリーブ色の布にカップ&ソーサーの刺繍のものを選んだ。何を入れて使おうかな。使い途を考えずにとりあえず買うというのはノートを買うときに似ている。

6時半頃、店を出て、リュウイチさんのショップ&アトリエ「ATELIER DOUX REPOS」に顔を出す。3月に『ぶらり途中下車の旅』で紹介されたとマダムから聞いたからである。やあ、お久しぶりです。

マカロンを使ったフェイクスイーツがたくさん並んでいる。

これは注文を受けて制作中の還暦記念の桃を使ったケーキ。

こちらは別の完成品。

番組の動画を見せてもらう。旅人は上地雄輔さんですね。

実際にフェイクスイーツを作ってみたんですね。

苺ですね。

店内には何かのイベントのときに作ったポスターが飾ってある。この手はリュウイチさん?「はい、そうです」

同じポーズをしてもらう。

これは偽物ではありません(笑)。

店の片づけを終えた「ティールーム101」のマダムがやってきた。私とリュウイチさんのツーショットを撮っていただく。この巨大なマカロンはこういうときの宣伝用ですか。「母が先生のブログをよく見ているので、喜ぶと思います」。それは親孝行のお手伝いができてよかった(笑)。

そろそろ7時になろうとしている。

チャイが出窓のところにいた。

抱っこしてちょっと出してやる。

夕食はアスパラとキノコの炒め、肉じゃが、タラコ、味噌汁、ごはん。

食事をしながら『花咲舞が黙ってない』最終話(録画)を観る。

レビューシートのチェック。

9時から『アンチヒーロー』最終話をリアルタイムで観る。妻の要望である。通常は録画しておいて明日の夕食を食べながら観るのだが、「スマホに最終話の情報がいろいろ入ってきちゃうから」というのが妻の言い分である。見ないようにすればいいんじゃないのと思うが、それはなかなか難しいようである。はい、お付き合いいたしましょう(妻だけが観ると、書斎にやってきて、最終話の話を私にしようとするのである)。

そういう終わり方でしたか。野村萬斎の形相が凄かった。

レビューシートのチェック。

風呂から出て、今日の日記を付ける。

1時半、就寝。


6月15日(土) 晴れのち曇り

2024-06-16 12:40:40 | Weblog

8時15分、起床。

チーズトースト、目玉焼き、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。

新聞に久我美子さんの訃報が載っていた。93歳。記事にあるように「気品のある女性」を演じていた印象があるが、それは演じた役柄や彼女の所作からだけでなく、「久我」という名前が「公家」を連想させることからも(私だけだろうか)あるように思う。

食事をしながら『チコちゃんに叱られる!』を観ていたら、マカダミアナッツの誕生物語をやっていた。ハワイ移民二世の滝谷守という人が発案者だそうである。

その守の従弟のトニー・タキタニという人が守について語っていた。えっ、「トニー・タキタニ」だって?!

村上春樹の短編小説「トニー滝谷」(短編集『レキシントンの幽霊』所収)のモデル(名前だけだが)になった人ではないか。

村上春樹は1985年頃、友人夫婦と4人で車を借りてハワイを旅行した。そのときマウイ島の古着屋で「TONY TAKITANI」とプリントされた黄色いTシャツを1ドルで購入した。それがどういう人物なのか、なぜこういうTシャツが作られたのか、何もわからないまま、「そこに潜んだある種の不思議さに打たれて」。当時はインターネットで検索するという、いまなら当たり前の行為もまだ存在しなかったのだ。「だから僕はただ個人的な想像力を働かせるしかなかった。そしてただの名前から、その響きから、ひとつの物語が生まれることになった」。インターネットが普及してから、ある編集者がその人物について検索して、その人物が1980年代の初めにハワイ州上院議員選挙に民主党から立候補したという事実が明らかにになる。つまりTシャツは選挙運動のスタッフのためのものだったのだ。

という話「TONY TAKITANIのためのコメント」が『村上春樹 雑文集』に載っている。

しかし、そのエッセーには重要なことが書かれていない。もしかしたら「書くまでもない」「言わずもがな」と村上春樹は考えたのかもしれない。しかし、若い世代の読者のことを考えたら、やはり書きておくべきだった。それは「トニー・タキタニ」という名前が1950年代、60年代の日本で一世を風靡したタレント「トニー谷」を連想させるということである。彼のことが記憶の片隅になければ、村上春樹がTシャツに書かれた名前に反応することはなかったろう。赤塚不二夫の漫画『おそ松くん』に登場する異色のキャラクター「イヤミ」はトニー谷がモデルである。

昨日のブログを書いてアップしてから、中島道男『清水幾太郎の闘い』(東信堂)を読む。去年の11月に出版された本で、必要があってザっと目を通してはいたのだが、いま書こうとしている論文の参考文献の一冊として精読することにしたのである。あいにく電子書籍化されていないので、リーディンググラスを掛けて、苦労して読まねばならない。

この表紙の写真、どこかトニー谷に似ていなくもない。

2時近くになって、昼食を食べに出る。久しぶりに池上の「ヒトナミ」に行こうと思う。

池上駅を降りて、池上通りの交差点で信号が青になるのを待ちながら、向かいのあの角には何が建っていたのか思い出せない。銀行だったかしら?

「ヒトナミ」に前回来たのは去年の3月だったから(その後、お子さん連れの卒業生と6月にも来たのだが混んでいて入れなかった)、本当に久しぶりである。

今日、久しぶりで顔を出したのは、先週、大学院の学生がフィールドワークでここを訪れ、店主の小笠原さんにインタビューをしたので、そのお礼を兼ねてである。

先日はありがとうございました。小笠原さんは照れ屋なので、写真を撮ろうとするといつもおちゃらけた表情をする(笑)。

食事の前にリンゴジュースを注文。どの店でも、リンゴジュースがあるときは、食前に注文することが多い(たとえば「パン日和あをや」のアップルタイザーなど)。すっきりした味わいがいい。

週末担当のスタッフさん(お店のSNSも彼女の担当だ)。いつも小さな娘さんを同伴していたが、この春から小学生になり、今日は旦那さんが体操教室(だったかな?)に連れて行っているとのこと。

娘さんのお名前は聞いたことがあるが、ご本人のお名前は伺ったことがないかもしれない。「モエリ」さんとのこと。私のゼミの卒業生に同じ名前の人がいる。どういう字を書くのかと聞いたら、同じ漢字だった。「えっ、ホントですか! いままで同じ名前の人に会ったことがないのでびっくりです」と彼女は言った。たしかに卒業生には「モエ」さんは何人かいるし、「エリ」さんも何人かいるけれども、「モエリ」さんは一人しかしない。珍しい名前なんですね。

ガパオライス。

ハバネロを振りかけて。

食後の珈琲はハニー製法(詳しくはネットで検索して下さい)で作られた豆を使ったものを注文する。とてもすっきした味わい。珈琲のお供に梅が付いてきた。

ちょっと甘味も欲しかったので、ワッフルを注文。「ヒトナミ」のスイーツは甘さ控えめなものが多いのだが、ワッフルに蜂蜜が付いてくるので、それでスイーツになる。

そろそろ閉店の3時というころ、小学生の女の子とお母さんがやってきた。工作教室の帰りで、完成した油絵を女の子は持っていた。リスの絵ですね。いいなじゃいですか。4時から別の教室に行くので、途中休憩ということで立ち寄ったらしい。二人はワッフルを注文した。たぶん私が食べているのを見て食べたくなったのだろう(笑)。女の子(マスミちゃんという名前であることを教えてもらう)とお母さんとしばしおしゃべりをする。

店を出るとき、女の子のお母さんに小笠原さんとのツーショットを撮っていただく。久しぶりに来て、楽しかったです。また来ますね。

池上駅前の老舗のカフェ「エノモト」がビルの建て替え工事のために閉店していた。工事後、再開されるのかしら。

4時頃、帰宅。

夕食は妻と「マーボ屋」で食べようと思ったが、今夜は貸し切りだった。閉店まであと半月、あと何回行くチャンスがあるかな。駅の方へ出る。

釜飯の「梅Q」へ行く。

まだ早い時間(6時半)だったので、予約の電話のしないでいったが、けっこう予約の入っている席が多く、かろうじて座れた。

梅Qセットを注文。サラダと御新香とウーロン茶。

ネギマとモモをタレで。

レバーと皮を塩で。

釜飯は牛とジャコを注文して、シェアする。

最初に牛釜。

味噌汁はなめこ。

二杯目はじゃこ釜。

カロリー高めの牛釜のあとはサッパリと。

店の外にテーブルを出している店が多い。夏の宵の飲食街である。

帰宅して、いつもは食事をしながら観る『9ボーダー』(録画)を観る。七苗(川口春奈)にとってはかなりつらい展開である。来週が最終回。

レビューシートのチェック。

『福のラジオ』をタイムフリーで聴きながら今日の日記を付ける。

『レキシントンの幽霊』と『雑文集』のキンドル本を購入。定年後の楽しみの一つは若い頃に読んだ本の再読である。キンドルでそれが可能になった。「晴耕雨読」というイメージは以前からあったが、こういう形でそれが実現するとは予想していなかった。

   

1時半、就寝。