8時半、起床。アップルパイと紅茶の朝食。鞄に村上春樹『雑文集』と瀬尾まいこ『おしまいのデート』と手帳を入れて昼前に自転車に乗って家を出る。散歩の帰りに梅屋敷商店街のペットショップで猫のトイレの砂を買ってきてと妻に言われたので、徒歩でなく、自転車に乗っていくことにした。
先ずは「薫風」で昼食をとる。本日のランチのハヤシライスを注文。『雑文集』を読みながら待っていると、ハヤシライスが運ばれてきた。ライスにハッシュドビーフがかかっている普通のハヤシライスを想像していたら、そうではなかった。いかにも「薫風」らしいハヤシライスである。
食事を終えて、「甘味あらい」へ。今日は冷える。自転車を漕いでいるから余計にそう感じる。暖簾をくぐると、まだ1時になっていなかったが、もうけっこうな数のお客さんが入っている。席について、品書きを眺め、あん豆寒を注文する。あんこは漉しあんと粒あんどちらにしようかと考え、主役の豆(赤エンドウ豆)と競合しないように漉しあんにしようと決めたが、「あんこはどちらになさいますか?」とは聞かれなかった。あんみつはチョイスできるが、豆寒はどちらかに決まっているようである。どっちなのだろうとドキドキしながら(ちょっとオーバー)待っていたら、漉しあんがのった豆寒が運ばれてきた。ピンポーン、と頭の中でチャイムが鳴った。やっぱり豆寒には漉しあんが合うんだ。それにしてもこの豆寒は美味しい。豆はふっくらと柔らかく、噛むとほのかに塩味がする。それを黒蜜のたっぷりかかった寒天と一緒に口に運ぶと、実に味わい深い。あんなしの豆寒でも十分美味しいと思うが、そこに滑らかな食感の漉しあんが加わることで、弦楽四重奏(あん、豆、寒天、黒蜜)的作品に仕上がっている。すべて自家製。「甘味あらい」の真骨頂といってもよいのではなかろうか。
珈琲を追加注文して、短編集『おしまいのデート』の表題作を読む。瀬尾まいこらしいふっくらと柔らかな、噛みしめると少しの塩味のする、「甘味あらい」の赤えんどう豆のような作品である。会計のとき、奥さんから「奥様の具合はいかがですか?」と聞かれた。ブログを読んでくださっているのだ。はい、お蔭様で、回復期にありますと答えてから、「豆寒、美味しいですね」と言うと、「初めてのご注文ですね」と言われた。はい、一度、間違って(店内では注文できない)抹茶豆寒を注文してしまったことはありますが、あん豆寒は初めて食べました。フルーツやアイスクリームといった華やかな共演者はいませんが、実に味わい深い一品でした。「けっこうはまる方が多いんですよ」と奥さんはニッコリして言った。確かにこれははまりそうである。
自転車を漕いで梅屋敷商店街のペットショップに行き、猫のトイレの砂を2袋購入。店内にはさまざな小鳥たちがいたが、入口の引き戸が開いたままになっていて、そこから冷たい空気が入ってくるのだろう、みんな身を硬くして目を閉じていた。戸を閉めてやって、しばらくしたら、みんな活発に動き始めた。
帰宅して、少し休んでから、ジムへ行く。家を出るとき、雪がちらほら舞い降りてきた。寒いはずだ。今年ようやく2度目のジム。筋力が落ちているのは明らかなので、負荷と回数を少なくして筋トレを2セット、有酸素運動はいつもどおり35分。中華料理店「歓迎」で夕食用に焼き餃子を8人前買って帰る。