8時半、起床。蓮根と挽肉の炒め、シラス干し、白菜の味噌汁、ご飯の朝食。
雲ひとつない青空は久しぶりだ。天気予報によれば、台風12号の影響で明日から天気は崩れるという。であれば、今日は行く夏を惜しむ一日にしよう。
午前中は、来週に予定されているオンデマンド科目「社会理論と社会システム」の収録の準備。私の担当回は2・3・4回で、各回とも20分×3コンテンツから構成される。パワポはつかわず、スタジオ内のホワイトボードを使いながら、教室での講義スタイルで収録をする。ただし、キーワードについてはあらかじめフリップを用意しておいて、マグネットでホワイトボードに貼り付ける。その方が見やすいから。収録の準備とは講義の台本とこのフリップの作成である。
午後、散歩に出る。とりあえず池上の「甘味あらい」でカキ氷を食べることにする。行く夏を惜しむ食べ物としてカキ氷は一番ふさわしいものに思える。注文するのは氷イチゴと決めていた。宇治金時ミルクも美味しいし、氷あずきも美味しいが、私にとって氷イチゴはカキ氷の原点なのである。
池上駅のホーム(五反田方面)のベンチ
芸術品ともいえる「甘味あらい」の氷イチゴ
蒲田に戻り、京浜東北線に乗って、鎌倉をめざす。いざ、鎌倉。行く夏を惜しむ場所としては海辺が一番ふさわしいものに思える。これは加山雄三主演の映画「若大将シリーズ」を(怪獣映画と二本立てで)小中学生の頃に観て育った世代的の特徴なのかもしれない。したがってどこの海辺でもいいわけではなく、湘南の海辺でないとならないのだ。
蒲田を出発するときは雲ひとつなかった空だが、鎌倉についたとき(2時ごろ)には雲が出てきていた。やはり台風がちが近づいて来ているのだな。鎌倉駅前から若宮大路出るところの角にある「井上蒲鉾店」の二階の「茶寮いの上」で昼食をとる。特製いの上弁当(1200円)を注文。二段重ねの弁当で、しらすご飯は白いご飯ではなく茶飯。とても上品な味わい。おかずは派手さはないが、一品一品丹念に調理されている。老舗の蒲鉾屋だけあって、蒲鉾、薩摩揚、はんぺんが美味しい。蒲鉾を口にして「美味しい」と思ったのは久しぶりである。
若宮大路二の鳥居
しらすご飯(茶飯)
卵焼き、蒲鉾、小判揚げ、小海老・椎茸・ひじきの炊き合わせ、胡瓜とキャベツの浅漬け、南瓜煮、高野豆腐煮
梅花はんぺんの入った吸い物
「茶寮いの上」の全面ガラス張りの窓からは眼下にスクランブル交差点を行き交う人たちの姿が見える。地元の人、高校生、観光客・・・、ずっと見ていても飽きない。
食事を終えて、若宮大路を南に下る。開放的な感じ、観光地であると同時に生活の場でもあるという感じが好きだ。15分ほど歩くと由比ガ浜に出る。
前回(8月18日)来たときは、ピークを過ぎていたとはいえ、まだまだ海水浴客がたくさんいたが、今日はだいぶ減っている。とくに滑川(なめりがわ)の左側の材木座海水浴場は海の家も開店休業状態だ。波はまだそれほど荒くはないが、遊泳注意の旗が出ていた。
波打ち際を歩きながら、スナップを撮る。雲が空の表情を豊にしている。
浜辺を離れて、江ノ電の和田塚駅に向かう。電車に乗るためではなく、「無心庵」に行くためである。前回はちょうど定休日(木曜)で肩透かしをくった。順番待ちの客が何人かいたが、急ぐ旅ではないので、玄関の外のベンチで待つ。ほどなくして案内されたのは洋間の方。「無心庵」は二度目だが、洋間もまた趣がある。定番のクリームあんみつを注文。おひとりさまは私だけのようである。
「無心庵」を出て鎌倉駅まで歩く。御成り通りの「コクリコ」というクレープの店でカキ氷を食べる。店先のメニューに「生のレモンをしぼります」と書かれていたのに魅かれたのだが、自分でしぼるのだとは思わなかった。でも、たしかに、できあいのレモンシロップよりも、本物のレモンの方が風味がある。最初はシロップとレモン汁をちょっとずつかけて食べていたのだが(カレーのルーが容器に入って出てくるカレーライスを食べるときみたいに)、それだと氷が固まって硬くなることがわかったので、途中からは全部のシロップを景気よくかけてシャリシャリにして食べた。一日に二度カキ氷を食べて満足である。
駅のそばのカフェで本日の日誌をつけてから、お土産に豊島屋の鳩サブレーを買って、帰りの電車に乗る。6時半、帰宅。さらば夏の日。