フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

1月30日(木) 曇りのち小雨

2014-01-31 11:08:22 | Weblog

      7時半、起床。

      スコッチエッグ(大野屋)、クリームパン(金谷ホテルベーカリー)、豆乳入りロールパン、スープ(昨夜の鶏団子汁の残り)、紅茶の朝食。朝から高カロリーの食事なり。

    昼から大学へ。

    有楽町で途中下車して、「竹葉亭」で昼食をとる。この店の鯛茶漬けをときどき食べたくなる。 

 

     最初、1階のテーブル席に案内されたが、2階の畳席を所望する。外から窓際の席が空いているのが見て取れたからである。ここが「竹葉亭」(銀座店)の特等席である。

    ご飯は小ぶりの茶碗で3杯は食べられる。

    一杯目はお茶漬けにしないで、鯛の刺身そのもので。

      二杯目は鯛茶漬けで。

     三杯目はお新香のお茶漬けで。

     デザートは柚子のシャーベット。ごちそうさまでした。

     研究室で夕方までレポートの採点作業。

     夕方から「カフェ・ゴトー」で句会(第三回)。 今回はいままでで最多の7名が参加。主宰の紀本さん、私、校正者のT氏、文化構想学部の助手のMさん、コピーライターのMさん、初参加で私の教え子(一文の卒業生)のTさん、同じく初参加でMさんの小学校以来の友人のKさん。

     あらかじめ参加者は紀本さんにメールで俳句(3句)を送っている。それを紀本さんが一枚の紙にまとめて、人数分コピーしてくれていた。さっそく選考が始まる。21作品の中から各人が順位(天・地・人)を付けて3句を選ぶ。天=5点、地=3点、人=1点として、全員の合計点を出す。仮に7人全員が同じ作品を天に選んだとしたら、5点×7人=35点となるわけであるが、今回は分散した。

   入選作品(誰か一人でも選んだもの)は以下の13句(作者は選・講評が済んだ時点で明らかにされる)。

       10点 生きる意味を問うこともなく冬銀河 (私)

            冬苺二人の姪の手から手へ (助手のMさん)

        8点 シュプールの正弦曲線消えやらず (校正者のTさん)

        6点 はずかしくとけたくしろくあわいゆき (紀本さん)

            寒鰤(かんぶり)の一点盛りの潔さ (私)

        5点 猫眠るもういくつめの除夜の鐘 (助手のMさん)

            我が孫の顔思い出すふくわらい (コピーライターのMさん)

        4点 冬晴れの思いもかけぬ別れかな (私)

        3点 寒空(さむぞら)割るはだかの血管落葉樹 (卒業生のTさん)

            ランナーの数だけ走る冬木立 (助手のMさん)

        1点 厚さみて幸数えてる年賀状 (Kさん)

            吐く息のかおりに溶ける白雑煮 (Kさん)

            丸文字の絵馬に祈る初受験 (コピーライターのMさん)

     私と助手のTさんが特選となる。

     私自身は、「冬苺・・・」を天、「はずかしく・・・」を地、「猫眠る・・・」を人に選んだ。3句中2句が助手のMさんの句だったわけだ。波長が合ったということだろう。「冬苺・・・」を評価したのは動きのある句だったから。一般に俳句はスナップショット的というか、一瞬を切り取った静止画的なものが多いわけだが、この句は「手から手へ」というところに動画的な印象を受けた。「はずかしく・・・」はたぶん紀本さんの句だろうと思ったが(実際そうだった)、「はずかしく」「とけたく」「しろく」と「く」が連続して韻を踏んでいて、最後の「あわいゆき」の「き」も同じくカ行の音だから、声に出して読むと心地いい。「猫眠る・・・」は谷内六郎の絵のような郷愁を感じさせる情景で大晦日の句としてふさわしいと思った。

    自作解説をすると、「生きる意味を・・・」の句は、最初、「冬銀河」ではなく「冬の月」としていた。しかし、「冬の月」だと孤高の気分が強くなりすぎると思ったので、大きな宇宙を感じさせる「冬銀河」という言葉があることを歳時記を読んでいて知って、差し替えた。「生きる意味を問いかけてくる」という表現もチラリと考えたが、「意味」というものはもともと自然の中には存在しない要素で、むしろそういうものから人は解放される瞬間が必要なのではないかと思い、「問うこともなく」とした。「冬晴れの・・・」の句は、ある冬の晴れた日に突然に訪れた別れを読んだものだが、この別れは、離別と死別の二通りの解釈がありえると思っていたが、感想を聞いていると、やはり(男女の)離別ととらえた方と死別ととらえた方に分かれていた。私としてはどちらでもよいと思って作った。「寒鰤の・・・」は「たかはし」で実際に寒鰤の刺身定食を食べたときの情景を詠んだもの。寒鰤の刺身が好きな方には受けたようであるが、「一点盛り」の意味が通じなかった方もいたようである。

    結果的に、 私の3句は全部が入選したわけだが、たぶん私の作風は短時間の(15分から20分程度)の選考には有利に働いているのではないかと思う。つまり、印象に残りやすい語句や言い回しが含まれているからというのが私なりの自己分析である。また、今回は安住敦を気取って、人生の感慨を句に込めてみたわけだが、それが共感を呼んだということだろう。元来、こうした趣向は短歌向きであって、俳句向きではないと思われている。それは安住敦の人気の理由でもあり、同時に、通俗的というか、歌謡曲の一節のようだと批判的に評される理由でもある。

    主宰の紀本さんの感想では、句会も三回目になって、みなさん手練れてきましたねとのこと。これは正岡子規の言い方では、「月並み」な句が多くなったということである。「月並み」の「月」は「月例の句会」の意味で、それなりに上手ではあるが新味に欠けるということである。初心忘るべからず。

    句回は1時間半ほどで終わって、場所を「五郎八」に移して食事会。

    偶然だが、今夜の「五郎八」には長谷先生とそのお仲間の社会学者、那須先生のお弟子さんたち、と社会学者の占める割合が異様に高かった。早稲田社会学会「五郎八」部会か(笑)。 

 

 

    食事会が終わって、店の前=地下鉄の入口で解散したあと、卒業生のTさんと二人で「カフェゴト―」に食後のコーヒーを飲みに戻る。句会初参加の感想などを聞く(彼女がさっそく自身のブログで感想を書いているので、そちらを参照されたい)。

    Tさんは私の研究室の掛け軸「単純な生活」を書いてくれた書家であるが、書と俳句というのは親和性がある。ブログを読んでもわかるとおり、言葉の感覚が研ぎ澄まされた人であるから、きっと俳句は向いていると思って、句会に誘ったわけだが、楽しんでもらえたようでよかった。今回は「寒空割るはだかの血管落葉樹」の一句が入選した。三句の中で一番思い入れが強い句だったそうだから、それが選ばれたのは嬉しかったに違いない。私はたぶんこの句はTさんの句だろうと思っていた。「寒空割る」も「はだかの血管」も強い表現の言葉で、私であれば一つの句に強い表現は重ねない(一つにしておく)ところだが、そうした抑制をしないところがTさんらしいと思った。ただし、TさんもTさんなりに抑制はしているので、それは「裸」を漢字でなく「はだか」と平仮名で表記した点である。はだかの(=本当の)自分を探究し、呈示することは、彼女の日々の生活のテーマなのである。

    「カフェゴト―」には閉店の9時50分までいた。次回の句会は4月20日の日曜日である。春の俳句を作ることになる。


1月29日(水) 晴れ

2014-01-30 10:16:25 | Weblog

     8時、起床。

     朝食はとらず、11時に家を出て、大学へ。朝食を抜いたのは、昼食に鰻重を食べるつもりだったかである。

      鰻重(大):2500円+肝吸い:100円+肝焼き:200円を注文。人気の肝焼き(数量限定)は最後の一串だった。いつもは鰻重(大)が先に売り切れるのだが、今日は、鰻重(小):2000円が先に売り切れたようであるーということを後から同僚のH先生のツイッターで知った。H先生は年がら年中大学のカフェテリアで食事をしているイメージだが、「すず金」で鰻重を食べることもあるのだと知って、ちょっとびっくり。

     1時からカリキュラム委員会。今日はこのために大学に出て来たのだが、30分足らずで終わる。

     研究室でレポートの採点作業。今日から採点天国(レポート篇)が幕を開けた。3科目で170本ほどのレポートを読まねばならない。 

     1つの科目のレポートの採点を終えて、研究室を出る。

     飲み忘れていた食後のコーヒーを飲むつもりで「トンボロ」に寄ったが、団体客で混んでいたので、お隣の「SKIPA」に入ってアイスチャイを注文。今日は寒くない。

      地下鉄に乗る前にあゆみブックスで購入した坪内祐三『昭和の子どもだ君たちも』(新潮社)を読む。坪内一流の微視的な世代論である。

      「世代論を語りたい。/と言うと、そんなものはくだらない、世代論なんて無意味だ、と言葉を返す人がいるかもしれない。/実際、私の同世代の人間で、そのような言葉を口にする人もいる。/だからこそ私は今、世代論を語って行きたいのだ。/世代論を語ること、さらに細かく言えば歴史の目安を語って行くことだ(逆に言えば、かつて、ある時期までそのような目安が確かに存在したのだ)。/目安とは一つの定規のようなもので、その定規があるからこそ歴史(百年程度の歴史)を身体性を持って把握出来るのだ。」(9頁)

      「ところで、元々世代論に関心の深かった私が改めて世代論の事を強く意識するようになったのは数年前、団塊世代の還暦問題が話題となった時だ。/そうか、団塊世代がもう還暦なのか(私はちょうど彼らより一廻り下の世代だ)と私なりの感慨にふけったのだが(私は私の父が還暦となった時つまり一九八〇年のことをよく憶えているが当時の還暦者たちは父に限ず皆それなりに風格があった―それから還暦と言えば私は先日あるパーティーで十年振りで中沢新一さんに会ったが考えてみれば中沢さんも還暦を迎えたわけだから驚く)、同時に、誰かがそれを機にライフヒストリーを書いてくれないかな、と思った。」(15頁)

    「SKIPA」を出て、もう夕方近かったが、寒くないので、飯田橋まで歩くことにした。

    「梅花亭」で京風さくら餅と豆大福を買う。

     「大野屋牛肉店」でスコッチエッグとコロッケを買う。

      「金谷ホテルベーカリー」で食パンを買おうと思ったが、もうなかったので、クリームパンとピーナッツバターパンを買う。

      散歩しながらの買い物は楽しいが、いささか計画性に欠けるところがある。何をどのタイミングで食べようか思案する。

      6時半、帰宅。

      夕食は鶏団子汁。食後にコロッケと大福を食べた。大福はよいとして、コロッケがデザートというのはさすがにいかんだろう。

     深夜、卒業生のSさんからメール。いつもの仲間(2000年卒の教え子たち)で、4月に私の還暦祝いをしてくれるとのことで(その話は先日、研究室を訪れたN君から聞いている)、4月の私の予定を聞いてきた。考えてみると彼らも今年は年男年女が多いのじゃないのかな。私とは二回り違いということか。36歳。現代社会の延長された青年期もいよいよその出口に来ているわけだ。


1月28日(火) 晴れ

2014-01-29 02:25:36 | Weblog

    7時半、起床。

    夕食の残りのポークソテー、サラダ、トースト、紅茶の朝食。

     「ごちそうさん」は録画して書斎のTVで観ることが多い。話は日中戦争の時代に入った。子どもたちはずいぶんと成長したが、大人たちはあまり年をとっていないように見える。とくに悠太郎の語り口は若いときのままで、少々不自然に感じる。万年青年なのかな。もっともわが身を振り返ってみるに、語り口は大学生の頃とそんなに変わっていないようが気がしないでもない。

      昼前に家を出て、大学へ。

      昼食は蒲田駅の売店で購入した崎陽軒のシュウマイ弁当を研究室で食べる。一番好きなのは赤飯弁当なのだが、あれは毎日一個しか入荷しないそうなので、買えたり、買えなかったりする。今日は買えなかったのだ。なんで一個なのだろう。どうして需要がないのだろう。赤飯って美味しいと思うのだが、何か特別なことがないと食べちゃいけないと思われているのだろうか。

     掛け軸をながめながら食べる。「単純な生活」。研究室を訪れる同僚の先生や学生から「先生が書いたのですか?」としばしば質問される。「いいえ、竹内愉咲(ゆしょう)という書家にお願いして書いてもらったものです」と答える。「へえ、素敵ですね」とみな感心する。

     3限は選択基礎演習「日常生活の社会学的探究」。個人レポートの提出と内容の簡単な紹介。コースナビから全員のレポートを閲覧できるようにするので、一週間以内に、各自が興味深かった3本のレポートについて感想をBBSに書き込むことを最後の課題とする。

     4限は演習「ケーススタディの方法」。個人発表を2本やってから、全員のレポートの提出と内容の簡単な紹介。選択基礎演習と同じく、全員のレポートが閲覧可能にして、感想をコースナビに書き込みこと。 

     5限はOさんとO君の卒業研究論文の面接試験。自分の論文の概要を口頭で述べてもらった後、内容についてディスカッション。なにしろ指導学生は二人であるから、ゼミ論よりも指導の密度は濃い。論系に進級した学生の圧倒的多数はゼミを選択するが、卒業研究を選択する学生がもっと増えたらいいのにと思う。

     夕食は「五郎八」で食べて帰る。四川丼(鶏の唐揚げ甘酢煮と野菜がのっている)とかけ蕎麦のセットを注文。

     明後日の夜、句会の後の食事会をここでするつもりなので、予約を入れておく。 

      9時、帰宅。

      『文芸春秋』2月号の村上春樹「木野」を読む。「木野」は主人公の名前であり、彼が経営するバーの名前でもある。土地の名前ではない。それにしても不思議な話だ。そして魅力的な話だ。短篇小説だが、長編小説に成長する要素を備えている。長編小説のタイトルは「木野物語」・・・「遠野物語」みたいじゃないかと思う。フォークロア的なところがあるのは偶然ではないだろう、たぶん。


1月27日(月) 晴れ

2014-01-28 08:12:59 | Weblog

     9時、起床。

     昨夜の鶏鍋の残りのスープとパンとサラダの朝食。

     インターネットの速度が遅い問題は、午前中の点検で解決した。ルーターの内部の接触不良が原因で、それを直したら見違えるほど速くなった。便秘が治ったときのような爽快感がある。これまでは特急(ひかり)の料金を払って実は各駅停車の列車に乗っていたようなものだった。ついでにルーターを最新のものに交換してもらう。

     午後、散歩に出る。すずらん通りを蓮沼方面へ。

      昼食をとりに「上むら」へ。初めて入る蕎麦屋である。

     鍋焼きうどんを注文する客が多い中、カレー南蛮うどんを注文する。うん、美味しい。看板メニューにしているだけのことはある。

    ここはつまみ類も充実している。自宅の近所には「やぶ久」が閉店して以来、行きつけの蕎麦屋がなくなっていたが、ここはなかなかよさそうだ。「phono kafe」の大原さん夫婦はここを時々利用すると聞いている。

     食後のコーヒーを飲みに「テラス・ドルチェ」へ向かう。

     しばらく滞在して卒業研究の論文に目を通す。修士論文を読んだ後だと、学部生の論文はスラスラ読めてしまう。

    「テラス・ドルチェ」を出て、ジムへ向かう。

    ジムでは、筋トレ2セットとクロストレーナーを45分(630キロカロリー、チャーハン一人前を消費)。

    6時過ぎに帰宅。風呂を浴びてから、夕食。今夜のメイン料理はポークソテーの野菜スープがけ。


1月26日(日) 曇り

2014-01-27 01:21:17 | Weblog

     7時半、起床。

     スープパスタ、サラダ、トーストの朝食。

     午後、散歩に出る。午前中とは一転して、寒風が吹いて気温がどんどん下がる。

     下丸子の「喜楽亭」へ行く。店の前の歩道に全日空(ANA)の研修所への道案内が立っている。ご主人の話では、ANAにやってくる就活生はみな同じような髪形をしていて、それが毎年変化しているという。今年はどんな髪型なのか尋ねたところ、ポニーテイルとのこと(去年は団子にまとめていた)。それはもしかしてANAが全面協力した秋ドラマ『ミス・パイロット』で堀北真希がしていた髪型を真似ているのではなかろうか。

 

     いつものチキンカツ定食を注文。

     ご主人からも小山台高校の甲子園出場の話が出た。「おやまだい」と読むのですよねと聞かれたので、いいえ、「こやまだい」ですと修正する。ほどんどの人が間違える。東急大井町線に「おやまだい」という駅があるが、あれは「尾山台」と書く。

 

 

 

       食後のコーヒーは、蒲田に戻ってから、「テラス・ドルチェ」で。

     次回の句会用の俳句を考える。

        冬晴れの思いもかけぬ別れかな

        生きる意味を問うこともなく冬銀河

        寒鰤(かんぶり)の一点盛りの潔さ

     人の世の出来事の句、自然と人生の句、そいて食いしん坊の句、この3点セットでいってみよう。

     4時頃、帰宅。日没間際になって西の空が晴れてきた。明日は快晴のようである。       

       夕食は鶏鍋。シメジと白菜と葱が入っている。寒い夜には鍋がある。