フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

7月30日(木) 晴れ

2009-07-31 11:05:43 | Weblog

  9時、起床。冬瓜の挽肉あんかけ、トースト、冷麦茶の朝食。夕方から予定されている現代人間論系ゼミ・卒業研究説明会(ならびに論系進級ガイダンス)のパワポの資料の作成。作業をしていると、今日が締め切りの演習のレポートがメールで間断なく送られてくる。ワードの添付ファイルなのだが、ときどき拡張子が「docx」のものがある。ウィンドウズビスタ対応のワードである。しかし私のPCはウィンドウズXPなので開けない。保存形式を変更してもう一度送ってくださいとメールをする。昼食はインスタントラーメン。シャワーを浴びて、3時に家を出る。京葉線が止まっていますと車内で何度もアナウンスが流れていた。


猛暑日。もー、しょうがない人ね、ほんとうに。

  4時から現代人間論系の教室会議。思いのほか長引いて、一服する暇もなく、そのままゼミ・卒業研究説明会への会場である36号館382教室へ。ざっと見渡したところ200人を越える学生がいる。主任(私)の挨拶、事務的な説明に続いて、ゼミ担当教員全員(在外の田島先生を除く)がひとりひとりマイクを握って自分のゼミの説明をする。トップバッターは安藤先生で、いつものようによく準備された(まるで講義みたいな)トークを展開する。大変に面白いのだが、制限時間(5分)オーバーである。以下、ちゃんと時間を守る人、うっかり時間オーバーになっちゃう人、確信犯的に時間オーバーする人、いろいろいて、最後の一人が終ったときは、(6限終了まで)残り時間10分で、その10分で主任がゼミ選考スケジュールや卒業研究の説明をする。なんとか時間内で収めたが、次回から制限時間を越えるとマイクに電流が流れる仕掛けを施そうと思う。
  7限は、引き続き同じ教室で、ゼミごとの個別相談会。ゼミ担当教員と現役ゼミ生(3年生)数名が対応する。みんな帰っちゃったらどうしようと心配していたのだが、それは杞憂で、それなりの人数が残って熱心に質問をしていた。多くの学生が気にしているのは、はたして自分の成績で希望するゼミに入れるのかという点だ。一次希望の集計結果は発表されて、それを見て、希望の変更ができるシステムになってはいるのだが、わかるのは各ゼミの希望者数であって、その中で自分がどのくらいのポジション(成績順位)にあるのかはわからない。これが悩ましところのなのだ。私のところに相談に来た学生たちからも「先生のゼミの昨年のボーダーラインはいくつだったんですか」と聞かれたので、「平均してAをとっていれば安全圏。ボーダーラインは、うちのゼミの場合、AとBのちょうど中間くらいかな。ただし、ボーダーラインというのは年度によって変動するものだからね・・・」と答える。
  個別相談会は9時ごろまでやった。後片付けをして、手伝ってくれたうちのゼミ生3人を連れて「ホドリ」(焼肉屋)に食事に行く。3人の中の一人が(名前は伏す)、横断歩道を渡りながら、「や、焼肉だ。わーい」とはしゃいでいた。心の底から嬉しそうだった。私はそこに戦後の焼け跡にいた子ども達の面影を見た。


7月29日(水) 晴れ

2009-07-30 03:38:46 | Weblog

  9時半、起床。カジキのソテー、トースト、アイスティー朝食。お昼に家を出て、大学へ。
  1時から大学院の社会学コースの会議。3時半ごろ終わり、遅い昼食をとりに外に出る。見上げると、かなりのスピードで雲が西から東へ流れている。


風雲急を告げる

  「メルシー」でチャーシューメンを食べる。うまい。口直しに甘いものが食べたくなり、教員ロビーの無人半販売所で売っているミニドーナツ(100円で5個)を、自販機の紙コップの珈琲で食べる。うまい、というほどのものではないが、子どもの頃に食べた懐かしい味だ。ところで紙コップの珈琲だが、量が少なくないか?


普通のドーナツ

  4時半から教務室で社会福祉士資格関連科目についての検討会。6時をちょっと回った頃に終了。
  帰宅して、高校野球の東東京大会決勝(雪谷対帝京)の結果をチェック。なんと1-24。見事なまでの完敗。究極の敗北。終わりの風景(ヨハン・リーベルトの口調で)。95年の大会でも雪谷は準決勝で帝京に大敗(コールド負け)しているが、そのときの帝京は全国大会で優勝している。
  深夜、明日の教室会議の資料を作成し、論系ガイダンスの資料を作成する。夏休み目前のラストスパートだ。


7月28日(火) 曇り

2009-07-29 02:26:17 | Weblog
  8時半、起床。ウィンナーソーセージとキャベツの炒め、トースト、牛乳の朝食。朝刊(読売)の文化欄で今月の文芸雑誌に載った小説5編が取り上げられていた。川上未映子「ヘヴン」(群像)、青山七恵「山猫」(新潮)、小川洋子「寄生」(文芸秋号)、東浩紀「ファイントム、クォンタム」(新潮)、白岩玄「月と馴れあう」(文芸秋号)。こういう記事は夕刊の文化欄で読むものと思っていたが、最近は違うんだ。これを朝の食卓で読んで、駅の売店で文芸雑誌を購入して、通勤電車の中や昼休みにお目当ての作品を読むサラリーマンやOLがいるとしたら、ケータイをいじる人たちの中で、それはなかなかいい光景だと思う。


私、トーストにバターは塗りません。

  昼から大学へ。3限は「現代人間論系総合講座1」の教場試験。先日の「日常生活の社会学」の教場試験同様、試験監督員を依頼していたつもりでいたら、私の勘違いだったようで、試験開始の時刻になっても誰も現われない。しかたがないので問題用紙と解答用紙を配り始める。とはいっても、一枚一枚配って回るわけではなく、前から後ろに流してもらったのだが、7分しかかからなかった。「日常生活の社会学」のときは7名の監督員に一枚一枚配ってもらって6分かかったから、大して違わない。試験はABCD4つの問題(4人の教員が1問ずつ)の中から1つを選択して解答する方式。見回したところ私の出題したAを選んでいる学生が多いようだ。試験の開始前に「私の採点は厳しいですよ」と一言いうべきだった。
  「フェニックス」で昼食(チキンカレー)をとってから、研究室で中国人の留学生の面談。上海の大学を卒業して、この7月に日本にやってきたばかり。当面は語学学校に通って、来年度に科目履修生になり、大学院を受験したいとのこと。科目履修生には面接だけでなれるが、大学院の試験は社会学をちゃんと勉強していないと難しい、という話をする。また、修士課程だけなら国立大学の大学院の方が入りやすい、という話もする。それでも、「早稲田大学で勉強したいです。頑張ります」とひたむきな表情で言うので、入門書として私の『日常生活の社会学』(学文社)をさしあげて、「とりあえずこの本を読んでみてください」とアドバイスする。
  5限と6限の一部を使って、現代人間論系室で、卒業研究を選択した3年生と面談。夏休み明けの卒業研究計画書の提出へ向けてのガイダンスを行う。ゼミ生たちにもゼミ論の話をそろそろしなくては。生協で、リチャード・セネット『公共性の喪失』(晶文社)を購入し、「秀永」で夕食(木須肉定食)をとってから、帰宅。
  深夜、また一つ悲しいニュースを知る。歌手の川村カオリが亡くなった。彼女のブログはときどき見ていた。7月1日のブログが最後のものになった。

川村カオリ「ZOO」


7月27日(月) 曇り一時小雨

2009-07-28 01:10:18 | Weblog
  10時、起床。朝食兼昼食は炒飯にベーコン&エッグをのせ醤油をかけて食べる。「秀永」のホンコン飯を連想させるが、あちらは白いご飯がベースだが、こちらは炒飯。ちょっと贅沢な気分。
  朝方は晴れていたが、昼から雲行きがあやしくなり、ジムに行っている妻から「洗濯物を取り込んでおいてください」と電話が入る。ラジャー。ベランダに出ると、飼い猫のはるがやってきて、スリットから体を乗り出して、警戒にあたっていた。


隊長、異常ありません!

  駅の方向から大きな音量の音楽(オレンジレンジの曲だろうか)が聞こえてくる。風向きのせいで、大きくなったり、小さくなったりする。一方、近所の家でリフォームをしているようで、工事の音が絶え間なく聞こえてくる。夏だから暑いのはしかたがないが、うるさいのはいやである。昼間は自宅での仕事ははかどらない。本を読むだけなら喫茶店に行けばよいのだが、答案の採点は外ではできない。
  高校野球の東東京大会は準決勝で都立雪谷高校が成立学園を7-1で破って決勝に進出した。決勝(29日)の相手は帝京高校である。6年ぶり2度目の甲子園出場めざして頑張れ。
  夕食はジンギスカン。グリーンカールというレタスに似た(レタスよりも濃い緑色)の葉っぱで肉を包んで食べる。食後、「ブザービート」の第3話を観る。「ひさびさの月9らしいドラマですね」と学生が言っていたが、確かに、若い男女が近づいたり離れたりする過程それ自体を描くドラマである。このパターンのドラマは「男女7人夏物語」(1986)が源流と思う。さすがに登場人物に自分を重ね合わせて観ることはない。このドラマには「ビーチボーイズ」でマイク真木が演じていた海の家のオーナのような中高年の男は出てこない。つまりドラマの内部には私の身の置き場はないのだ。テレビの画面のこちら側で観客としてながめるほかはない。今日も相武沙紀が「悪い子」を演じていた。そして今日も男優たちは上半身裸でビーチバレーをしていた。
  俳優の山田辰夫の訃報に驚く。映画「おくりびと」での演技がまだ目に焼きついている。

山田辰夫が出演している東武特急スペーシアのCM


7月26日(日) 晴れ

2009-07-27 01:45:18 | Weblog

  10時、起床。間違いなく真夏日。しかし全国的には雨降りで、それだけにこの青空が貴重なものに思える。フィールドノートの更新をすませて、朝食兼昼食を「鈴文」に食べに出ようと洗面所で髭を剃っていると、妻の声で、「炒飯を作ってありますから」。う~ん、バッド・タイミング。さすがにここで、「いらない。とんかつを食べてくるから」とは言えない。いや、言えたとしても、ブログには書けない(好感度に影響するから)。炒飯と冷麦茶の朝食兼昼食。う、うまい。
  3時を回った頃、散歩に出る。暑いけれど、仕事にでかけるわけではないから、暑さを楽しもうという気持ちになれる。子どもの頃から夏が好きなのだ。適度な風があり、歩いていても汗が吹き出るということはない。小腹が空いたので、「カフェ・ド・コペ」でドリアと珈琲。静かな店内を予想していたのだが、おばさんたちの集団とぶつかってしまい、彼女たちの一人が最近受診したらしい大腸検査の話でもりあがっている。食事中に聞きたい話ではない。よっぽど側に行って注意してさしあげようかと思ったが、私の非難のまなざしに気づいたのか、あるいは自分たちが注文したものが運ばれてきて、さすがに食事中の話題としてふさわしいものでないことに気づいたのか、静かになった。本をバッグに入れてくるのを忘れたので、テーブルの上にメモ帳を取り出して、ゼミの夏合宿のスケジュールを考える。生涯発達心理学とライフストーリー研究を融合させたたプログラムを考える。 二泊三日、基本的に勉強漬けであるが、天気に恵まれたら近くの太海(ふとみ)海岸に散歩にでかけるくらいのゆとりは必要であろう。スケジュールの骨格が出来上がったところで喫茶店を出て、くまざわ書店に行って、以下の本を購入。

  菅野昭正『憂鬱の文学史』(新潮社)
  野口裕二編『ナラティブ・アプローチ』(勁草書房)
  四方田犬彦『歳月の鉛』(工作舎)
  新井克也『劇場型社会の構造』(青弓社)
  ミッチ・ウォルツ『オルタナティブ・メディア』(大月書店)
  村上春樹研究会『村上春樹の「1Q84」を読み解く』(データハウス)

  蒲田交差公園の花壇の縁に腰かけて、近くの自販機で買ったフルーツジュースを飲みながら、購入したばかりの本をパラパラと読む。通りすがりのおばあさんが、「私も座らせてもらいましょう」と言いながら、花壇の縁に腰かけた。ちょうどビルの陰になっていて、一休みするにはちょうどいい場所なのだ。これでちゃんとしたベンチがあったらいいのだが、うっかりベンチなんてものを設置するとホームレスの人が停留して困ると誰かが考えたのであろう、ここはベンチのない「公園」なのだ。しばらくして先ほどのおばあさんが立ち上がり、「ありがとうございました」と私に言って立ち去った。なんでお礼を言われるのかわからないが、「どうも」と答える。


真夏日のガードレールの影

  夜、「官僚たちの夏」を観てから、明後日の「現代人間論系総合講座1」の試験問題を作成する。途中で、本当は土曜日が締め切りだった書類のことを思い出す。い、いけない。これから書かなきゃ。今日も就寝は午前3時ごろになりそうだ。