フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月30日(月) 晴れのち曇り

2011-05-31 01:24:16 | Weblog

  8時、起床。台風一過の青空。焼売とワカメスープとご飯の朝食。
  机に向かっていたら、ケータイが振動してメールの着信を知らせる。5年前の卒業生のMさんからだ。久しぶりである。何の連絡かなと思いながら開いたら、この2月から大学病院に入院していると書かれていたので驚いた。病気の名前が書いてあった。難しい病気のようである。メールを書いてきたMさんの気持ちを考えると、すぐに返信のメールを出すことができなかった。しばらく考えてから、メールを書く。
  昼過ぎに家を出て、大学へ。「西北の風」で昼食をとる。窓際のテーブルに座り、ナポリタンとサラダとコーヒーを注文する。ゆったりした気分で食事をしたいときは、ここに来ることが多い。


遠くを望む。右の方に東京スカイツリーが見える


眼下に大隈庭園の新緑が見える

 


演習のテキストに目を通す

  2時45分からカリキュラム委員会の事前打合せ。夕方までかかる。打合せを終えて、メールのチェックをするとMさんから返信のメールが届いていた。退院したら私にメールを出そうと思っていたのだが、入院生活が思いのほか長引いており、私から元気をもらうべく今朝メールを出したのだと書いてあった。私のブログは見ているそうで、最近、白玉あんみつが無性に食べたくなったと書いてあった。自分は食べものの好みが先生と似ていると書いてあった。文キャンの風景は懐かしいと書いてあった。私が散歩のときに撮る街の風景も好きだと書いてあった。そうか、わかった、君が元気になって、退院して、東京に出てきたら(Mさんは四国の人である)、フィールドノートによく登場する私の馴染みの店に連れて行ってあげよう。「鈴文」のとんかつ、「甘味あらい」の白玉あんみつ、「天味」の天ぷら、「maruharu」のサンドウィッチ、「五郎八」の天せいろ、「カフェゴトー」のチーズケーキ・・・・まだまだあるが、どこがいいかな。ガリガリ君も好きなだけ食べさせてあげよう(笑)。東京の街の風景の中で、君の写真を撮らせてくれ。美人に撮ってほしければ美人に撮るし、かわいく撮ってほしければかわいく撮る。おのぞみしだいだ。そのくらいの腕はある(笑)。そのために元気になってほしい。元気になることが君の仕事だ。


さあ、ガリガリ君を頬張ろう


5月29日(日) 雨

2011-05-30 09:54:41 | Weblog

  9時、起床。雨が降っている。「雨がしとしと日曜日 僕はひとりで 君の帰りを待っている・・・」(モナリザの微笑)とザ・タイガースのジュリーこと沢田研二が歌ったのは1967年のことだった。当時、私は中学1年生で、グループサウンズの中では、「ブルーシャトー」のブルーコメッツが好きで、ザ・タイガースのような系統(ビートルズの模倣)は敬遠していたのだが、いまでも雨の日曜日には「モナリザの微笑」の一節をつい口ずさんでしまうし、坂道を歩くときは、やはりジュリーが歌った「長い坂道の落葉の丘にやさしいあの人は住んでいるのです・・・」(落葉の物語)を口ずさんでしまう。おそるべし、ジュリーの呪縛。
  昼から散歩に出る。土砂降りとか、強風を伴っている場合は別だが、私にとって雨は散歩の妨げではない。しとしと降る雨は内省的な散歩に向いている。晴れのときよりゆっくり歩くせいだろう。「テラス・ドルチェ」で昼食をとる。生姜焼きのランチセットを注文。サイホンで淹れるコーヒーが付いて950円。

  食後のデザートは「甘味あらい」で。雨のせいだろう、日曜日なのに客は私一人だった。他のお客さんのことは気にせずにご主人、奥さんと話ができた。6月は一年中で一番暇な季節だそうだ。紫陽花を模倣したカラフルな寒天を作って6月の限定メニューにされたらいかがでしょうかと提案してみたが、もともとお客が少ない季節では新メニューの開発は張り合いがなくて力が入らないらしい。では、奥さんが着物で接客されるというのはいかがでしょうかと以前からのアイデアを再提案してみる。それでお客さんが増えるかしらと奥さんは首をかしげたが、大丈夫、1割増は間違いなく、うまくすれば2割増までいくかもしれません。今日も苺クリームぜんざいを注文。前回、財布を忘れてツケになっていた分を今日支払う。

  蒲田に戻り、有隣堂で、川上弘美『東京日記3 ナマズの幸運』(平凡社)と角田光代『よなかの散歩』(オレンジページ)を購入。女性の作家の中では、この2人のエッセーが好きである。「緑のコーヒー豆」で一服してから帰宅。  

  夜、明日の会議のための資料を作り、関係者にメールで送る。今週は会議が目白押しだ。日曜日は教務的な仕事はしないことにしているのだが、それはあくまでも原則で、気になるのにしないよりも、片付けてしまった方が楽ということもある。


5月28日(土) 小雨

2011-05-29 02:36:52 | Weblog

  8時、起床。5月中の梅雨入りは記憶にない(1963年の東京の梅雨入りが5月6日と異様に早かったらしいが、記憶には残っていない)。梅雨入りが早いからといって梅雨明けが早いわけではあるまい。長い梅雨になるのだろうか。
  昼前に家を出て、大学へ。昼食は「maruharu」でとる。食前にグレープフルーツのゼリー、本日のサンドウィッチ(茄子、ミート、チーズ)、アイスカフェラテ。現代人間論系4年生のYさんと顔を合わせる。私のゼミの学生ではないが、今期は私の演習と講義をとっていて、よく顔を見る。就活を最近終えたようで、「郵便局に勤めることになりました」とのこと。昔、私の妹は郵便局に務めていた。六郷の特定郵便局だったが、Yさんの言っているのは、日本郵政グループの1つ、郵便局株式会社に就職が決まったという意味である。おめでとう。 

 

  1時から早稲田社会学会の理事会。私は理事(編集担当)を2期(6年)続けて務めた。7月の総会で理事改選となるが、これでいくらか肩の荷が軽くなる。
  理事会のあと、6時まで教務室で雑用。帰りがけにあゆみブックスで以下の本を購入。電車の中で読む。ただし、荒木の本はヌード写真なども掲載されているので、電車の中で広げるには注意が必要である。

  荒木経惟『天才アラーキー写真ノ愛・情』(集英社新書ビジュアル版)
  伊集院静『大人の流儀』(講談社)

  「写真家の最低条件のひとつは、いま自分に見えている場面をとっさの反応でフレームインさせてシャッターを押すっていうことなんだね。もう、それだけだった言ってもいいくらいなのよ。そういう所作っていうかさぁ、そうすれば、いい状況で向うが入り込んできれくれるわけですよ。要するに素早いってこと、それだけ。」(荒木、166頁)

  「俗にスナップなんて言ってるでしょ。信号待ちのときの横断歩道なんてもう最高だねぇ。車椅子のおばあちゃんが悠然と横断歩道を行くなんていうことがあるじゃない。お~、いいなーと思いますよ。なにかを待ってて、っていうのがいいのよ。屁理屈つけるとさ、人生を待つ、年を待つ、なにか楽しいことを待つ、・・・待ってる時間って、いいねぇ。それが重荷になっているやつがいたりするかもしれないけど、待ってるっていいですよ。」(荒木、170頁)

  蒲田に着いて、TAKANOで枇杷とオレンジの苺のムースを買って帰る。梅雨にはカラフルな甘味がいいと思う。気持ちが明るくなる。 


5月27日(金) 曇りのち小雨

2011-05-28 09:08:00 | Weblog

   8時、起床。カレーとパンと牛乳の朝食。そうだ、今日の昼の会議はカレーライスが出るのだった。11時に家を出て、大学へ。12時から本部で芸術学校管理委員会。やっぱりカレーライスだった。
  戸山キャンパスに戻って、1時から教務事務連絡会。3時から再び本部で教務主任会。引き続いてFD推進委員会。長引いていたが、ゼミがあるので、後は肥田先生にお任せして6時前に退席。
  6限は3年生・4年生合同ゼミ。座り方が学年で分離し、3年生はさらに男女でも分離していたので、全体をシャフルして、学年・男女が混在して座ってもらう。われながらユースホステルの管理人のおじさんみたいである。でも、これはうまくいったと思う。合同ゼミらしい融合した感じがでてきた。これはたんに座り方のせいだけでなく、今日、『若者のための社会学』第3章の報告をおこなった4年生グループのプレゼンの仕方が上手だったせいもある。これからの時代のわれわれの社会の特徴をキャッチフレーズ的に「〇〇の時代」というとすると、「〇〇」にはどんな言葉が入るでしょう、周りの人と話し合ってみってくださいと問いを投げかけたりして、話し手と聞き手、聞き手同士の間での相互作用を演出していた。これは3年生には参考になっただろう。


担任の青葉先生と副担任の太郎先生・・・みたいな。


「すずめの時代」「散歩の時代」というのは私の発言

  休憩時間のスイーツはI君が買って来てくれた焼きドーナツだったのだが、お腹が減っていたせいで、写真を撮るのを忘れて食べてしまった。す、すまん、I君。代わりにみんなが焼きドーナツを食べているところを写真に撮る。

  7限は4年生は自主ゼミ。3年生は別の教室に移動して『ソシオロジカル・スタディーズ』のグループ発表。4年生は放っておかれているが、いまは3年生のゼミをうまく軌道にのせるのが最優先の仕事だ。これが一段落したら4年生のゼミ論の指導にあたるから、いまのうちに計画を立てておくように。


3年生ゼミの面々

  7限の定刻(9時25分まで)を少しオーバーして3年生ゼミを終え、教務室に戻って少しばかり雑用を片付けて、10時に大学を出る。「天や」で夕食。稲庭うどん(冷やし)と小天丼のセットを注文(あとから蛸と海草のサラダを追加注文)。一週間が終ったなと思う。11時半頃、帰宅。玄関先で近所の野良猫が雨宿りをしていた。梅雨入りだなと思う。


5月26日(木) 晴れのち曇り

2011-05-27 01:39:15 | Weblog

  8時、起床。ハムステーキ、レタス、ご飯の朝食。
  田園調布の「小鳥の病院」にチュンを連れて行く。先週からちょっと気になっていたのだが、チュンがおかしな飛び方をする。飛翔する力が弱くなったというか、飛び方が下手になったというか、ヘリコプターがバランスを崩して落下するような落ち方をすることがあるのだ。怪我をしている様子はなく、餌もちゃんと食べているし、ちょこまか動いてはいるのだが、何かおかしい。ここ1週間は、カゴの外にあまり出さないで、栄養価の高い餌を与え、カルシウムとビタミンの粉末をまぜた水を一日2回取り替えてやるようにしたら、だいぶ調子が戻ってきた。しかし、念のために、先生に診てもらうことにしたのだ。今日は混んでいて、前に4人の患者(の飼い主)がいた。その中の一人は大きなカラスを連れてきていた。子どもの頃に怪我をしていたのを助けて、14年育てているのだそうだ。脳梗塞をわずらって立てない状態になっているが、飼い主の女性が頭を撫でてやると、頭をすりすりしてくる。よく馴れている。飼い主以外の人間が手を出すと噛み付くそうである。あの大きな鋭いくちばしで噛み付かれたら相当に痛いだろうな。私と同じく雀の子を連れて来ている人もいた。巣から落ちたばかりで口ばしが黄色い。チュンチュンよく鳴いて元気である。私の番が回ってきたので診てもらうと、風切り羽が何本か抜けている(生え変わる)ことが原因でしょうとのこと。風切り羽は室内で小鳥を飼うときに飛んで逃げないようにするために切ることもある羽で、これがないと小鳥は上手く飛ぶことができないのだそうだ。私の一つ前の女性が小鳥屋で購入したセキセイインコを連れてきて羽を切ってほしいと先生に言ったのだが、先生は切らない方がよいと答えていた。羽を切ることは小鳥には大きなストレスで、飛べるつもりで羽ばたいて、落ちて怪我をすることもあるのだそうだ。いま、うちのチュンも一時的にそういう状態のようである。病気や怪我ではないとわかって、ホッとする。
  11時過ぎに帰宅して、大急ぎで仕度をして、大学へ。12時からの人事委員会打合せに10分ほど遅刻する。「家族を病院に連れていってまして・・・」と言い訳をする(嘘じゃないからね)。
  打合せを終えて、「たかはし」に昼食をとりにいく。鰹の刺身定食。美味い。 

  食事から戻って、事務方と打合せを一件すませて、「フェニックス」でコーヒーを飲みながら授業の準備。5限は「日常生活の社会学」。室温および湿度が少々高い。そろそろ東京も梅雨入りとか。授業後、坂井先生と「カフェ・ゴトー」でお茶をする。私はパインジュース、坂井先生はブルーベリーとさつまいものタルトとコーヒー。

  7時に新宿駅南口でゼミの卒業生のNさんと待ち合わせ。遅れてIさんとHさんもやってくることになっている。Nさんに連れられてルミネにある「ラ・メゾン」というカフェレストランに行く。圧倒的に女性客の多いお店である。生ハムと茄子のトマト風味のパスタと季節のタルトと紅茶を注文する。Nさんは大阪の私鉄に勤務していて、来週、配属先が決まる。4月は緊張の毎日で、これでやっていけるのだろうかと気弱になったこともあるそうだが、いまはどこに配属になるか楽しみとのこと。適応力はさすがだ。パスタを食べ始めた頃にIさんとHさんがやってきた。Iさんは大手町にある損保に、Hさんは浅草にある損保に務めている。仕事からプライベートな話題まで、あれこれ話を聞かせてもらった。みんな社会人へのスタートはそれなりに順調に行っているようである。みんな環境の大きな変化によく適応していっているよなと感心する。9時を過ぎたあたりで、私はお先に失礼する。楽しい時間だった。卒業生との交流は教師という職業の楽しい付録である。 

  

  帰宅して、Nさんからお土産にいただいた「京はやしや」の抹茶わらびもちを食べる。味わい深い逸品だ。