9時、起床。
トースト、目玉焼き、サラダ(+ウィンナー)、牛乳、紅茶の朝食。
昼食は近所のラーメン屋「狐狸丸」で。
鯛ラーメンの塩・淡麗、味玉付。妻は鯛ラーメンの醤油。濃厚・味玉付。スープには塩と醤油の二種あり、さらにスープの濃度に淡麗と濃厚があるが、私は塩&淡麗しか注文したことがない。一番最初に来店したとき店長さんから「鯛ラーメンの旨さを味わっていただくには塩&淡麗が一番です」と言われたからである。では、なぜ醤油スープや濃厚スープが存在するのかといえば、客個人の好みの多様性を考慮してということだろう。単一メニューでやっていくのは難しい時代なのだ。
イベリコ豚の肩ロースを使ったチャーシューは別皿で出てくる。シャブシャブのように箸でスープに浸して(あまり加熱しないで)食べてくださいということである。
店を出て、妻は真っ直ぐ帰宅。私は買い物がてら散歩。
白い雲が光を受けて輝いている。先日、いただきもののお礼の電話を新潟の親戚にしたときに、「こちらは雪か曇り日ばかりです。東京の冬はいいですね」と言われた。確かにその通りだと思う。子供たちが小学生だった頃、毎年、新潟のスキー場に出かけていたが、列車が清水トンネルを抜けると「雪国」で、それまでの青空が一転して曇天になっていることにいつも新鮮な驚きを覚えたものである。スキーを楽しむ非日常の数日間ならいいが、日常的にあの曇天の下で暮らすことを考えると陰鬱な気分になる。雪国の人たちにとって春の訪れはわれわれより何倍も素晴らしいものなのだろう。
呑川の橋の上で私と同じように写真を撮っている人がいた。私の家のご近所のAさんだった。すでに定年退職をされているが大学で「風景」の研究をされていた方である。聞くと、毎日、散歩をしながら呑川周辺の写真をとっていらっしゃるそうである。呑川についての話を聞かせていただく。
このあたりは呑川が蛇行しているせいだろう、一番水が汚れている場所で、上流や下流はここより水がきれいだそうである。上流、つまり池上の方が水がきれいなことは知っていたが(よく散歩するので)、下流もそうだとはしらなかった。
呑川の源流は落合の浄水場で、そのためふつうの川よりも水温が高いそうである。「暖かいんですか?」と私が聞くと、「温泉みたなわけにはいきませんけどね」とAさんは笑った。
住宅街の中にある西蒲田一郵便局で返信用に年賀状(インクジェット)を10枚追加購入する。ミッキーの図柄のものにした。170枚中の10枚であるから、もしミッキーの図柄のもので私から返信が届いたら、「今年はいいことがある」と思って下さい(笑)。
花屋で注連縄、お榊、門松、仏花を購入。
「あるす」に顔を出す。私が本日初めての客だったようだ。あと30分ほどで3時(閉店時間)だったから、「今日は誰もいらっしゃらないのかしら」と奥様は思っていたようである。
モカを「濃いめでお願いします」と注文。
コーヒーと一緒にのど飴が出てきた。
コーヒーを飲み終える頃にホットミルクが出てきた。残っていてコーヒーを加えてカフェオレ風にする。
さらにホットミルクを飲み終えるころにトーストしたロールパン(バター片とレーズン入り)が出てきた。すでに時間は3時半になろうとしていたが、どうも奥様は私に帰ってほしくないようである。女性にそう言われたら(実際に言われてはいませんが)、席を立つわけにはいかない。もうしばらくおしゃべりをした。
「よいお年を」というご挨拶は配偶者を失くされた方にも言っていいものなのだろうか。瞬時に判断できなかったので、「では、失礼いたします。お風邪を召しませんように」と挨拶をして店を出る。
店を出るとき奥様がお庭の寒椿を切って持たせてくださった。
帰宅するとポストに「呑川講座」のパンフレットが入っていた。Aさんがさっそく入れて下さったのだ。
ベランダにいたナツが室内に入ろうかどうしようか(まだ空は明るいしな・・・)逡巡している。
結局、入ってきて、私に付いて二階の書斎までやってきた。「来ちゃいました!」
しばらく机の下で私の足にじゃれついていた。書斎は床暖房が入っているので、猫にはすこぶる居心地がいいのだ。
本人はじゃれついているつもりでも、爪が伸びているので、靴下の上からでも「イテテテ!」となる。
そんなことをしているうちに早くも夕方である。
東南の中空に半月が出ている。
今日は一日、本の整理。
この本の「下巻」が見当たらない。もしかしら古書店で「上巻」だけの端本を購入したのだろうか。そんなことを考えながら、中身をパラパラと読む。池波正太郎は大正12年の生まれで、私の父と同い年である。生まれた場所は浅草で、これも私の父と同じである。二人とも生まれて間もなく関東大震災(大正12年9月1日)に遭い、火災の中、命拾いをしたのである。
どうも書庫の整理というのは、サクラダ・ファイミリアの建築工事にも似て、いつまでたっても終わらないものである。
夕食は鶏肉と野菜のレンジ蒸し、水餃子、明太子、ご飯。
容器の蓋を開けるとキャベツしか見えないので、それでは写真写りが悪いので、キャベツを下に、中身を上に持って来て、写真に撮る。傍らで妻が「めんどくさい人ね」という顔で(いや、そう言いながら)、食べ始めている。
2時、就寝。