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前回取り上げた須賀川の「ひばり温泉」で台風のピークをやり過ごした後に、東京方面へ帰るべく国道4号を南下していたら、矢吹を過ぎ泉崎村に入ったあたりで空模様が一気に回復し、雲間から青空も覗きはじめたので、その機に乗じてもう一軒温泉へ立ち寄ることにしました。泉崎の温泉といえば「泉崎カントリービレッジ」ですね。私としては5年ぶりの再訪です。平日のお昼頃に伺ったのですが、直前まで暴風雨だったためか、野良仕事や土木工事ができなかった人々でごったがえしており、駐車場はほぼ満車状態でした。相変わらず大人気を博しているようです。
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5年前に訪問した時は正面玄関(ロビー)やレストラン等があるターミナル棟から入館したのですが、今回はその裏手に位置している「さつきの湯」棟(以下、温泉棟)の入口を潜りました。この渋い木造建築からは「勝手口」といった雰囲気が感じられますが、後から知ったところによれば、基本的に日帰り入浴利用の場合は、この温泉棟側から入館するんだそうです。
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上述のように館内は大変混雑しておりましたので、今回浴室(内湯)の撮影は控えさせていただきましたが、そのかわり5年前の訪問時に主浴槽を撮っており、当時も現在も殆ど変化ありませんので、今回の記事では過去の画像を採用させていただきました。長方形の主浴槽は全面タイル貼りで7~8人サイズ。隅っこに据えられた岩の湯口より非加温のぬるい温泉が注がれており、完全掛け流しで惜しげも無くザバザバと洗い場へ溢れ出ています。後述する他の浴槽と比べると、この主浴槽のお湯の良さは頭ひとつ抜け出ているのですが、具体的に何が良いのかは後ほど詳しく。
なお洗い場にはシャワー付きカランが計9基取り付けられており、ボディーソープなども備え付けられているので、使い勝手に問題ありません。
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この露天風呂の画像は2014年のものです。時間軸が前後してしまい恐縮です。
温泉棟と後述するターミナル棟浴室との間には露天風呂が設けられており、その位置からして、両浴室の連絡通路を兼ねているようでもあります。露天ゾーンには岩造りの温泉槽の他、タイル張りの水風呂、そしてサウナが設けられており、サウナではひっきりなしに利用客が出入りしていました。露天の温泉槽は、3分の2ほど屋根掛けされており、この下に入れば雨天時の湯浴みも大丈夫。ただ四方は塀や建物に囲まれており、床も無機質なコンクリなので、景色を愉しむことはできず、いまいち温泉情緒に欠けるかも。
露天風呂に張られているお湯も、温泉棟の内湯同様にぬるめの湯加減でして、湯浴み客の中にはなんと1時間近くも微動だにせず、まるでヌードデッサンのモデルのように、ひとつのポーズを決めながらじっと浸かり続けている方もいらっしゃいました。でも長湯したくなるほど、微睡みを誘う気持ち良いお湯なんですよね。お気持ちわかります。
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なお、5年前の時点では、露天風呂には屋根掛けされていませんでした。当時と現在との相違点はその程度かな。今も以前も、内湯同様に露天風呂のお湯は純然たる掛け流しです。
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露天風呂を通り抜けた奥にあるもうひとつの浴室は、正面玄関を擁するターミナル棟の浴室です。前回訪問時はこちら側から利用しました。温泉棟よりも全体的にやや小さく、浴槽は5~6人サイズで、洗い場のカランは計8基。室内は全面タイル貼りで装飾性に乏しく、かなり実用的な造りです。以前は浴槽上の窓から露天風呂が見えましたが、現在ではサウナ小屋が建てられたために、すっかり視界が遮られてしまいました。
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こちらの内湯は温泉棟の内湯や露天風呂と違い、私の体感で43℃前後というやや熱めの湯加減になっていました。加温されているのか、はたまた浴槽が小さいから温度低下を免れているのか。湯面には気泡がたくさん浮かんでおり、湯中でもしっかりと肌に泡が付着しました。
温泉棟・露天風呂・ターミナル棟の浴室、いずれも同じ源泉のお湯を引いており、放流式の湯使いを実践しているものと思われます。白河や矢吹界隈に湧く温泉に共通した特徴を有しており、見た目はごく薄い山吹色を帯びた透明で、口に含むと重曹的なほろ苦味が感じられます。湯口や湯面からはミシン油のような匂いや臭素臭、そして仄かな金気臭が嗅ぎ取れ、浴室内にもこれらの匂いがふんわり漂っていました。特筆すべきはニュルニュルと表現したくなるほど滑らかな浴感であり、ネット等でこの温泉を紹介する多くの温泉ファンのみなさんも異口同音に、その極上な浴感を絶賛なさっています。どの浴槽でもそのニュルニュルスベスベの浴感を楽しめるのですが、とりわけ温泉棟の内湯は、溢れ出しの量が多くて鮮度感が素晴らしく、泡付きも良好、それでいて湯疲れしにくいぬるめの湯加減なので、利用客はこの浴槽に集中し、延々と常連同士で語らったり、あるいは石仏のようにじっと動かず湯に浸かり続けたりと、とにかく長湯する人が多くいらっしゃいました。ただでさえ利用客が多いのに回転が悪いため、館内の混雑に拍車がかかってしまうのですが、これもお湯の良さゆえですから、致し方ないことなのでしょう。
湯上がりはさっぱり爽快で、体に変な熱が篭ることはありません。今回の再訪によって改めてこちらの温泉の良さを実感しました。このエリアには私好みのアワアワ・ツルツル・サッパリ系の温泉が点在しており、どの温泉に入ろうか迷ってしまうのですが、泉崎の素晴らしさを再確認したことにより、当地ではますます優柔不断になってしまいそうです。
アルカリ性単純温泉 44.5℃ pH9.8 125L/min 溶存物質0.1943g/kg 成分総計0.1943g/kg
Na+:49.7mg,
OH-:1.1mg, HS-:0.4mg, HCO3-:62.7mg, CO3--:27.1mg, HSiO3-:46.9mg,
完全放流式(清掃時のみ塩素系薬剤使用)
JR東北本線・泉崎駅より徒歩30分
福島県西白河郡泉崎村大字泉崎字笹立山12 地図
0248-53-4211
ホームページ
9:00~21:00
500円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★+0.5