前回記事の続編です。
●大浴場
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/28/5ca00249abf5fceb1c341610be6c6281.jpg)
「パノラマ大展望風呂」からバックヤードの如き質素な長い通路を戻り、多くのお客さんで賑わう「大浴場」へと向かいます。男女両浴室入口の間にはマッサージチェアが4~5台設置されており、私が入ろうとした時には、全てのチェアが湯上がりのオバサン達で占拠されていました。「女三人寄れば姦しい」と言いますが、首にタオルを巻いた4~5人のオバサンは、みなさん一言も発することなく静かに瞑目して、揉み玉の動くがまま体を細かく揺らしています。普段は賑やかなはずのおばさん達を黙らせてしまったのは、マッサージ機の性能が良いためなのか、はたまた温泉のパワーによるものなのか…。
脱衣室にはグレーの事務用スチールロッカーが、ズラリと沢山並んでいました。不思議なことに、郡山界隈の各温泉施設では、脱衣室にこの手のオフィスロッカーを採用する傾向にあるのですが、これって何か特別な事情でもあるのでしょうか。ただこちらの場合は室内面積の割にロッカーの数が多く、時と場合によってはちょっと狭く感じることもありました。尤も、任意のところが使えるので、他のお客さんとの干渉が嫌ならば、使用中のロッカー(リストバンドの鍵がない箇所)を避ければ良いのですけどね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/9c/2b2dd26474ab6a036cf8a182080bec1f.jpg)
大きなガラス窓からの充分な採光によって爽快な明るさと広さを有する浴室は、手入れが行き届いているため清潔感もあって、利用客の多さが気にならないほど気持ちよく使えました。大きな窓の下には温泉が張られた主浴槽の他、ジャグジー槽と水風呂が配置されており、脱衣室寄りにはサウナや洗い場などが並んでいます。洗い場にはシャワー付きカランがL字形に6基設置されています。
サウナの右側にある2つの槽(右(下)画像)は、水風呂とジャグジー槽です。前者に張られた冷水は薄っすらと黄色を帯びているので、単なる水道水ではなく何らかの成分を含んだ鉱泉ではないのかと思われます。一方、後者には温泉が放流式の湯使いで用いられているのですが、投入量を絞っている上、気泡の影響を受けるためか、(私の体感で)後述する主浴槽より1℃ほど低めの湯加減(41~2℃)となっていました。私が訪れたのは厳冬期でしたから、体をしっかり温めてくれる熱い風呂が好まれるのかと思いきや、じっくり長湯できるこのぬるめのジャグジーが殊の外人気を集めており、せっかく大きな主浴槽があるのに、常連さんはこの小さなジャグジー槽に集まって、肩を寄せ合いながら談笑に興じていらっしゃいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/f7/6d712f6b920f9065ac162a896d8602a4.jpg)
2方向が窓に面している明るい主浴槽は、目測で5m四方というかなり悠々とした容量を有しています。この浴室に入ると誰しも目を奪われるのが、頭上でうしろ手を組んでいる艶かしいブロンズの裸婦像でしょう。男性入浴客を挑発しているようにしか思えないこの裸婦像の直下に湯口があり、ドバドバとふんだんに温泉が投入されています。そして波立たせながら湯船を満たしたお湯は、赤御影石の縁の上を絶え間なく溢れ出ており、排水口である床の目皿では、そのお湯がグルグル渦を巻いていました。
容量の大きな浴槽であるにもかかわらず、投入量が充分であるためにお湯の鮮度は実に良好であり、温度も冷めることなく、43℃というちょっと熱めの湯加減となっていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/a6/56674c0172e0809ccb9cbcc03716ade2.jpg)
大浴場を右手に見ながら屋外に出ると、一帯の風景を見下ろせるテラスとなり、そこから木製のステップを下ってゆくと露天風呂です。この「のんびり温泉」では、着替えと移動の手間さえ厭わなければ、2つの露天風呂が楽しめるんですね。でも視界が高い分だけ、この「大浴場」に付帯している露天の方が、見晴らしは優っているような気がします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/c3/643a8432effbbabd6baabfbcda9096ff.jpg)
斜面の途中に設けられた露天風呂は、よくある日本庭園風のレイアウトなのですが、丘下の田んぼへとつながる斜面の松林を借景にしており、頭上に屋根などの視界を遮る構造物が無いので、実際の面積よりはるかに広い開放感が得られました。内湯ほどではありませんが、岩造りのお風呂もそれなりの容量を擁しており、10人程度なら余裕で同時に入れそうな感じです。また、縁に並べられている岩の凸凹の塩梅が良く、入浴中に仰向けになりながら岩に頭をのせると、上手い具合フィットしてくれたので、これを枕代わりにすることによって安定した寝湯も楽しめました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/f9/b369c5ad76b25aa2c381f933fa736f64.jpg)
夜の露天風呂もなかなか良い雰囲気でした。先程述べたように、岩の隙間に頭を載っけて寝湯のように入浴していると、キンと冷えきった夜空に皓々と輝く月が浮かんでおり、闇が深くなるに連れて満点の星が瞬くようになりました。施設の名称の通りに、私はこの露天で夜空を見上げながら「のんびり」湯浴みさせていただきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/77/526f462457f59132aff00ba6cd528e9a.jpg)
露天の湯口に裸婦はおらず、先っちょにネットが被せられた塩ビ管があるばかりです。そういえば前回記事で取り上げた「パノラマ大展望風呂」の湯口にもネットが巻きつけられていましたが、こちらで使っている源泉は固形物が混入しやすいのでしょうか。この管からは内湯同様に豊富な湯量が吐出されており、そのかげで冬季の屋外にもかかわらず、あまり湯冷めしないで内湯と大して変わらないほどの湯加減がキープされていました。湯量が豊富であることは溢れ出しを見てもわかることであり、手前側のステップからはドバドバと惜しげも無く排出されていました。
温泉を引いている各槽は同じ源泉を用いており、お湯の見た目は無色透明で、お湯を手に掬って口に含んでみますと、弱い芒硝的な味と匂いとともに微かなミシン油っぽい香りが鼻に抜け、口の中にペパーミントを思わせるようなスーッとする清涼感も得られました。pH9以上の比較的高いアルカリ性を有しているだけあり、含食塩-芒硝泉という泉質名から想像できないツルツルスベスベ浴感が強く、あたかもローションの中に浸かったかのような、滑らかなフィーリングにびっくりします。また内湯の主浴槽や露天風呂ではお湯のフレッシュ感も素晴らしく、少々の熱さも相俟って、シャキッと蘇るような爽快感が全身を走りました。先程マッサージチェアで静かに横になっていたおばさん達は、お風呂でホコホコに温まったことに加え、自分の肌が滑らかになったことにウットリして、本能的に更なる健康効果を求めたくなったのかもしれません(なんてね)。なお湯中における泡付きは見られず、湯口や槽内などには硫酸塩泉でよく見られる析出も現れていませんでした(後者に関してはこまめな清掃によるものかもしれませんが)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/f5/5384907eda515d317ded69a1bbc63664.jpg)
脱衣室の洗面台にはドライヤーが完備。同室内には酪王牛乳のベンダーも設置されていましたので、湯上がりには福島県のソウルドリンクとでも言うべき「酪王カフェオレ」を一気飲みし、郡山の恵みを満喫しました。風呂上がりのコーヒー牛乳は本当にうまい!
大きな施設なので、あまりお湯に期待していなかったのですが、予想を覆す浴感と鮮度感の良さには大いに驚かされました。
ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉 49.1℃ pH9.3 溶存物質1.088g/kg 成分総計1.088g/kg
Na+:313.3mg, Ca++:30.9mg,
F-:5.1mg, Cl-:134.9mg, OH-:0.4mg, SO4--:522.9mg, CO3--:18.0mg,
H2SiO3:39.2mg, HBO2:21.5mg,
福島県郡山市三穂田町山口山崎山11-1
024-953-2611
ホームページ
7:30~22:00
800円(平日600円)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★
●大浴場
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「パノラマ大展望風呂」からバックヤードの如き質素な長い通路を戻り、多くのお客さんで賑わう「大浴場」へと向かいます。男女両浴室入口の間にはマッサージチェアが4~5台設置されており、私が入ろうとした時には、全てのチェアが湯上がりのオバサン達で占拠されていました。「女三人寄れば姦しい」と言いますが、首にタオルを巻いた4~5人のオバサンは、みなさん一言も発することなく静かに瞑目して、揉み玉の動くがまま体を細かく揺らしています。普段は賑やかなはずのおばさん達を黙らせてしまったのは、マッサージ機の性能が良いためなのか、はたまた温泉のパワーによるものなのか…。
脱衣室にはグレーの事務用スチールロッカーが、ズラリと沢山並んでいました。不思議なことに、郡山界隈の各温泉施設では、脱衣室にこの手のオフィスロッカーを採用する傾向にあるのですが、これって何か特別な事情でもあるのでしょうか。ただこちらの場合は室内面積の割にロッカーの数が多く、時と場合によってはちょっと狭く感じることもありました。尤も、任意のところが使えるので、他のお客さんとの干渉が嫌ならば、使用中のロッカー(リストバンドの鍵がない箇所)を避ければ良いのですけどね。
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大きなガラス窓からの充分な採光によって爽快な明るさと広さを有する浴室は、手入れが行き届いているため清潔感もあって、利用客の多さが気にならないほど気持ちよく使えました。大きな窓の下には温泉が張られた主浴槽の他、ジャグジー槽と水風呂が配置されており、脱衣室寄りにはサウナや洗い場などが並んでいます。洗い場にはシャワー付きカランがL字形に6基設置されています。
サウナの右側にある2つの槽(右(下)画像)は、水風呂とジャグジー槽です。前者に張られた冷水は薄っすらと黄色を帯びているので、単なる水道水ではなく何らかの成分を含んだ鉱泉ではないのかと思われます。一方、後者には温泉が放流式の湯使いで用いられているのですが、投入量を絞っている上、気泡の影響を受けるためか、(私の体感で)後述する主浴槽より1℃ほど低めの湯加減(41~2℃)となっていました。私が訪れたのは厳冬期でしたから、体をしっかり温めてくれる熱い風呂が好まれるのかと思いきや、じっくり長湯できるこのぬるめのジャグジーが殊の外人気を集めており、せっかく大きな主浴槽があるのに、常連さんはこの小さなジャグジー槽に集まって、肩を寄せ合いながら談笑に興じていらっしゃいました。
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2方向が窓に面している明るい主浴槽は、目測で5m四方というかなり悠々とした容量を有しています。この浴室に入ると誰しも目を奪われるのが、頭上でうしろ手を組んでいる艶かしいブロンズの裸婦像でしょう。男性入浴客を挑発しているようにしか思えないこの裸婦像の直下に湯口があり、ドバドバとふんだんに温泉が投入されています。そして波立たせながら湯船を満たしたお湯は、赤御影石の縁の上を絶え間なく溢れ出ており、排水口である床の目皿では、そのお湯がグルグル渦を巻いていました。
容量の大きな浴槽であるにもかかわらず、投入量が充分であるためにお湯の鮮度は実に良好であり、温度も冷めることなく、43℃というちょっと熱めの湯加減となっていました。
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大浴場を右手に見ながら屋外に出ると、一帯の風景を見下ろせるテラスとなり、そこから木製のステップを下ってゆくと露天風呂です。この「のんびり温泉」では、着替えと移動の手間さえ厭わなければ、2つの露天風呂が楽しめるんですね。でも視界が高い分だけ、この「大浴場」に付帯している露天の方が、見晴らしは優っているような気がします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/c3/643a8432effbbabd6baabfbcda9096ff.jpg)
斜面の途中に設けられた露天風呂は、よくある日本庭園風のレイアウトなのですが、丘下の田んぼへとつながる斜面の松林を借景にしており、頭上に屋根などの視界を遮る構造物が無いので、実際の面積よりはるかに広い開放感が得られました。内湯ほどではありませんが、岩造りのお風呂もそれなりの容量を擁しており、10人程度なら余裕で同時に入れそうな感じです。また、縁に並べられている岩の凸凹の塩梅が良く、入浴中に仰向けになりながら岩に頭をのせると、上手い具合フィットしてくれたので、これを枕代わりにすることによって安定した寝湯も楽しめました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/61/fec780be75d20f2e16cbb0c026084a91.jpg)
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夜の露天風呂もなかなか良い雰囲気でした。先程述べたように、岩の隙間に頭を載っけて寝湯のように入浴していると、キンと冷えきった夜空に皓々と輝く月が浮かんでおり、闇が深くなるに連れて満点の星が瞬くようになりました。施設の名称の通りに、私はこの露天で夜空を見上げながら「のんびり」湯浴みさせていただきました。
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露天の湯口に裸婦はおらず、先っちょにネットが被せられた塩ビ管があるばかりです。そういえば前回記事で取り上げた「パノラマ大展望風呂」の湯口にもネットが巻きつけられていましたが、こちらで使っている源泉は固形物が混入しやすいのでしょうか。この管からは内湯同様に豊富な湯量が吐出されており、そのかげで冬季の屋外にもかかわらず、あまり湯冷めしないで内湯と大して変わらないほどの湯加減がキープされていました。湯量が豊富であることは溢れ出しを見てもわかることであり、手前側のステップからはドバドバと惜しげも無く排出されていました。
温泉を引いている各槽は同じ源泉を用いており、お湯の見た目は無色透明で、お湯を手に掬って口に含んでみますと、弱い芒硝的な味と匂いとともに微かなミシン油っぽい香りが鼻に抜け、口の中にペパーミントを思わせるようなスーッとする清涼感も得られました。pH9以上の比較的高いアルカリ性を有しているだけあり、含食塩-芒硝泉という泉質名から想像できないツルツルスベスベ浴感が強く、あたかもローションの中に浸かったかのような、滑らかなフィーリングにびっくりします。また内湯の主浴槽や露天風呂ではお湯のフレッシュ感も素晴らしく、少々の熱さも相俟って、シャキッと蘇るような爽快感が全身を走りました。先程マッサージチェアで静かに横になっていたおばさん達は、お風呂でホコホコに温まったことに加え、自分の肌が滑らかになったことにウットリして、本能的に更なる健康効果を求めたくなったのかもしれません(なんてね)。なお湯中における泡付きは見られず、湯口や槽内などには硫酸塩泉でよく見られる析出も現れていませんでした(後者に関してはこまめな清掃によるものかもしれませんが)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/e7/eca4876d64c1a090c96ac92c1de6b3d1.jpg)
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脱衣室の洗面台にはドライヤーが完備。同室内には酪王牛乳のベンダーも設置されていましたので、湯上がりには福島県のソウルドリンクとでも言うべき「酪王カフェオレ」を一気飲みし、郡山の恵みを満喫しました。風呂上がりのコーヒー牛乳は本当にうまい!
大きな施設なので、あまりお湯に期待していなかったのですが、予想を覆す浴感と鮮度感の良さには大いに驚かされました。
ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉 49.1℃ pH9.3 溶存物質1.088g/kg 成分総計1.088g/kg
Na+:313.3mg, Ca++:30.9mg,
F-:5.1mg, Cl-:134.9mg, OH-:0.4mg, SO4--:522.9mg, CO3--:18.0mg,
H2SiO3:39.2mg, HBO2:21.5mg,
福島県郡山市三穂田町山口山崎山11-1
024-953-2611
ホームページ
7:30~22:00
800円(平日600円)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★