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同じ温泉地の内にあるご近所同士のお宿を節操もなくハシゴしてしまう私の湯めぐり。前回取り上げた中ノ沢温泉「大阪屋」に続いて立ち寄ったのは、庭園露天風呂がご自慢の「花見屋」です。「大阪屋」の露天風呂は幻想的な蒼さと濃厚な白濁を呈しておりましたが、記事の中で述べたように、濃厚白濁はイレギュラーな状態ですので、他のお宿でも同様の現象が見られるのか確かめるべく、こちらへ伺ったわけです。
左右に長いフロントにて日帰り入浴をお願いしますと、手際良く対応してくださいました。私のように入浴のみの利用客も多いのでしょう。
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フロント左手から伸びる廊下を進んで、その奥にある浴室へと向かいます。途中にいくつかある業務用出入口には、会津葵の暖簾が下がっていました。
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廊下の突き当たりの丁字路を左に折れると女湯、右に曲がると男湯。女湯の更に奥には貸切風呂もあるようです。両浴室の入口にはロッカーが設置されていますので、見た目ばかり大きくて中身が空っぽな財布をそこへ預け、「殿の湯」の暖簾をくぐりました。
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画像では伝わりにくいのですが、フローリングの脱衣室にはガラス窓が多用されており、とても明るく安閑でのびのびとした室内環境です。また中央に洗面台を設けるレイアウトもユニーク。建物自体の古さは否めませんが、手入れが行き届いており、また抜群な採光や独特な配置によって 経年劣化によるビジュアル的マイナス面が打ち消されているように見えます。設計者の先見の明とでも言うべきでしょうか。
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浴室には湯気とともにふんわりと明礬臭が篭っていました。脱衣室同様にこちらも採光が宜しく、窓越しに降り注ぐ陽光を受け、湯船の青白いお湯は皎然と煌めいていました。明るさをもたらす窓の下には、シャワー付きカランが5基並んでいます。浴槽は先端の欠けた台形のような形状をしており、槽内には強酸性のお湯からお風呂を守るべく、オフホワイトの耐蝕塗装によるコーティングが施されています。この塗装によって湯船のお湯は淡い水色を帯びてるように見えます。前回記事の「大阪屋」の内湯には湯の華がたくさん沈殿しており、かき混ぜるとあっという間に透明度が失われて青白い濃厚な濁りが発生しましたが、こちらの内湯では、微細な白い湯の華がたくさん舞うものの、著しい濁りを見せることはなく、透明度も大して変化しませんでした。この姿こそ中ノ沢温泉のいつもの姿であります。
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岩積みの湯口からはアツアツの温泉が注がれており、それと並んでVP管から温度調整目的の冷水も落とされていました。湯加減は体感で43~44℃の熱めでしたが、熱さと酸の刺激によってピリッと身が引き締まるので、私にはかえって爽快に感じられました。
湯口に上にはコップが置かれていたのですが、強酸性のお湯を飲泉するってことかな? 秋田・玉川温泉のお湯も水で希釈して飲泉しますから、中ノ沢温泉(沼尻元湯)のお湯も飲めないことはありませんが、めちゃくちゃ酸っぱいので口の中が大混乱しちゃいそう…。
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広々とした日本庭園を臨む、お宿ご自慢の庭園露天風呂。抜群の開放感はもちろん、美しい植栽や立派な石灯籠など、雄大な安達太良山を借景にしたお庭はなかなかの見応えです。浴槽は目測で6.5m×4mの四角形で、内湯と同じく白い耐蝕塗装が施工されているのですが、この手の塗装は滑りやすいので、スリップ防止用のマットが随所に敷かれていました。湯船の表面積はとても大きいのですが、なぜか浅い造りであるため、若干寝そべらないと肩までお湯に浸かれません。またその浅い構造と表面積の広さに影響されてか、後述するように投入されるお湯は熱くて量もたっぷりなのに、湯船では40℃に届かないほどぬるくなっていました。陽気が良ければ長湯にもってこいなのですが、なにしろこの日は氷点下の冷え込みでしたから、ぬる湯に長居できず、短時間の入浴に済ませ、暖を取りに内湯へ戻るはめに…。冬の温泉って、管理するのも利用するのも、一筋縄ではいきませんね。
露天から見るガラス張りの内湯を露天側から見ると、花卉栽培の温室みたいですね。なお女湯と男湯を隔てる大和塀の下は仕切りがなく、浴槽自体は男女双方がつながっているようです。
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湯口からは熱い温泉がふんだんに注がれており、浴槽の切り欠けから惜しげも無く溢れ出ていました。槽内の塗装により、湯船のお湯はライトグレーを帯びているように見えます。内湯と同じく、こちらの湯中でも白い微細な湯の華が大量に舞っていたものの、極端な白濁を呈することはなく、どれだけ撹拌させてみても、底がはっきり視認できる透明度(弱い白濁)が保たれていました。この状態が中ノ沢温泉の平時ですから、「大阪屋」で見られた湯の華の湯泥やそれに伴う濃厚白濁は、おそらく一時的なものであり、事態そのものは私の訪問時には収束しつつあり、こちらのお風呂において、大量の沈殿は既に洗い流された後だったのかもしれません(あるいはストレーナーが設けられているのかもしれませんが)。
お湯は中ノ沢温泉の他のお宿と同じく沼尻元湯からの引湯。明礬臭を漂わせるお湯はとても酸っぱく、強い酸性の温泉によく見られる、ヌメリを伴うツルスベ浴感が気持ち良く肌に伝わりました。
明るくてピリッと熱い内湯、広々としてのんびり入れる庭園露天、その両方がとても爽快で、掛け流しのお湯も心地よい、入り応えのあるお風呂でした。
沼尻元湯
酸性・含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉 68.3℃ pH2.1 13400L/min(自然湧出) 溶存物質2.662g/kg 成分総計2.761g/kg
H+:7.9mg(19.11mval%), Na+:113.7mg(12.07mval%), Mg++:74.5mg(14.97mval%), Ca++:231.5mg(28.20mval%), Al+++78.8:mg(21.39mval%), Fe++:8.6mg,
F-:18.4mg, Cl-:582.5mg(39.38mval%), Br-:3.0mg, HSO4-:274.5mg(6.78mval%), S2O3--:6.1mg, SO4--:1025mg(51.15mval%),
H2SiO3:155.4mg, HBO2:26.1mg, H2SO4:5.5mg, H2S:98.7mg,
(平成26年7月2日)
磐越西線・猪苗代駅より磐梯東都バスの達沢・高森方面行で「中ノ沢温泉」下車
福島県耶麻郡猪苗代町蚕養沼尻山甲2855-103 地図
0242-64-3621
ホームページ
日帰り入浴時間不明
500円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★+0.5