パパと呼ばないで

再婚した時、パパと呼ばないでくれと懇願した夫(←おとうさんと呼んで欲しい)を、娘(27)「おやじ」と呼ぶ。良かったのか?

プレゼン力の高い女

2021年04月12日 | Weblog
4月12日(月)晴れ

我が母、おんとし81歳。
毎日、市の高齢者向けプールに通い、同い年のお友達とキャピキャピおしゃべりを楽しみ、
近所の、自分より年上のおばさま方のお世話を焼き、楽しく暮らしている。
元気でボケずに長生きする秘訣はなんだろうなあと母を見ながら考える。

木曜日の朝7時、母の携帯が鳴る。
母の驚いたような、でも少しホッとしたような、優しく諭すような声がする。
余談ですが...母の世代の特徴なのか、母の周りだけなのかわからんが、我が母、電話大好きである。
ワタクシ達今の世代は(・・・)あまり電話で喋るってことなくないですか?
ラインで、メールで、用件打って、しばらくその応酬が続いて、最後スタンプでおしまいって感じじゃないですか?
我が母のガラケーは毎日、朝昼晩、しょっちゅう鳴り響いている。
そして、そのたびに「あれ?どこで鳴ってる?ちょっと待ってちょっと待って」という一連の流れの後で、楽しそうなおしゃべりが続く。
学生時代からの70年来の友人とか、プールで仲良くなった仲間とか、ご近所のおばちゃんとか、親戚関係等々、電話の鳴らない日は無い。
この、人と喋るというのが元気の源、ボケない秘訣かなあと思い、自分は一体いつ友達と電話で喋ったのが最後かなあと遠い目になったりする。

木曜日の夜のことだ。
老母が話し出す。
「今朝、とびっきり早くAおじちゃんから電話かかってきたのよ。」
Aおぢとは亡き父のすぐ下の弟で、我が母とは中学校の同級生である。(ということは彼も81歳ということだ)
聞くに、Aおぢ、軽い接触事故を起こしてしまったらしく、今朝の老母の電話中の軽い悲鳴はその話を聞いた時だったのだろう。
それで妻や子が呼び出されて、さらには自動車学校に警察がきて、、、
と、なんだか話がよくわからない。
なんども聞き返しても要領を得ない。
それでも我慢して話を聞いていたらAおぢが「もう免許を取り上げられることになるだろうから、軽トラはSにやることにしたんだ。
昨夜Sが来てくれて、いつもならすぐ帰るのに、昨夜は遅くまでいてくれて、軽トラの鍵はもう渡したんだ。」
Sというのは、父の兄弟の一番下の弟だ。
母はSおぢに聞けば事情がわかるだろうと思い、夜、電話してみたらしい。

母「Aちゃんが事故起こしちゃったんだってね。今朝早くに電話もらったけど要領得なくてさあ、昨夜Sちゃんが行ったって聞いたから、Sちゃんから話聞こうと思って!」ってSちゃんに聞いたのよ。
そしたらSちゃんが「え?オレ、行ってないよ。」って言うのよ!!!」

ワタクシ、そこまで聞いて思わず「ひーっ!」って声が出てしまった。
こわい。こわすぎる。
Aおぢちゃんは一体誰に軽トラの鍵を渡したんだ?
つか、一体どこまでが現実の話なんだ?
Aおぢちゃんと奥さんはもうずっと別居してて、同じ街に息子、少し離れた街に娘が住んではいるが基本一人暮らし。
父のお葬式の時におぢちゃんのフワフワした感じに年齢を感じ、不安を感じ、少々の可笑しみを感じた。
しかしもうこれは笑えるレベルでは無い。
以前、父の兄弟達のトラブルに首を突っ込んで嫌な思いをしたことがある。
その時に、従姉のkemiちゃんから「人の愚痴は聞かないことよ。」と釘を刺されたことが頭をよぎる。
負の気をもらうとか、ただ馬鹿をみるだけとか・・・

でも、でも、でも・・・
ここら辺が、お節介な老母の血を引いているのか、もう気になって気になってしょうがない。
おかーさんっっっ、もうこれは病院レベルだよっっ!つか、一人暮らしはもう無理だよっっっ!
つか、今、おぢちゃんがどうしてるか、だれかそばについてあげてるか、誰に聞けばわかるの???
とジタバタしてたらまた母の携帯が鳴る。
Aおぢちゃんだ。
その後、奥さんとも電話を代わって、どうやら病院で検査をした・・・という話をしている。
もう一人では置いておけないとかなんとか聞こえてきて、少し安心する。
おぢちゃんの痴呆症の進行とかは心配だけど、でもそれは放置していたり気づかなかったりするよりよっぽど良かった。
まず、家族でなんとかして、親族達にもヘルプを求めて、福祉や病院にも頼っていけばいいのだから。

いや、長々と書きましたが、何が言いたかったというと・・・
ワタクシだったら、話し方としてまず衝撃だった「Sおぢちゃんが来て無いのに来たという話」を真っ先に言ってしまうと思う。
しかし時系列で話した母の話し方に、電話とプールでのおしゃべりで鍛え上げられた「話す力」を感じたわけです。
人を惹きつける話し方を常々意識していないと、おばさまがたの機関銃のようなおしゃべりの中ではかき消されてしまうのでしょう。
そういう話し方を身につけ実践することで脳がフル回転してボケを吹っ飛ばすのかもしれないなあと思うのであります。
以上、プレゼン能力についての3例の話、今夜で打ち止めでございます。
ご静聴ありがとうございました。

あ、今日の一枚は、桜見に行った公園にあった、NHK教育テレビの道徳番組に出てきそうな、顔のある木。
コメント (2)
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