紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

郷隼人さんの短歌

2004-12-17 07:10:07 | 13・本・映画・演劇・音楽など
今週12月12日(日)の朝日歌壇に、郷さんの歌が掲載された。

  ロックダウン2週目に入れば堪え難く自由が欲しい獄舎の夜長

郷さんのことは、9月20日、「郷隼人さんのこと・ふたたび」など、何回かBlogに書いているが、カリフォルニアの刑務所に収監されている歌人である。

毎週、朝日歌壇が朝日新聞の紙面にのる日には、私はいつでも、郷さんの歌がないか探している。掲載されていると、まず歌を鑑賞し、それから近況に思いを馳せる。

私が、今年ヨセミテから帰って、9月20日に郷さんのことをBlogに書いたところ、サイトマスターの早野さんが郷さんに送ってくださり、「窓光・郷隼人歌集」 のホームページ、「カリフォルニアからの便り」にお返事を頂いた。
「(紅蓮さん)9月にヨセミテ・ナショナル・パークを旅行されたそうですね。次の機会には是非カナディアン・ロッキーを訪れて下さい。僕は1974年の夏のバケーションに、レーク・ルイズ・バンフからジャスパーまでの山岳ハイウエイをドライブした旅を現在でも忘れる事ができません。コロンビア大氷河をはじめ、カナダのロッキー山脈の超雄大なランドスケープは“MAGNIFICENT!!”の一語に尽きる。お便りありがとう。」

いいなあ。カナディアンロッキー。1974年といえば、30年前である。雄大な景色の中に身を置いている、若き日の郷さんのことが頭に浮かんだ。つぎに、その後の30年の人生を思った。

「カリフォルニアからの便り」には、郷さんの未完のスケッチものっている。早野さんに送られてきたものだそうだ。ソルダットの刑務所の絵である。添えられた文章を読むと、このようなスケッチを描くことも自由にはならないとのこと。ちょうど、私がヨセミテにいっていた頃の絵である。

この絵を見て「ショーシャンクの空に」の映画の場面が浮かんだ。

(郷さんの歌をBlogに載せるにあたっては、許可を得ています。写真は、郷隼人さんの第一歌文集)