経済なんでも研究会

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国債市場を枯死させた 日銀 (上)

2017-05-10 08:02:39 | 国債
◇ 消失した長期金利 =権威ある日経新聞の電子版。いつも載っている経済指標欄の長期金利が「・・・」と記載されていた。1日の朝から終日、そして2日の午前中も。長期金利は住宅ローンや地方債の金利が連動する、きわめて重要な指標だ。それが1日半にもわたって消えたのは、前代未聞のことである。と言って日経新聞のミスではない。実際にこの間、長期金利は消滅していたのだ。

長期金利は、市場で取引される10年もの国債の売買価格で決まる。買い物が多ければ国債の価格は上がり、利回りは下がる。売り物が多ければ、その逆になる。その際に算出される利回りが、長期金利。先週1-2日はちょうど連休の谷間で市場の参加者が少なく、売買が成立しなかった。このため長期金利は「・・・」になってしまった。

だが長期金利が消えた根本的な理由は、ほかにある。それは流通する国債の数量が、極端に減少していること。その原因は、日銀が大量の国債を買い占めていることにある。日銀は13年4月に異次元緩和を始めて以来、これまでに500兆円もの国債を買い入れた。この額は、国債発行総額のじつに4割に当たる。

特に最近の買い入れ額は、新規に発行される国債の額を上回っている。したがって市場で流通する国債の額は、日に日に減少しているわけだ。本来、国債市場は1か月に1000兆円の商いがあるほどの巨大市場。それが連休の谷間だったとはいえ、商いがゼロになった。この現象は、近い将来に重大な問題を惹き起こす可能性があることを暗示している。

                                 (続きは明日)

      ≪9日の日経平均 = 下げ -52.70円≫

      ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ


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