経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

サタデー自習室 -- 水の 経済学 ⑦

2017-05-20 08:02:21 | 保育所
◇ “仮想水”という考え方 = 夕食でポテト・チップスをつまみながらビールを飲み、牛どんを食べた。そこで「あなたは約2000リットルの水を消費しました」と言われたら、だれでもウソだと思うだろう。だが“仮想水”という考え方によると、そういう計算になる。要するに大麦やホップ、じゃがいもや牛が育つまでには大量の水が必要だ。その分を計算に入れる考え方である。

たとえば牛肉1キログラムを得るには2万0600リットル、大麦1キログラムには2600リットルの水が必要だと計算されている。特に日本は食料の輸入大国だ。その食料が生産されるまでに、外国では大量の水が消費された。したがって日本は食料の輸入を通じて、水も輸入したことになる。東大生産技術研究所の試算によると、その量は年間427億トン。国内で食料生産に使う農業用水の8割に達するという。

この“仮想水”という考え方は、1990年代にロンドン大学のアンソニー・アラン教授が提唱した。食料の輸出入が各国の水資源に与える影響を調べることが目的だった。最近はこの考え方を使って「だから日本は水不足の国なのだ」と主張する学者もいるが、感覚的にはピンとこない。

たしかに輸入した分の食料を日本国内で育成すれば、それだけの水を消費するだろう。けれども、たとえばオーストラリアで育った牛は、消費した水の大部分を現地で還元している。また“仮想水”は食料に限って考えているが、日本が輸出する鉄鋼や化学製品の生産には大量の水を消費する。

                                    (続きは来週サタデー)

      ≪19日の日経平均 = 上げ +36.90円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>