経済なんでも研究会

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国債市場を枯死させた 日銀 (下)

2017-05-11 07:03:29 | 国債
◇ 異常事態はいつまで続く = 長期金利が少し上昇すると、日銀は国債の買い入れを増やして金利の動きを止めてしまう。このため国債の流通価格は、ほとんど変動しなくなった。投資家にとってはウマ味がなくなったわけで、市場への参加者も少なくなる。要するに国債市場は、日銀のコントロール下に置かれてしまったと言ってもいい。こんな異常事態は、いつまで続くのだろうか。

日銀も現状が異常な状態であることは、よく認識している。しかし、どうしようもない。もし国債の買い入れを減らせば、市場は自由度を取り戻す。だが金利は上昇してしまい、景気対策としての量的金融緩和は役割を終えることになる。アベノミックスも崩壊するわけで、日銀としてはとても決断できない。

政府が国債をさらに増発すれば、事態は改善する。だが現在の経済状態では、その実現性はない。それよりも起こりうるのは、アメリカが注文を付けてくることだ。日銀の国債買い入れは金利をゼロ近辺に釘付けし、円安を促す役割も演じている。近く始まる日米の経済会合で、トランプ政権がこの点を攻撃してくる可能性は決して小さくない。

近い将来に景気が大幅に改善すれば、日銀も国債の買い入れ量を減らせるだろう。だが景気が回復しないと、日銀の国債保有量はどんどん膨らみ、国債市場はさらに枯渇。その機能を全く停止する日を迎えるかもしれない。そのとき東京の株式市場、為替市場、ひいては日本経済全体にどんな影響が及ぶのか。いまから予想はできない。

      ≪10日の日経平均 = 上げ +57.09円≫

      ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ


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