◇ 市場を完全にコントロール = FRBは先週13日、政策金利の0.25%引き上げを決定した。ことし3回目、一昨年末から数えて5回目の引き上げとなる。この5回の引き上げで、政策金利は0.25%から1.5%に上昇した。さらにFRBは、来年も3回の利上げを予定していることを明らかにした。アメリカの順調な景気回復が持続することを、その根拠に挙げている。
理論的には、政策金利が上がると市場の金利も上昇し、株価は下落する。ところが今回の利上げに際しては、市中金利は上がらず、株価は上昇した。ダウ平均は史上最高値を更新、金利が上がらなかったため為替相場はむしろドル安・円高気味に推移している。おかげで日経平均は先週250円の下落となった。
なぜ、こういう結果になったのだろう。その答えは、イエレン議長の巧みな心理誘導にあったと言っていい。ことしは3回の利上げを予定していると、早くから手の内を明かしてきた。そして企業収益や雇用の改善が進むにつれて、引き締めのテンポは速まるかもしれないと市場に思い込ませた。そうしておいて、実際は予定通りに利上げ。これで市場には、予想より緩やかな引き締めだと感じさせることに成功したわけである。
この結果、国債も株式も買われることになった。アメリカ経済には、害のない利上げとなったと言える。市中金利が上昇しなかったため、心配された新興国からの資金引き揚げも起こらなかった。まことに見事なお手並みだったと言うしかない。そのイエレン議長は2月で退任。今回の利上げが最後の仕事になった。トランプ大統領がこんな名議長のイエレン女史を再任しなかったのは、不思議である。
≪18日の日経平均 = 上げ +348.55円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
理論的には、政策金利が上がると市場の金利も上昇し、株価は下落する。ところが今回の利上げに際しては、市中金利は上がらず、株価は上昇した。ダウ平均は史上最高値を更新、金利が上がらなかったため為替相場はむしろドル安・円高気味に推移している。おかげで日経平均は先週250円の下落となった。
なぜ、こういう結果になったのだろう。その答えは、イエレン議長の巧みな心理誘導にあったと言っていい。ことしは3回の利上げを予定していると、早くから手の内を明かしてきた。そして企業収益や雇用の改善が進むにつれて、引き締めのテンポは速まるかもしれないと市場に思い込ませた。そうしておいて、実際は予定通りに利上げ。これで市場には、予想より緩やかな引き締めだと感じさせることに成功したわけである。
この結果、国債も株式も買われることになった。アメリカ経済には、害のない利上げとなったと言える。市中金利が上昇しなかったため、心配された新興国からの資金引き揚げも起こらなかった。まことに見事なお手並みだったと言うしかない。そのイエレン議長は2月で退任。今回の利上げが最後の仕事になった。トランプ大統領がこんな名議長のイエレン女史を再任しなかったのは、不思議である。
≪18日の日経平均 = 上げ +348.55円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫