経済なんでも研究会

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トランプ大型減税の 影響力 (下)

2017-12-27 07:31:50 | アメリカ
◇ 有権者の7割が“評価せず” = トランプ税制改正のなかには、企業が海外で貯め込んだ利益をアメリカに還流させやすくする方策も含まれている。具体的には海外子会社の利益をアメリカに戻す際にかかる税率を、1回に限って引き下げる。また海外子会社からの配当には、課税しないことになった。現状で2兆5000億ドルあるといわれるアメリカ企業の海外プール金が、この措置によってどれだけ戻ってくるか。どこへ配分されるのか。その影響は予想以上に大きいかもしれないと考えられている。

仮に資金の還流が急激に起きると、新興国が資金不足に陥り、経済に収縮圧力が加わるかもしれない。その度合いが強すぎると、世界経済全体に大きな悪影響が及ぶ危険性がある。またアメリカ国内の金利が上昇して、景気の阻害要因になる可能性も否定はできない。日本企業のアメリカ向け投資は促進され、為替は円安に振れるだろう。

すでにアメリカ国内では、いくつかの反応が現われている。たとえばAT&Tは全社員に1000ドルの臨時ボーナスを支給する。またボーイング社は人材育成などに3億ドルを追加投資すると発表した。各調査会社は来年に向けての経済見通しを引き上げており、減税に対する経済界の受け取り方は全体として好意的だ。

ところが国民一般の評価は、きわめて厳しい。新聞やテレビが有権者を対象に実施した調査では、なんと7割近くが「評価しない」と回答している。企業と金持ちを優遇した税制改正だというのが、その理由だ。減税の影響で景気がさらに上向き、これらの有権者がトランプ減税の評価を引き上げるかどうか。それによって、来年秋の中間選挙の結果が変わってくる。トランプ大統領の次の正念場になるだろう。

      ≪26日の日経平均 = 下げ -46.49円≫

      ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ


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