経済なんでも研究会

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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】

2018-10-21 07:28:14 | SF
第5章 ニッポン : 2060年代

≪55≫ 使命感 = マーヤはJRリニア新幹線会社と協力して、相変わらず寝食を忘れて働いていた。と言って、ぼくが遊んでいたわけではない。ダーストン星での経験を活かして、どうしたら日本をもっと素晴らしい国に変えられるか。最近はそれがぼくの天職だと、ひしひしと考えるようになった。

まず手を着けたのは、ヒト型ロボットの量産化だ。山梨県の実験工場の隣に、ロボット製造工場を建設した。2069年春のことである。そのころの日本では、各方面でロボットが活躍していた。ホテルやデパートでの受付や案内。事務所や家庭の掃除。だが、その形態は可愛い人形や動物に似せたものが多く、ヒト型ロボットはあまり発達していなかった。

ぼくが造ったのは、身長170センチの人間の形をしたロボット。断わっておくが、マーヤのような人間性を持ったロボットではない。人間と見分けが付かないようなマーヤ型のロボットは、人間のDNAを移植しなければ造れない。それには医療技術の発達が必要だから、地球では200年後の子孫たちが取り組む課題になるのだろう。

そんなロボットが出現すると、ダーストン星でみたように人間とロボットの結婚問題など、別次元の問題が生じる。ぼく自身がマーヤと結婚しているくせに言いにくい話だが、そんな世界が必ずしもいいとは思っていない。地球でも200年後には、そんな問題に直面することは確かだが。

と言うことで、ぼくが造ったのは機械的ロボットの究極版。見た目は人間に近いが、金属製であることは一目瞭然だ。もちろん、設計図はマーヤの記憶から取り出した。体内のプログラムを入れ替えれば、いろいろな用途に適合するからとても便利だ。ぼくは3種類のプログラムを使って、ガードマン用、ロボット製造用、そして農水産業用のロボットを量産し始めた。

ガードマンは試験的に、この工場と例のダーストニウムを保管した倉庫を警備させた。するとイノシシが近づいてもカラスが飛んできても、頭から光線を発射して完全に追い払ってしまう。広告を出したら、博物館や宝石店から注文が殺到した。

ロボット製造用ロボットは、ぼくの工場に配備してロボットの製造を無人化した。さらに農水産用ロボットは、農作物の栽培や魚類の養殖に当たる。人手不足に悩む長野県の農家と静岡県の養殖業者と提携して、もう基礎的な実験は終えた。来年になれば、本格的にロボットだけでコメや小麦の栽培、マグロやタイの養殖を始めることが出来るだろう。

                                (続きは来週日曜日)

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