経済なんでも研究会

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三重苦の 中国経済 (上)

2018-10-23 05:33:27 | 中国
◇ すべての指標が下向きに = 中国統計局の発表によると、7-9月期の実質GDP成長率は年率6.5%だった。前期より2ポイントの低下で、リーマン・ショック後09年1-3月期以来の低い伸び率となっている。地方政府や国有企業の債務超過を是正するためインフラ投資を抑制していたところへ、米中貿易戦争の影響が重なった。このため固定資産投資、個人消費、輸出など、すべての項目が悪化している。

設備やインフラ、不動産投資を総計した固定資産投資は、1-9月間で前年比5.4%の増加。1-6月間の6.0%増から目立って減退した。特にインフラ投資は3.3%増にまで落ち込んでいる。小売り売上げ額は1-9月間で9.3%の増加。これも1-6月間の9.4%増から、わずかだが減少した。輸出も元相場が大きく下落したにもかかわらず12.2%増で、1-6月間の12.5%増から縮小している。

景気の減速と米中貿易戦争の影響で、株価は2月から下降局面に入った。最近の上海総合指数は、4年ぶりの安値に沈んでいる。特に外国人投資家の売りが激しいようだ。人民元の対ドル相場も10年ぶりの安値に。輸出にはプラスだが、国内の物価は押し上げられる。9月の消費者物価は前年比2.5%の上昇。素材や食品が上がっており、個人消費を冷え込ませる心配も出てきた。

株価の低迷、元相場の下落、そして成長率の低下。いま中国経済は、この三重苦に憑りつかれた。しかも米中貿易戦争の悪影響はこれから本格化するから、見通しもよくない。中国経済の停滞は、アジア諸国や日本、さらには欧米など世界中にマイナス効果を及ぼす。中国政府はなんとか三重苦から逃れようと、いろいろ対策を打ち出した。だが、その結果はまだ少しも見えてこない。

                             (続きは明日)

       ≪22日の日経平均 = 上げ +82.74円≫

       ≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ


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