経済なんでも研究会

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大混乱の予感 : イギリスのEU離脱 (上)

2018-10-25 08:33:23 | イギリス
◇ 解のない連立方程式 = 来年3月29日、イギリスがEUから離脱することは確定している。だが離脱後の関係をどうするかが、全く決まらない。EUは12月に首脳会議を開くが、これが最後のチャンス。だが、ここで決まる可能性はきわめて小さい。もし決まらないまま離脱の日を迎えると、イギリスはEU加盟国としての特権をすべて失う。ヨーロッパはむろんのこと、全世界が大混乱に陥る危険性は限りなく大きい。

EUは先週17-18日、ベルギーで首脳会議を開き、この問題を討議した。ところが進展はゼロ。12月の首脳会議に問題を持ち越した。ここでも合意に達しないと、議会の承認を得る時間がなくなり、3月29日を迎えてしまうことになる。そうなれば無秩序のまま離脱することにならざるをえない。

合意ができなかった大きな問題点は2つ。1つ目はイギリスのメイ首相が主張する「EUと自由貿易地域を創設、他の諸国とはFTA(2国間の自由貿易協定)を結ぶ」という提案。EUからは離脱するので、EUに対する分担金は支払わない。また移民の流入制限も、独自に実施するという内容だ。EU側からみれば「イギリスのいいとこ取り」であり、他の加盟国に真似されてはたまらない。だから絶対に受け入れられない。

2つ目はEU加盟国のアイルランドと、イギリスの一部である北アイルランドの国境問題。両方とも同じ島にあるため、EU側は「北アイルランドも加盟国並みにしたら」と提案しているが、イギリスは「国家を分断される」と猛反対だ。この2点について、先週の首脳会議では少しの進展もみられなかった。それだけではなく、イギリス国内のもっと込み入った事情が、問題解決の大きな障害になっている。

                              (続きは明日)

       ≪24日の日経平均 = 上げ +80.40円≫

       ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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