◇ 海底資源はどこへ行った = いまやAIやハイテク製品の生産には欠かせないレアアース。最大の産出国である中国が輸出規制に乗り出せば、最も大きな被害を受けるのは日本かもしれない。そこで思い出されるのは、日本の海底資源だ。古い新聞をめくってみると、たとえば11年1月の日経紙面には「海底資源 採掘へ着々」という記事。また13年3月には朝日が「目覚めよ 資源の海」と題する特集を載せている。
レアアースについては昨年春、東大・早大などの研究チームが南鳥島の沖で行ったレアアース泥の分布調査の結果を発表。推定埋蔵量は1600万トンで「世界需要の数百年分に当たる」と、各紙が大々的に報道した。しかも効率よく回収する技術も確立したというから、とにかく素晴らしい。
だが、その後に実用化されたというニュースは一向に見当たらない。レアアースだけではない。経産省は13年3月「愛知県沖で海底のハイドレートからメタン・ガスの採取に成功。18年度に商業化を目指す」と発表したが、これまた続報はなし。ほかにもコバルトやマンガンなどの希少金属についても、発見の段階にとどまっている。
発見しても実用化に至らないのは、なぜだろう。おそらくは採掘コストが高く、商業ベースに乗らないからだろう。しかし、こういうときこそ政府が支援すべきではないか。日本は戦後“傾斜生産方式”をとって、経済を復興させた。安倍内閣は票集めのための財政支出ばかりでなく、日本の将来を見据えた方策にもカネを投じるべきである。なにしろ大学無償化と同じくらいの支出で、レアアース産業を立ち上げることができるのだから。
≪7日の日経平均 = 上げ +110.67円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
レアアースについては昨年春、東大・早大などの研究チームが南鳥島の沖で行ったレアアース泥の分布調査の結果を発表。推定埋蔵量は1600万トンで「世界需要の数百年分に当たる」と、各紙が大々的に報道した。しかも効率よく回収する技術も確立したというから、とにかく素晴らしい。
だが、その後に実用化されたというニュースは一向に見当たらない。レアアースだけではない。経産省は13年3月「愛知県沖で海底のハイドレートからメタン・ガスの採取に成功。18年度に商業化を目指す」と発表したが、これまた続報はなし。ほかにもコバルトやマンガンなどの希少金属についても、発見の段階にとどまっている。
発見しても実用化に至らないのは、なぜだろう。おそらくは採掘コストが高く、商業ベースに乗らないからだろう。しかし、こういうときこそ政府が支援すべきではないか。日本は戦後“傾斜生産方式”をとって、経済を復興させた。安倍内閣は票集めのための財政支出ばかりでなく、日本の将来を見据えた方策にもカネを投じるべきである。なにしろ大学無償化と同じくらいの支出で、レアアース産業を立ち上げることができるのだから。
≪7日の日経平均 = 上げ +110.67円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】