経済なんでも研究会

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株主優待に走る 経営者たち (下)

2019-06-20 07:50:25 | 利益
◇ 自社株買いも急増中 = 日経新聞が上場企業を対象に集計したところ、18年度の自社株買いの総額は6兆0680億円にのぼった。前年度の3倍近くに達しており、日銀のETF(上場投資信託)購入額を上回っている。個別の企業をみると、NTTドコモが1兆1500億円で断トツ。次いでヤフーが2000億円だった。19年度の計画を集計しても、総額はすでに3兆4000億円に達している。

自社株買いというのは、文字通り企業が自分の発行した株式を市場から買い入れること。それだけ流通する株式数が減少し、1株当たりの価値が高まる。買い入れた株式を金庫株として保有するケースもあるが、消却する場合も多い。こうすると資本金が減少、ROE(自己資本利益率)が上がるから、株価の強い上昇要因になる。株主は喜ぶわけだ。

この10年間でみると、主要企業400社は471兆円を稼ぎ、そのうち91兆円を配当や自社株買いなどの株主還元に充てている。だが、それでも欧米の企業に比べると、まだまだ少ない。たとえばアメリカの主要500社はこの10年間に1300兆円を稼いだが、株主還元の総額はなんと1300兆円を超えている。

このように株主優待は増大する傾向にあり、それが株価を下支えしていることは間違いない。しかしアメリカでは最近、これに対する批判も高まってきた。特に民主党は「貧富の差を拡大する制度だ」と主張。株主優待を規制する法律の制定を呼びかけている。これが大統領選挙で、一つの争点になるかもしれない。日本では、まだ批判は聞かれないが・・・。

      ≪19日の日経平均 = 上げ +361.16円≫

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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