経済なんでも研究会

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記録的な減退 : 5月の消費支出

2020-07-09 07:54:09 | 景気
◇ 消費増税やリーマン超える減少 = 総務省が発表した5月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出額は平均25万2017円だった。前年比では16.2%の減少で、消費増税やリーマン・ショック時の減少率を大きく上回っている。コロナ対策のための外出自粛が主たる原因。昨年5月は改元による10連休があって、消費が急増したことの反動も加わった。4月も11.1%の減少だったが、5月はそれを上回った。

費目別にみると、最も支出が減ったのは被服・履物で38.3%の減少。次いで宿泊料を含む教養娯楽が37.9%の減少。交通・通信が22.4%、食料が5.4%の減少など。増えたのはクーラーなどを含む家具・家事用品で、2.9%の増加となっている。被服・履物や交通費が減ったのは、外出が控えられたためだろう。また“巣ごもり”でスーパーなどでの買い物は増えたが、外食が減ったため食料費全体は減少した。

家計調査による2人以上世帯の消費支出は、昨年10月からずっと減り続けている。昨年はコロナ問題はまだ発生していなかった。ここからみると景気は昨年秋から後退期に入っており、消費も下向きになったところへコロナが重なった可能性が大きい。この点は、今後の消費動向を占ううえで重要な要素になるだろう。

緊急事態宣言は5月下旬に解除された。このため6月の消費支出は、V字型に回復する公算が大きい。ただ回復の勢いは長続きせず、消費水準が前年並みに戻るのには、かなりの日時がかかりそうだ。いずれにしても、コロナを終息させなければ、消費の正常化は覚束ない。したがって景気も良くならない。

       ≪8日の日経平均 = 下げ -176.04円≫

       ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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