◇ 需要>供給 の状態が定着 = 原油の国際価格が、じわじわと上がってきた。ニューヨーク商品取引所のWTI(テキサス産軽質油)の先物相場は、いま1バレル=75ドル前後の水準に。ことしの安値だった4月に比べると、約5割も値上がりしている。この間、特別な事件があったわけでもない。きわめてゆっくりと、着実に値を上げてきた。このことは4月以降、世界の原油に対する需要が常に供給を上回っていることを示している。
供給が抑制された原因は、いろいろある。まずOPEC(石油輸出国機構)とロシアなどが、減産協定を結んだこと。イランに対する制裁の主柱として、先進国がイラン産原油の禁輸を実施したこと。それに大きいのは、アメリカのシェール生産が伸び悩んでいること。シェールはバイデン政権が国有地での生産を禁止、また世界的な脱炭素ムードが影響して、現在でもピークだった19年末に比べて45%も減少したままだ。
一方、需要の方はコロナの収束を見越した景気の回復により、世界的に増大中。IEA(国際エネルギー機関)の推計によると、ことし1-3月には日量9310万バレルだった世界の需要は、10-12月には9960万バレルに増大する見通し。この結果、ことしの春以降は需要が供給を上回る状態がずっと続いている。つまり在庫は減り続けているわけだ。
こうした状態をみて、投機資金も参入してきた。価格が上昇すれば、投資資金は売りに転じる。このため相場が反落する場面もありそうだが、基本的な需要>供給の構図は変わりそうにない。そして国際相場が近く80ドルに達することは確実。さらに100ドルにまで上昇する可能性も出てきた――専門家の間では、こんな予想も広がり始めた。
(続きは明日)
≪7日の日経平均 = 下げ -276.26円≫
≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
供給が抑制された原因は、いろいろある。まずOPEC(石油輸出国機構)とロシアなどが、減産協定を結んだこと。イランに対する制裁の主柱として、先進国がイラン産原油の禁輸を実施したこと。それに大きいのは、アメリカのシェール生産が伸び悩んでいること。シェールはバイデン政権が国有地での生産を禁止、また世界的な脱炭素ムードが影響して、現在でもピークだった19年末に比べて45%も減少したままだ。
一方、需要の方はコロナの収束を見越した景気の回復により、世界的に増大中。IEA(国際エネルギー機関)の推計によると、ことし1-3月には日量9310万バレルだった世界の需要は、10-12月には9960万バレルに増大する見通し。この結果、ことしの春以降は需要が供給を上回る状態がずっと続いている。つまり在庫は減り続けているわけだ。
こうした状態をみて、投機資金も参入してきた。価格が上昇すれば、投資資金は売りに転じる。このため相場が反落する場面もありそうだが、基本的な需要>供給の構図は変わりそうにない。そして国際相場が近く80ドルに達することは確実。さらに100ドルにまで上昇する可能性も出てきた――専門家の間では、こんな予想も広がり始めた。
(続きは明日)
≪7日の日経平均 = 下げ -276.26円≫
≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ≫