経済なんでも研究会

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薄明りも見える 不確実性の時代

2022-01-01 07:37:00 | 景気
◇ 22年度の成長率は3-4%に上がる? = ことしは、どんな年になるのだろうか。政府が策定した経済見通しによると、22年度の実質成長率は3.2%。2010年度以来の高い伸びになる。この結果、22年度の実質GDPは556兆8000億円で過去最大になる見込み。コロナ収束後の消費回復と超大型の財政支出が、その原動力。個人消費は4.0%、企業の設備投資は5.1%伸びると予測した。

民間の予測も、政府と大きくは変わらない。日経が37人のエコノミストに聞いたところ、22年度の成長率見通しの平均値は3.03%だった。また三菱総研は3.1%、大和総研は4.0%と予測した。2011年度からの10年間、日本の実質成長率は年平均0.4%にも達しなかった。したがって仮に3-4%の成長が実現すれば、景気は久しぶりに明るくなるだろう。

興味深いのは、政府の経済対策に対する評価の違い。政府は一律10万円の給付だけで、22年度の成長率を3.6%押し上げると試算している。ところが日経センターは財政効果を1.79%、三菱総研は0.5%分しかみていない。おそらく給付金が貯蓄に回る割合を、民間は高いと判断したのだろう。にもかかわらず民間の成長率見通しが高いのは、コロナの収束に期待をかけているためのようだ。

ただコロナの状態がどうなるかは、現状では予測不能だ。このため民間はすべて「コロナ情勢が悪化すれば、見通しは下方修正される」という但し書きを付けている。ほかにも金利の動向、米中関係、異常気象、脱炭素とエネルギー問題など、予測は難しい。しかし3-4%成長という目標も出現した。薄明りの見える不確定時代と言えるだろう。


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