◇ 値下がり要因は景気の悪化だけ = 原油の国際価格が高止まりしている。ニューヨーク商品取引所のWTI(テキサス産軽質油)先物相場は先週1バレル=86ドル、7年3か月ぶりの高値を付けた。専門家の予想は「まだ値上がりする」でほぼ一致、市場では「100ドルまで行っても不思議ではない」という声が強まっている。なかでもJPモルガン証券は「125ドルの可能性がある」と予測した。
WTI先物相場は20年4月、1バレル=16ドルまで低下していた。そこからはほぼ一本調子に上昇、最近の高値は世界的なインフレ傾向の源泉となっている。このためアメリカではFRBが金融政策を引き締めに転換、日本でも電気料金やガソリン価格の高騰を招いている。さらに原油価格が上昇すれば、各国の経済に与える悪影響は計り知れない。
原油価格を押し上げている原因は、供給の不足。OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの産油国が、価格を維持するために増産を規制していることが大きい。しかもナイジェリア・アンゴラ・カザフスタン・リビアなどでは、政情不安や設備の老朽化で生産量が落ちている。またアメリカでは脱炭素に向かって、シェール油田開発が規制された。結果として世界の原油在庫量が減少、価格が高騰した。
原油の供給が大幅に増える見込みは小さい。その一方、需要はコロナ禍にもかかわらず各国が経済再生を重視する政策に傾いているため、増加する傾向にある。専門家が「まだ値上がりする」と予想するのは、このためだ。仮にアメリアなどの金融引き締め政策によって世界の景気が後退すれば、原油の需要は落ちる。価格が下がるのは、こうした場合に限られると考える人が少なくない。
(続きは明日)
≪25日の日経平均 = 下げ -457.03円≫
≪26日の日経平均は? = 下げ≫
WTI先物相場は20年4月、1バレル=16ドルまで低下していた。そこからはほぼ一本調子に上昇、最近の高値は世界的なインフレ傾向の源泉となっている。このためアメリカではFRBが金融政策を引き締めに転換、日本でも電気料金やガソリン価格の高騰を招いている。さらに原油価格が上昇すれば、各国の経済に与える悪影響は計り知れない。
原油価格を押し上げている原因は、供給の不足。OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの産油国が、価格を維持するために増産を規制していることが大きい。しかもナイジェリア・アンゴラ・カザフスタン・リビアなどでは、政情不安や設備の老朽化で生産量が落ちている。またアメリカでは脱炭素に向かって、シェール油田開発が規制された。結果として世界の原油在庫量が減少、価格が高騰した。
原油の供給が大幅に増える見込みは小さい。その一方、需要はコロナ禍にもかかわらず各国が経済再生を重視する政策に傾いているため、増加する傾向にある。専門家が「まだ値上がりする」と予想するのは、このためだ。仮にアメリアなどの金融引き締め政策によって世界の景気が後退すれば、原油の需要は落ちる。価格が下がるのは、こうした場合に限られると考える人が少なくない。
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≪25日の日経平均 = 下げ -457.03円≫
≪26日の日経平均は? = 下げ≫