◇ 最速なら資産の売却は4月にも = FRBは先週、12月に開いたFOMC(公開市場委員会)の議事要旨を公開した。これで明らかになったのは「従来の想定より速いペースで利上げする可能性」「利上げ開始直後に量的な引き締めも」というFRBの姿勢だった。市場はすでに「速いペースでの利上げ」は織り込んでいたが、「量的な引き締め」については虚を突かれた形。株価は大きく下落し、金利は急騰した。
金融引き締めに関するFRBの行程表は、大別して3つの政策から成っている。その第1は「量的緩和の縮小」だ。これまで市場から国債と住宅ローン証券を毎月1200億ドルずつ買い入れてきたのを、しだいに縮小する。第2は「政策金利の引き上げ」で、現在のゼロ金利から脱却する。第3が「量的引き締め」で、これまでに買い取った国債や住宅ローン証券を市場で売却。その分だけ資金がFRBに吸収されることになる。
問題はこうした3つの政策を、いつ実行するかである。FRBはこれまで「量的緩和の縮小は3月に終了し、利上げは4月にも行うかもしれない」と表明してきた。それが想定より速いペースで利上げするとなれば、3月の実施が視野に入ってくる。すると量的な引き締めは、早ければ4月にも開始される可能性が出てきたわけだ。市場に衝撃が走ったのは、このためである。
FRBが行程表の実施スピードを上げようとしている裏には、物価と雇用の動向がある。アメリカの消費者物価は11月に6.8%と39年ぶりの上昇率を記録した。(12月の統計はきょう12日に発表される)。その一方で、12月の失業率は3.9%にまで低下した。金融引き締めを急いでもいい条件が整ったと考えられる。こうして金融環境は一変したが、市場はどう対応しようとしているのだろうか。
(続きは明日)
≪11日の日経平均 = 下げ -256.08円≫
≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
金融引き締めに関するFRBの行程表は、大別して3つの政策から成っている。その第1は「量的緩和の縮小」だ。これまで市場から国債と住宅ローン証券を毎月1200億ドルずつ買い入れてきたのを、しだいに縮小する。第2は「政策金利の引き上げ」で、現在のゼロ金利から脱却する。第3が「量的引き締め」で、これまでに買い取った国債や住宅ローン証券を市場で売却。その分だけ資金がFRBに吸収されることになる。
問題はこうした3つの政策を、いつ実行するかである。FRBはこれまで「量的緩和の縮小は3月に終了し、利上げは4月にも行うかもしれない」と表明してきた。それが想定より速いペースで利上げするとなれば、3月の実施が視野に入ってくる。すると量的な引き締めは、早ければ4月にも開始される可能性が出てきたわけだ。市場に衝撃が走ったのは、このためである。
FRBが行程表の実施スピードを上げようとしている裏には、物価と雇用の動向がある。アメリカの消費者物価は11月に6.8%と39年ぶりの上昇率を記録した。(12月の統計はきょう12日に発表される)。その一方で、12月の失業率は3.9%にまで低下した。金融引き締めを急いでもいい条件が整ったと考えられる。こうして金融環境は一変したが、市場はどう対応しようとしているのだろうか。
(続きは明日)
≪11日の日経平均 = 下げ -256.08円≫
≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫