経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

FRB の 引き締め行程表 (上)

2022-01-12 07:48:06 | 金融
◇ 最速なら資産の売却は4月にも = FRBは先週、12月に開いたFOMC(公開市場委員会)の議事要旨を公開した。これで明らかになったのは「従来の想定より速いペースで利上げする可能性」「利上げ開始直後に量的な引き締めも」というFRBの姿勢だった。市場はすでに「速いペースでの利上げ」は織り込んでいたが、「量的な引き締め」については虚を突かれた形。株価は大きく下落し、金利は急騰した。

金融引き締めに関するFRBの行程表は、大別して3つの政策から成っている。その第1は「量的緩和の縮小」だ。これまで市場から国債と住宅ローン証券を毎月1200億ドルずつ買い入れてきたのを、しだいに縮小する。第2は「政策金利の引き上げ」で、現在のゼロ金利から脱却する。第3が「量的引き締め」で、これまでに買い取った国債や住宅ローン証券を市場で売却。その分だけ資金がFRBに吸収されることになる。

問題はこうした3つの政策を、いつ実行するかである。FRBはこれまで「量的緩和の縮小は3月に終了し、利上げは4月にも行うかもしれない」と表明してきた。それが想定より速いペースで利上げするとなれば、3月の実施が視野に入ってくる。すると量的な引き締めは、早ければ4月にも開始される可能性が出てきたわけだ。市場に衝撃が走ったのは、このためである。

FRBが行程表の実施スピードを上げようとしている裏には、物価と雇用の動向がある。アメリカの消費者物価は11月に6.8%と39年ぶりの上昇率を記録した。(12月の統計はきょう12日に発表される)。その一方で、12月の失業率は3.9%にまで低下した。金融引き締めを急いでもいい条件が整ったと考えられる。こうして金融環境は一変したが、市場はどう対応しようとしているのだろうか。

                           (続きは明日)

        ≪11日の日経平均 = 下げ -256.08円≫

        ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>