◇ 貧富の格差は広がるばかり = 日銀の集計によると、個人の金融資産は昨年9月末で1999兆8311億円になった。前年より5.3%増え、過去最大を更新した。金融資産は1990年に1000兆円を超えたから、30年間で2倍になった計算。株価上昇の影響が最も大きく、円安によるドル資産の評価高も貢献した。アメリカの個人金融資産114兆ドル(1京2900兆円)には遠く及ばないが、それでも世界第2位の大金持ちとなっている。
資産の内容をみると、現金・預金が相変わらず多く、総額は1072兆円。前年より3.7%の増加だった。このうち現金の保有額は102兆円、預金は969兆円となっている。コロナ禍による消費の抑制も、現金・預金の保有額を増やしたと考えられる。株式の保有時価総額は218兆円で、前年より28.6%の増加。投資信託も90兆円で、24.0%増加した。
家計部門が豊かさを増していることは、喜ぶべきだろう。しかし、その影の部分もしだいに濃くなってきた。影というのは、貧富の差である。大量の株式を購入した人は、株価の上昇で大いに儲かった。この人たちの所得増が、金融資産の総額を押し上げている。だがその一方で、株を買う余裕のない人も少なくない。20年の家計調査によると、貯蓄が300万円未満の家庭は全体の25%を超えている。
個人の預金は1000兆円に近い。その多くは高齢者による預金で、老後の生活のために蓄えている。だから消費には回らない。もし、この預金に年1%の利子が付いたらどうだろう。年間10兆円の利子収入があれば、その半分ぐらいは消費に回るのではないか。日銀の超金融緩和政策は株価を押し上げ、一部の金持ちの資産を増大した。その一方で多くの人々の金利収入を奪ってきたと言えるだろう。
≪5日の日経平均 = 上げ +30.37円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
資産の内容をみると、現金・預金が相変わらず多く、総額は1072兆円。前年より3.7%の増加だった。このうち現金の保有額は102兆円、預金は969兆円となっている。コロナ禍による消費の抑制も、現金・預金の保有額を増やしたと考えられる。株式の保有時価総額は218兆円で、前年より28.6%の増加。投資信託も90兆円で、24.0%増加した。
家計部門が豊かさを増していることは、喜ぶべきだろう。しかし、その影の部分もしだいに濃くなってきた。影というのは、貧富の差である。大量の株式を購入した人は、株価の上昇で大いに儲かった。この人たちの所得増が、金融資産の総額を押し上げている。だがその一方で、株を買う余裕のない人も少なくない。20年の家計調査によると、貯蓄が300万円未満の家庭は全体の25%を超えている。
個人の預金は1000兆円に近い。その多くは高齢者による預金で、老後の生活のために蓄えている。だから消費には回らない。もし、この預金に年1%の利子が付いたらどうだろう。年間10兆円の利子収入があれば、その半分ぐらいは消費に回るのではないか。日銀の超金融緩和政策は株価を押し上げ、一部の金持ちの資産を増大した。その一方で多くの人々の金利収入を奪ってきたと言えるだろう。
≪5日の日経平均 = 上げ +30.37円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ≫