経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

トランプ大型減税の 影響力 (上)

2017-12-26 07:54:12 | アメリカ
◇ 規模は10年間で170兆円 = トランプ大統領が公約した大型減税法案が、とうとう成立した。最初の公約からみればかなり縮小したが、それでも減税総額は10年間で1兆4560億ドル。日本円にすると、約170兆円の大きさ。世界経済史上で最大の減税であることに変わりはない。トランプ大統領も「記録破りのことを成し遂げた」と胸を張った。

その内容は、まず連邦法人税率を35%から21%に引き下げる。また所得税は最高税率を39.6%から37%に引き下げる。さらに相続税の軽減、子育て世帯への減税も18年から実施するというもの。ニューヨーク市場の株価は、この減税策を受けて史上最高値を更新中。ダウ平均は2万5000ドルの大台まで、あと250ドルの水準に上昇した。

大型減税法案の成立は、幅広い分野に影響を及ぼす。トランプ大統領はこれまで共和党幹部との連携がうまく行かず、選挙で公約した政策を実現することができなかった。減税の実現で、初めて得点を挙げたことになる。この勢いで鉄道や高速道路などのインフラ整備など、次の公約実現についても党を動かせるかどうか。最初の勝利に酔ってワンマンぶりを発揮し、再び党との関係を悪化させる危険を指摘する声も少なくない。

連邦法人税と地方税を合わせた実効税率は、41%から28%に下がる。日本の法人税は18年度から29.74%に、ドイツは29%台であり、アメリカの実効税率は先進国中でもいちばん低くなる。こうした動きをにらんで、フランスは21%への引き下げを検討中だ。トランプ減税をきっかけに、先進国の法人税引き下げ競争が始まる可能性がふくらんできた。

                       (続きは明日)

     ≪25日の日経平均 = 上げ +36.42円≫

     ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ


今週のポイント

2017-12-25 07:39:22 | 株価
◇ 最後のジャンプはあるのか = 例年ならクリスマス休暇で静かになるこの時期だが、ことしの市場は騒がしかった。トランプ大統領の超大型減税法案が、やっと議会で可決されたからである。このためダウ平均は先週102ドルの値上がり。史上最高値の更新は途切れない。この勢いに押されて、日経平均も先週は350円の値上がりとなった。

ダウ平均は2万5000ドルの大台まで、あと250ドル。日経平均も2万3000円の大台まで、あと100円に迫っている。17年最後の1週間で、この大記録を達成できるのかどうか。世界同時好況の枠組みは崩れていないから、最後のジャンプを期待する声は強い。ただし月に叢雲、阻害要因もないではない。

まず市場は、トランプ減税を完全に織り込み済みという見方。成立後はむしろ買い材料がなくなり、株価は上がりにくい。何か来年に向けての新しい材料が欲しいという感じが濃くなっているのは確かだ。もう1つは、ビットコインの相場急落。今月18日には1万9511ドルの新高値を付けたが、そこから5割近くも下落した。仮想通貨という未知の領域だけに、その影響も未知数。年を越して下がり続ければ、問題は実体経済の世界にも拡大するだろう。

今週は26日に、11月の労働力調査、家計調査、消費者物価、企業向けサービス価格。28日に、11月の鉱工業生産と商業動態統計。アメリカでは27日に、12月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。なお29日は大納会。

      ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ


新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】

2017-12-24 08:16:53 | SF
第2章  ロ ボ ッ ト の 反 乱 

≪12≫ 関ケ原の合戦 = まるで子どものときテレビで見た関ケ原の合戦のようだった。手に手に棒のようなものを振りかざした無数の戦士たちが、広い草原を埋め尽くし殴り合っている。初めは人間だとばかり思ったが、よく見ると敵も味方もロボットだ。殴り倒されたロボットが、次々と草原に横たわる。音は消してあるが、怒号や悲鳴が聞こえてくるようだ。

5分ほどで壁に映された戦闘場面は消え、室内が明るくなった。ここは40階建てビルの最上階。天井がガラスのように透明な材料で作られているから、とても明るい。広い部屋には、いくつもの机や機械類が置かれている。壁や机の上には、訳の判らない数式が落書きのように。ずっと向こうの端では、何人かの人間とロボットが黙々と作業をしていた。

机をはさんで、科学大学院の学長メンデール教授が微笑んでいる。最初に両手を触れ合って挨拶したときに判ったのは、身長がぼくと同じ170センチぐらい。この国の男性としては小さい方だ。痩せ形で、顔は意外に小さく、なんだかアインシュタインに似ていなくもない。胸のプレートには「45」と書いてあった。

メンデール教授がゆっくりした口調で話し出す。
「賢人会のウラノス議長からは、できるだけ何でも説明するようにと言われています。で、きょうはロボットについて、お話ししましょう。その前に、時系列的なことをはっきりさせたいと思います」

さすがに、この人は科学者なんだと感心していると・・・。
「われわれの祖先が初めてこのダーストンの土を踏んだのは、いまから315年前のこと。そのときをダース元年と定めましたから、ことしはダース315年になります。宇宙船で運べた人は年に10万人程度でしたから、人口はなかなか増えず、新しい国の建設も進みませんでした。

そこで最初に到着した人々は、人間並みの能力を持つロボットの製作に全力を挙げたのです。ロボット技術はチャイコ星の時代に相当進歩していましたから、ダース20年のころには人間と全く同じ運動能力と知力を持つロボットの量産に成功しました。ところが後になって判ったことですが、当時の科学者たちは重大なことを一つ見落としていました。

ロボットの脳を設計する際、優秀な能力を有する人間の若者の脳を選んで細胞と神経回路をコピーしたのです。たとえば判断力、創造力、指導力などで優れた人の脳内構造を精密に移植しました。しかし、これだけ人間に近い能力を持つと、ロボットは自分でその能力を向上させることに気が付かなかったのです。

――要するに、自己学習するわけですね。
「その通り。その進展は非常にゆっくりなのですが、何年か経つとロボットの性格が変化して行くのです。特に支配欲が強くなったロボットが出現し、それが人間の知らないうちに大昔のヤクザのような組織を作り上げていました。そして、そういう組織同士が衝突した。それがさっきの映像です。ダース50年夏のことでした。私たちは、これをロボット戦争と呼んでいます」

                      (続きは来週日曜日)


男は滋賀、女は長野がトップ : 平均寿命 (下)

2017-12-22 05:21:09 | 寿命
◇ 頑張る青森県はまだ最下位 = 厚労省の15年調査で、平均寿命が最も短かったのは男女ともに青森県だった。男性は78.67歳、女性は85.93歳。男性は1965年から、女性は2005年から、ずっと最下位のまま。次いで平均寿命が低いのは、男性は秋田県、山形県と、東北地方が続く。女性は栃木県、茨城県の順だ。

青森県では“短命県”の汚名を返上しようと、10年近く前から懸命に努力し始めた。15年には産官学が協力して「健やか力推進センター」を立ち上げ、徹底的な県民の研修に乗り出した。また今年度から健康経営認定制度を創設、社員の健康に熱心な企業には工事の入札などが有利になるようにしている。

だが現在までのところ、効果は表に出ていない。しかし時間が経てば、必ず結果はついてくるだろう。すると、こんどは追い上げられる地域が、真剣に対策を講じるようになる。こうして地方自治体が、競って住民の健康対策を充実するようになることがきわめて望ましい。

さらに地域の取り組みと結果を詳細に分析し、何が効果的な手段なのかを解析する必要がある。これは厚労省の仕事だろう。また寿命が延びても、要介護では意味がない。介護を必要としない年齢、つまり健康寿命を延ばすことに重点を移すべきだろう。厚労省は平均寿命だけでなく、健康寿命の調査ももっと頻繁に行うべきだ。その結果として、各地域が健康寿命についての競争意識を持つようになればいい。

      ≪21日の日経平均 = 下げ -25.62円≫

      ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ≫/strong>

男は滋賀、女は長野がトップ : 平均寿命 (上)

2017-12-21 08:33:32 | 寿命
◇ 50年前は男女ともに東京都が第1位 = 厚生労働省が発表した15年時点の都道府県別・平均寿命によると、全国第1位は男性が滋賀県の81.78歳。女性が長野県の87.67歳だった。前回10年時点の調査で第1位だった長野県の男性は、第2位だった滋賀県に追い抜かれた。厚労省は「滋賀県は食塩の摂取量が少なく、喫煙者の割合も低い」とコメントしている。

この調査による全国平均は、男性が80.77歳で5年前より1.18歳延びた。また女性は87.01歳で、前回より0.66歳延びている。したがって、滋賀県の男性は全国平均より1年も長生きしているわけだ。また長野県の女性も、全国平均を0.674歳上回った。滋賀県の男性は1965年には全国第27位だったが、そこから順位を上げてとうとう第1位に到達した。

このように長期的にみると、順位はけっこう入れ替わっている。たとえば1965年の時点では、男女ともに東京都が第1位。その東京都は今回の調査で、男性は第11位、女性は第15位にまで後退している。1965年から2015年までの間、常に上位10位以内に入っているのは、男性では長野県と神奈川県。女性では沖縄県と岡山県しかない。

重要なことは、順位が変わった原因だろう。食事や睡眠、運動量や医療体制など、原因は多岐にわたるに違いない。そこを詳しく分析することによって、人々の寿命を延ばすことが出来る。同時に健康寿命を延ばすことが、いっそう重要であることは言うまでもない。こうした調査や分析を進めるためには、平均寿命が低い地域を研究することが欠かせない。

                            (続きは明日)

      ≪20日の日経平均 = 上げ +23.72円≫

      ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ


Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>