経済なんでも研究会

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「2月に0.5%利上げ」説も : NY市場

2022-01-25 08:15:47 | 株価
◇ 息を呑んで見守る26日のパウエル会見 = 「FRBは金融引き締めをさらに前倒しするようだ」--ニューヨーク市場では、こんな見方が一気に広がった。原油の国際価格が高止まりし、オミクロン株の拡散で人手が不足。物価は下がりそうにない。だからFRBは引き締めを急ぐ。なかには「量的緩和は2月で打ち切り。同時に政策金利の引き上げに踏み切る。上げ幅も0.5%」という観測さえ飛び始めた。

アメリカの消費者物価は、昨年初めには1.4%しか上昇していない。それが11月には6.8%、12月は7.0%と31年ぶりの高い上昇率を記録した。エネルギー価格の高騰と人手不足による人件費の上昇が物価を押し上げており、いまのところ物価が下がる兆候はない。バイデン大統領も中間選挙を控えて、インフレには強い警戒感を抱いている。FRBも「なぜ、あのとき手をこまぬいていたのか」と批判されたくはないだろう。

FRBは当初「量的緩和の縮小は6月に終了」と考えていた。ゆっくりと縮小するため、これを‟テーパリング(しだいに消える)”と呼んでいた。しかし、ことしになると「終了は3月」に前倒し。いまは、それを「2月で止める」方向に傾いてきたわけだ。テーパリングどころではなく、国債などの買い入れを一気に止めて、同時に利上げ。さらに国債などの売り戻しも始めるかもしれない。

すでに長期金利は1.9%まで上昇。利回りが極めて低いハイテク銘柄を中心に、株は売られている。仮に「さらなる引き締めの前倒しが実行されれば、株価はいっそうの調整を余儀なくされる。はたしてFRBの決断は? その結果は、26日午後に予定されるパウエルFRB議長の記者会見で明らかになる。ウオール街はいま、息を殺してその会見を待っている。

        ≪24日の日経平均 = 上げ +66.11円≫

        ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

今週のポイント

2022-01-24 08:05:27 | 株価
◇ 株価はただいま調整中 = ダウ平均は先週1646ドルの値下がり。1週間の下げ幅としては、20年10月下旬以来の大きさだった。インフレの進行でFRBが金融引き締めを前倒しするのではないか、という警戒感が一挙に燃え広がった。またオミクロン株の拡散で、医療・交通・消防などの人手が不足する心配も、市場の空気を暗くしている。そして基本的には、超金融緩和相場の見直し、株価の調整が始まったとみていい。

日経平均は先週602円の値下がり。ニューヨークの暗雲が、東京にも波及した。加えて日本ではオミクロン株が、異常なスピードで拡散。東京・大阪をはじめ多くの地域に「まん延防止等重点措置」が発令された。これによって経済活動がまたまた阻害され、景気や企業業績の見通しも悪化が避けられない。株式市場を取り巻く環境は、あまり芳しくない。

ダウ平均は年初の史上最高値から2500ドルほど下落した。ハイテク企業の多いナスダックは金利の上昇に敏感で、すでに最高値から10%以上も下げている。こうしたことから判断しても、ダウの調整はまだ続くのではないか。そして注目点は、今週25-26日に開くFRBの政策決定会合。パウエル議長が26日の記者会見で、どんな説明をするか。

今週は26日に、12月の企業サービス物価。アメリカでは25日に、11月のFHFA住宅価格、1月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。26日に、12月の新築住宅販売。27日に、10-12月期のGDP速報、12月の中古住宅販売。また中国が30日に、1月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

        ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

死者が語る コロナ肺炎の危険度 (96)

2022-01-22 07:43:08 | なし
◇ イギリスはピークを過ぎた? = 世界の感染者は累計3億3793万人、この1週間で2254万人増加した。この増加数は前週より500万人も多い。異常な増勢である。死亡者は556万5540人で、週間5万5213人の増加だった。この増加数は昨年9月下旬以来の大きさ。感染者の増加ぶりに比べれば増勢は鈍いが、それでも確実に増えてきた。アメリカ・インド・メキシコのほか、イギリス・フランス・イタリアでも死亡者の数は拡大している。

死亡者の数を国別にみると、アメリカは累計85万7778人。この1週間で1万3216人も増えている。あとブラジルが62万人台、インドが48万人台、ロシアが31万人台、メキシコが30万人台。さらにイギリスが15万人台、インドネシアとイタリアが14万人台、イランが13万人台、フランスが12万人台と続く。

こうしたなかで注目されるのは、イギリスのジョンソン首相が「オミクロンの感染はピークを過ぎた」と公式に宣言したこと。マスクの着用義務など、ほとんどの規制を撤廃した。たしかにイギリスでは新規感染者数が、今月4日の22万人から18日には9万4000人へと急減した。重症化率の低いオミクロン株をインフルエンザ並みの疾病とみなし、経済再生を優先させた政策とみられている。

日本の感染者は累計202万5855人、この1週間で21万4239人増加した。増加数は前週の3倍以上にのぼり、もちろん新記録。死亡者は1万8469人で、週間55人の増加だった。政府は東京都などに「まん延防止等重点措置」を発令したが、その一方で感染者の拡大で医療や交通などが機能マヒに陥ることを心配し、イギリス的な政策への移行を考え始めているようだ。日本のオミクロンは、いつピークを迎えるのだろうか。

        ≪21日の日経平均 = 下げ -250.67円≫

        【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】     

≪コロナ蔓延 = 世界大戦≫ の実相

2022-01-21 08:14:50 | なし
◇ 大半の国で寿命が縮んだ! = コロナ・ウイルスの蔓延で、人類の寿命が短くなってしまった。たとえばアメリカ。CDC(疾病対策センター)の発表によると、20年の平均寿命は77.0歳で、前年より1.8年も低下した。この低下幅は第2次大戦中1943年のマイナス2.9年以来の大きさ。女性の平均寿命は79.9歳で1.5年の低下、男性は74.2歳で2.1年の低下だった。CDCでは「コロナによる死亡率は女性より男性の方が高かった」と説明している。

寿命が縮んだのは、アメリカだけではない。英オクスフォード大学はヨーロッパ27か国について、20年の平均寿命を前年と比較した。その結果、前年より平均寿命が延びたのはフィンランド・デンマーク・ノルウェーの北欧3か国だけ。あとの24か国では、すべて平均寿命が縮まった。特にスペインとイタリアの平均寿命は、戦後最大の低下を記録している。

アメリカのコロナによる死亡者は、累計84万1200人に達した。これは第2次世界大戦中のアメリカ人戦死者40万5000人の2倍を超えている。全世界でみても、大戦による死者の合計は912万人。これに対して、コロナによる死亡者は551万人となっている。戦争は6年続いたのに比べて、コロナ禍は2年。コロナは戦争より厳しいとさえ言えるかもしれない。

日本は寿命が縮まなかった数少ない国の一つ。厚生労働省の発表によると、20年の平均寿命は女性が87.74歳、男性が81.64歳。いずれも前年より延びて記録を更新している。日本の場合、コロナによる死亡者の累計は1万8400人。欧米諸国と比べれば極端に少ない。したがって21年についても、平均寿命は低下しなかったと推定できる。

        ≪20日の日経平均 = 上げ +305.70円≫

        ≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫


「まん延防止」の 重大な抜け穴

2022-01-20 07:52:45 | なし
◇ 小学生は居酒屋へ行かない = オミクロン型変異ウイルスの急拡大に対応するため、政府は19日「まん延防止等重点措置」を東京都など13都県に発令した。すでに発令中の沖縄県などを加えると、これで16都県で「まん延防止」対策が実施されることになる。これを受けて各都県では、主として飲食店の営業時間短縮や酒類の提供禁止などの具体的な対策を実行する。しかし、こうした措置が大きな効果を挙げるかどうかは、きわめて疑問だ。

たしかに昨年のデルタ株は、飲食店で多くのクラスターを発生させた。これに対して、ことしのオミクロン株は家庭内クラスターを多く発生させている。さらに昨年はゼロに近かった10歳台、10歳未満の感染者が、ことしは大幅に増加した。こうしたことから判断すると、小学生や幼稚園児が学校や幼稚園で感染を拡大し、家庭にウイルスを持ち帰っているのではないかと考えられる。

病院関係者によると、こうした小学生や幼稚園児の症状はきわめて軽い。せいぜい風邪を引いた程度で家族も気づきにくいから、実際の感染者数は数字以上に多いだろうという。それなのに「まん延防止」では、飲食店にばかり注意を向ける。だが小学生や幼稚園児は飲食店に行かないし、酒とも関係がない。

学校や幼稚園を休みにすると、社会的な大問題が生じる。子どもの面倒をみるために、保護者が仕事に出かけられなくなるという問題だ。このため小学生や幼稚園児の感染対策は、きわめて難しい。このことが判っているため、政府もマスコミもあえて問題の指摘を控えているようにも思われる。しかし、だからといって黙っていていいのだろうか。問題を明示し、衆知を集めるべきだろう。

        ≪19日の日経平均 = 下げ -790.02円≫

        ≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

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