m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

ヴォーリズ記念病院旧本館&礼拝堂&五葉館

2023-11-11 | 建築巡り・街歩き【その他】

10月のこと・・
友人にヴォーリズ記念病院旧本館(ツッカーハウス)の見学ができるようになったと教えてもらったので、吉田悦蔵邸見学と、ガウディが来たら佐川美術館へも行きたいと思っていたので、それらを兼ねて久々近江八幡まで訪れてきた。


近江八幡へは、初めて家族連れで来た時から、何度も訪れている好きな町だけど、ヴォーリズ記念病院へは、その時以来。
2007年に訪れた当時、ツッカーハウスは、解体は免れたものの建物は老朽化が進み、危うい状態で、外観のみかろうじて見れる状態だったが、この日は見事に改装されて、中へも立ち入れるようになっていた。


玄関ホール。
ボランティアガイドさんにより、建物内を案内して頂いた。


大正7年、結核が大流行していた当時、ツッカー女史の献金により、結核療養所として、ヴォーリズ設計により建てられた。
建物は、日照の方角や時間、効果的な通風などを最大限に考慮して建てられているそう。
病室は2階で、1階は管理事務所として使われていたという。


クリーム色のタイルが貼られた暖炉跡があった。




ヴォーリズといえばの、クリスタルのドアノブがあちらこちらに使われている。


院長室だったか?
こちらは鮮やかな黄色のタイルが貼られた暖炉。




家具なども当時のままのものが保存展示されていた。


開館当時のツッカーハウス。


建物両脇には、八角形に張り出した、こんな日当たりのよいコーナーも。



階段はゆるやか。


2階にある病室は男女に分かれた団体部屋になっていて、広く取られた窓が並び明るく、さすがに風通しもよさそうだった。
当時はこちらにベッドが並べられていたようだ。


窓が大きく明るいからか、照明は小さ目のものがぽつぽつと吊るされている。


こちらは女性用の団体部屋。
現在は、展示室に。
男女、全く同じ広さだそう。


男女共に、部屋から張り出したサンルーム的なスペースがついていた。


職員の部屋。



物置状態的な部屋の床に敷かれてた蜀江文のタイル。


この先、三階にも、物置などのスペースがあるそうだが、まだ整備途中の為、立入禁止。


そして、ヴォーリズ記念病院礼拝堂へ。
このアプローチがいいなあ。
昭和12年建築。




礼拝堂では、毎週日曜日に礼拝が行われ、
ヴォーリズ記念病院の患者さんたちが訪れる。










礼拝堂の窓からは、五葉館が見える。


丸みを帯びた窓のハンドル。


ドアノブと鍵穴の金具。
シンプルだけど、良い形。


壁紙には、独特な模様が入っていて、新たに作るのは難しいものだと言われていた。


最後に五葉館へ。


昔に訪れた時は、草木に覆われていて、全体を見渡せることができないほどだったが、修復されて、中へも入れるように。
ツッカーハウスと同じく、大正7年に建てられた。
療養がすすみ、退院間近の患者さんを収容する施設だったそう。



病室は一つ一つ独立していて、五方向に突き出しており、
高床式で建てられているため床下の換気も十分。



入口扉は、紫水晶のドアノブが使われていた。


建物内へ入ると、中央部分は大きな広間になっていて、各部屋の患者さんたちが娯楽室として、集えるようになっている。


病室は蒸気暖房が取り入れられ、各部屋は窓が三方向に付き、通気の良さと共に、窓からは自然の緑が目に入るようになっている。
なんと贅沢な部屋・・



窓越しに隣の病室の患者さんと話もできるようになっていたとか。


二部屋ほど、修復前の状態で保存されていたが、天井などボロボロの状態だったが以前の状態を見れるのはいいな。


部屋の扉はすりガラスに病室の番号が入っている。



洗面所はタイル貼りに。





衛生面など掃除のしやすさを考えてか、床からの立ち上がりは、曲面になっていたり、
さまざまな工夫が凝らされたヴォーリズ設計の建物をあらためて見ることができてよかった。

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岡山の旅2023【総社まちかど資料館&岡山禁酒会館他】

2023-10-01 | 建築巡り・街歩き【その他】

吹屋から、少し時間に余裕があったため総社へ立ち寄れた。
明治43年に建てられた旧総社警察署も江川三郎八設計によるもの。
現在は総社市まちかど郷土館として公開されている。


入口を入ると、受付窓口だったと思われるカウンター。


1階展示室。
岡山の洋風建築の歴史などの展示。


2階へ。


八角形の塔屋部分。
上げ下げ窓が並び、明るい素敵空間。




2階展示室には、総社の伝統産業、売薬関連の資料などが展示されている。
マネキンは当時の薬売りを再現。


い草・畳表も総社の主要産業だったそうで、編み機などの展示も。



床下換気口の装飾。


向かいには、モザイクタイルのショーウィンドウのある建物があった。
本屋さんのよう。


白と水色の市松模様のモザイクタイル




周囲も少し歩いてみる。






2階に貼られてるブルーのタイルが魅力的な建物。



美しいタイル。


ソフトクリームののれんが気になった建物。



なまこ塀と虫籠窓のある重厚感ある町家も見かけた。


松の彫刻がある持ち送りは、初めて見た。








洋館付きの立派な邸宅も。





岡山に戻り、最後に禁酒会館のカフェへ行くことに。
禁酒会館の隣にあった気になったビルを見て行く。
ガラスブロックと、タイルが貼られた階段ホール。









道路に面した窓には外からうっすら見えたステンドグラスが、きれいだった。


各階に入れられたステンドグラス。


そして、禁酒会館へ。
建物は大正12年に建てられたもので、禁酒運動の拠点として、岡山禁酒会の定例会、講演会、強化運動者の宿舎としても利用されていたそう。
向かいから写真を撮ろうとしたが、木が邪魔して撮れない、、


ドイツ壁風の壁面に白いタイルが貼られた外観。


前回来た時は、閉まっていて中には入れなかったので、今回初潜入。
酒害相談所の看板もあり、現在も建物の維持管理と共に禁酒の為の活動の支援が行われている。


1階は、珈琲屋ラヴィアンカフェに。
天井が高く、とても良い雰囲気。



カウンター


ギャラリースペースには、雑貨販売のコーナーもあり、内部にも一部タイルが貼られていた。





禁酒会館には、昔、カレーを出す食堂があったそう。
当時使用されていた食器などが展示されている。


現在は数量限定で、カレーを出されているようだ。


2階へ。


2階は、いくつかの会社事務所やレンタルスペースとしても活用されている。
ライブなどが開催されるホールもあるみたい。


多種類の型板ガラスが使われた窓。


細い廊下を進む。


突き当りは窓。
窓の外の緑や城の石垣が目に入る。


裏にも階段が。



カフェのアイスコーヒーも美味しかった。
二日間の旅もこれにて終了。
車移動のおかげで、いろいろとはしごできて楽しかった。お疲れさまでした〜

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岡山の旅2023【旧吹屋小学校本館&吹屋の街並み】

2023-09-30 | 建築巡り・街歩き【その他】

真庭市の旧遷喬尋常小学校を後にし、やって来た吹屋。
吹屋にも江川三郎八設計の小学校があるという。




弁柄と銅生産で繁栄した鉱山町、吹屋は、江戸末期から明治にかけて
つくられた独特な町並みが残されている。
まずは、混まないうちにランチするため、ランチ場所目指して歩く。
吹屋に来るのは学生時代以来で、雪がちらつく寒い冬に来た覚えがある。
この日は、9月も半ばなのにまだ夏並みの暑さだった。



べんがら色に染まった吹屋郵便局。


旧片山家住宅
創業以来200余年に渡り、弁柄の製造販売を手掛けてきた片山家の屋敷。


お目当てのお店、カフェ燈。
開店時間くらいに伺ったが、すでに満席になってた。
並んではいなかったので、とりあえず待つことに。





隅瓦には、打出の小槌が。


お店の前は、旧吹屋町役場。
建物は明治中期の頃のものだそう。
現在は資料館のようだけど、閉まってた。


待ち時間の間、少しうろうろ。


いい風化具合のベンガラの壁


そして待ち1組目の私たちは、カフェの別棟のお部屋に案内して頂けた。


こちらは、普段は一棟貸しの宿として、町屋スティができるようになっているようで、中庭のあるゆったりした造りの部屋、テーブル席で、涼しくて快適。







そして、日替わりランチが運ばれてきた。
地元産の野菜が使用された色とりどりのランチがヘルシーで、美味しかった。


デザートに、自家製梅酒ゼリー高梁紅茶を頂く。
お腹がいっぱいになったところで、旧吹屋小学校へ向けて、散策しながら向かう。



昭和40年頃まで、郵便局だった建物だそう。その後食堂にも。


元来た道を戻る。


お土産屋さんに改装された町家、旧山内家。



石州瓦が美しい~


長尾醤油酒店酒蔵を改装したギャラリーでアート展が開催されてた。


酒蔵の雰囲気にぴったりのアートだった。


弁柄窯元の中野屋。
つし二階?のなまこ壁は、七宝繋ぎ文様に。





石州瓦が連なる吹屋ならではの風景。


そしてやってきた旧吹屋小学校。
何か様子がおかしい?!
カラフルなこのテープは、マステのmt?!
mtと吹屋小学校がコラボして、イベント開催中のようで、
インスタレーションなどが行われてた。


旧吹屋小学校は、明治33年に東西校舎、明治42年に江川三郎八設計により本館が建築され、平成24年の閉校まで、現役最古の木造校舎として使用されてきたそう。


玄関が~、マスキングテープでデコられてる~~
せっかく来たのに、マステなしの玄関が見てみたかった・・


イベントのせいか、お客さんも多く、
あちこちに、マステのインスタレーションがあって、
写真が撮りにく過ぎる。










2階の講堂も、せっかくの折り上げ格天井なのに、天井から無数のテープがぶら下がるカモ井のハエ取り紙風インスタレーションで、、台無し;



テープの間に見える講堂の演台。


この後、マスキングテープ販売特設会場へ行くと、会場はかなり白熱していて、ついついマステ漁りに夢中になってしまい、、
さっきまで散々文句を言ってたのに、すっかり皆を待たせるくらいにマステを買い込んでしまってる自分がいた;


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岡山の旅2023【津山神社の本業タイル&旧遷喬尋常小学校他】

2023-09-29 | 建築巡り・街歩き【その他】

津山に宿泊した翌朝は、集合時間までに一人早朝散歩へ。
可愛いモザイクタイル看板見つけた。「ROSE」


裏側には、薔薇の花がモザイクで描かれてた。
いい看板だなあ。バーのようだ。


お店は閉業してたようだけど、Coffeeのフォントと
ハーフティンバー風の壁面の装飾がいい感じ。






以前、訪れた時に巡った近くの近代建築を見に行く。
大正15年建築、内村鑑三の弟子、森本慶三が、キリスト教文書伝道を目的として設立した我が国唯一の基督教図書館。現在は、森本慶三記念館となっている。



正面上部には、キリスト教にちなんだ羊とヤギのレリーフ


入口の持ち送り。


時計台のついた塔屋もある。
裏手には津山城の城跡があり、


手前には、つやま自然のふしぎ館が。
建物が近代建築ぽいと思ったら、旧津山基督教図書館高等学校夜間部の校舎だったそうだ。
こちらの博物館も、森本慶三が開設した施設だそうで、
動物のはく製や化石、鉱物の他、遺言により森本慶三本人の臓器も展示されてるとか。



昭和9年建築の旧津山市庁舎。現在は津山郷土博物館。



帰り道、住宅街の中で、モダンな建物発見。
駐車場の壁には、カラフルな小窓が入っていて、
エントランスの柱には、丸くくりぬかれた窓が





そして、昨夜歩いた時に見た木造三階建ての旧西村旅館。
2階部分まで江戸末期からあったものだそうで、3階は、その後
旅館業をするために継ぎ足されたものだそう。


木造三階建ての存在感がすごかった。


うっすら西村旅館の看板が残る。


1階の窓ガラスは、様々な型板ガラスが使われていた。






この後は、ホテルルートインに戻って、バイキングの朝食を。
かなり・・食べ過ぎた。


そして、まずやって来たのは、美作国の一宮神社、中山神社。

こちらには、本業タイルがあるそうで、
拝殿は、江川三郎八の設計だそう。
江川建築もタイルもダブルで見れるというスポット。


長い参道を歩く


めちゃめちゃ愛嬌のある狛犬がいた。


可愛い。


この先は拝殿、本殿と並ぶが、立入はできない。


塀の外から、、手前の拝殿は、江川三郎八設計のもの。



こちらの本殿は、中山造りという建築様式で建てられた、重要文化財。


社務所の方の


入口足元には、本業タイルが敷かれている。
前日に清子の家の風呂場で見た本業タイルと同デザイン、同サイズだった。



よく踏まれる中央部分が少し剥がれかかっていた。



その後やってきたのは、旧遷喬尋常小学校。
江川三郎八設計、明治40年建築の重要文化財で、平成2年まで真庭市立遷喬尋常小学校の校舎として使用されていた。
ここも以前、家族に無理やり?立ち寄ってもらったところ。





当時、巨額な費用を投じて造られたという校舎には地元産の優れた建築材が多用されていて、
廊下は幅広く分厚い松材を、戸の板壁は、全面無節の杉材が用いられているとか。


良い艶。


廊下の先の壁には、卒業記念制作に作られたもの。


江川三郎八資料室も。
どこのだったか?解体された天井装飾の実物が展示されていた。


前日に見た、旧旭東幼稚園八角園舎の模型。


校舎の両端につけられている階段は、ゆるやかな傾斜で上りやすい。














圧巻の講堂は、二重折上げの格天井。
鏡板はすべて檜の柾目板だそう。


小学校の講堂とは、思えないような迫力と風格が漂う。








カフェとして使われてる教室も。


校長室。


鳳凰が描かれてた風流な金庫。

この後は、吹屋へ。





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岡山の旅2023【江川式建築とタイル巡りその二】

2023-09-26 | 建築巡り・街歩き【その他】

「清子の家」を見学した後は、津山へ向けて、途中の近代建築を巡る。
大正5年建築の旧永井歯科医院。
下見板貼りの外観に、大きな縦長の上げ下げ窓が二つ一組で
きれいに残されていた。


山本学商店、目に留まったタイル。


ショーウィンドウ下には、ふっくら飴釉のモザイクタイル。





走行中、山手の木々の間から見えた建物。
旧和気郡山田村役場庁舎で、現在は、佐伯町ふる里会館に。
窓の三角の尖ったアーチや装飾がセセッション風?
周りの風景からは、明らかに浮いた雰囲気。


扉は閉まっていて、
連絡先番号があったので、とりあえずかけてみたが、繋がらず。
中は民俗資料館のようになっているようだけど、
2012年にも来ていたようだが、中には入れなかったみたい。

そして、岡山まで来たので30分でいいからブドウ狩りをしたいと提案していたが、同意する者はおらず、却下される;
後に道の駅で、ぶどうを買って、食べれて、満足した〜


昭和6年に建てられた旧片上鉄道吉ヶ原駅駅舎。
ハーフティンバーに、赤い三角屋根が可愛い。




こちらの持ち送りが、見たことないデザインで面白かった。
サイコロ状の立方体に米のような模様のレリーフ装飾がついている。


駅舎の中。
天井の細工も良い。




改札口は石製。





そして津山へやって来た。
津山に来るのは三度目だが、以前家族と来た時には、駆け足だったので
ゆっくり見れた。
大正6年建築の旧中島病院本館



現在はまちの駅、城西浪漫館として、一般公開され、
カフェやショップとしても営業している。







つちや写真館。


明治37年建築、日本基督教団津山教会。







津山文化センターは、この日はイベントがあり、入ることができなかった。
前回来た時に見た内部はこちら→


こちらは、今回初めて。
大正9年に建てられた旧妹尾銀行林田支店だった建物が、現在はポートアートデザイン津山という、ギャラリー&カフェとして使われている。
一見、お寺のような佇まいだが、銀行ということで、


内部は、銀行時代のカウンターが残されていて、
営業室がカフェになっていた。



天井が高く、ここの折り上げ格天井がすばらしい~


折り上げ格天井の下部には、明かり取りの窓があって、その下にも帯状に装飾が入ってる。組子のような細かな装飾が豪華で、和洋折衷のデザインが素敵。





床には八角形と正方形の組み合わせ、蜀江文の形のタイルが貼られてた。


営業室のある建物の更に奥には、渡り廊下が繋がって、煉瓦造りの蔵もあり、
そちらは展示室として活用されている。


中庭



ギャラリーでは、和紙を使用した作品が展示されていたが、煉瓦造りの空間にぴったりマッチしていて素敵だった。





こちらは、和紙を針で突いて、毛羽立たせ、模様を描くという手法でつくられているとのこと。今まで見たことのないようなアートで、とても素敵。
羊毛フェルト的な感じなんだろうか~気の遠くなりそうな作業。



和風の外観と、洋風の煉瓦造りの蔵や門がマッチした建物で、
好きな雰囲気だった。


通りを歩いていて見つけた、モザイクタイルの「駐車禁止」
水玉風のタイルの上に貼られてるのもまたいいな~


地元の洋菓子屋さんかと思ったら・・
入ってみると、お店の中では、おじさんの趣味?の模型がいっぱいで、
お菓子のコーナーは、片隅においやられてた。


後、城東むかし町家和館も以前じっくり見学したが、
中にある洋館を見ていく。


ドイツ壁の洋館は、ヴォーリズ建築のような雰囲気で、


紫の水晶のドアノブや、


水晶のドアノブも。


タイルの貼られた理容室。



可愛い椅子がひとつだけ。
ぽつんとバス停。


元銭湯の福寿湯が、改装され、コーヒースタンド福寿湯として活用されているということで、立ち寄る。


床のモザイクタイルも一部見えた。


浴槽や看板など、銭湯の名残が残る店内。


浴槽はモザイクタイル貼り。







天井の湯気抜きもそのまま。
鯉のぼりが吊るされてた。


銭湯アイテムがあちこちに。


席は、2,3人掛けが数席で、それほどゆっくりできる感じではなかった。



ブルーベリースムージーを。

この日の行程は、これで終了し、津山泊で
翌日に続く、、

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岡山の旅2023【江川式建築とタイル巡りその一】

2023-09-23 | 建築巡り・街歩き【その他】

6月に行ったハンガリーとチェコの旅の消化作業が全く追い付かなくて、
満たされたまま夏を越しつつあったが、涼しくなったら、ちょっと遠出したいなと思っていたところ、
お声をかけて頂き、先週末、岡山の江川式建築とタイルを巡る旅へ行ってきた。


プラン立ても運転もお任せで、朝9時半岡山集合で、スタート。
駅前の広場には、備前焼タイルが乱貼りされてて、いい感じ。


まずやって来たのは、駅近くのこのマジョリカタイル物件。
普通の民家ぽいけど、赤いテントは、何かお店の名残り?!


見覚えのあるデザインの数種類のマジョリカタイルが、貼られていた。
建物の高い位置に、こんな風に貼られてるのは、なんだか台湾ぽい。
普通に地上を歩いていると、見落としそうだけど。


並びには、黄色のタイルが可愛いビューティーサロンも。


お隣の建物の足元には、玉石タイルもあり、妙にタイル度の高い一画だった。


そして次なる目的地、江川式建築の急旭東幼稚園八角園舎へ。
建物は明治41年に建てられたものを移築復元したもの。


中央に八角形寄棟造の遊戯室があって、そこから四方に保育室などが繋がっている。
日本でも八角形の遊戯室を持つ園舎としては、最も初期のものだそう。


以前に、外観だけしか見たことがなかったが、この日は、内部も見ることができた。
中央の遊戯室は、子供たちも喜びそうな広々とした空間。
子供たちの管理もしやすそう。


現在も市の施設として、様々なイベントに使用されているようだ。
重要文化財だけれど、活用されつつ保存されているのがいいなあ。



遊戯室の周りには、会議室や、


子供たちのための絵本のへやも。


展示室もあった。



建物の周りをぐるりと一周。


そして八角園舎へ向かう途中、タイリーな美容室を車窓から発見していたので、寄ってもらう。


タイルに囲まれた奥まった木の扉、


良い味わいの型押しタイル。


ポーチにもこんな蜀江文柄の無釉モザイクタイルが貼られてた。


サインポールもおしゃれ。


そして次なる江川式建築は、明治43年に建てられた旧赤坂尋常高等小学校校舎。


屋根の上には、赤坂という地名から、楠木正成の赤坂城にちなんでつけられたという菊水の紋章。両脇にはしゃちほこもいた。


現在は、「こども図書館ほたる」として活用されている。
この日は休館日で、内部には入れなかったけど、


床下換気口のデザイン。



外からうっすら見えた図書館内部。
図書館ぽくなくて、おしゃれ。
大人もゆっくりくつろげそうだなあ。


そして赤磐酒造へやって来た。



入口は、渦巻のクリンカータイル。


中には洋館もあるのかと思いきや、こちらは洋館に見せかけた
ダミーだそう。
門の外から見える、こちらの面だけ、当時流行った洋風の造りにしたとか。
柱の下部はタイル貼りに。
当初は装飾がもう一方の柱と、中央にもついていたのだそう。


中は全く和風だそうで、、
ここで試飲や買い物を楽しみ、ランチへ向かった。


予定してたランチ場は、閉まっていて、近くで探したここ、
レストランサンデーがなかなかよかった。


昭和レトロなショーウィンドウ。


内部もステンドグラスの照明など、レトロでいい感じ。
何より、大通りに面していないお店なのに、お客さんでいっぱいの地元ご用達店のようだった。


洋食メニューが充実していて、カニクリームコロッケランチ、美味しかった。


食後は、タイルスポットの「清子の家」へやって来た。
現代詩の母と呼ばれた詩人永瀬清子の生家が、地元の有志による保存活動
で現在、様々に活用され、毎月第三日曜に一般公開されている。



タイルスポットは、離れの風呂場。


中はポピュラーな文様の瀬戸の本業タイルの大判タイプが床面と、立ち上がりにびっしりと貼られていた。
壁面には白いタイルが貼られ、



浴槽の周りには、ボーダーの雷文タイルも。


雷文の緑色はよく見かけるけど、こちらは、水色。
雷文タイルや白いタイルは、剥がれていたものがあったが、裏には厚くモルタルがついていて、裏足などは確認できず。


今後風呂場もきれいに改装されるそう。




主屋の二階。


床の間の壁は雲母が入り、キラキラしている。


釣鐘型の引手や、


七宝繋ぎ文、


泡のような文様の引手があった。


1階は田の字に区切られた四間があり、そちらのスペースは、書道教室や、
さまざまなイベントに使われている。
天井に掛けられていたはしごを下すと、2階からは出入りできない隠し部屋へ上がれるようになっていた。


台所には、モザイクタイル貼りの調理台とシンクが。
Eの文字は何か不明。


煉瓦造りのおくどさんもあった。


最後に、建物と共に登録有形文化財になっているという井戸も見せて頂いた。
現在も現役で、掃除用として使われてるそう。
この日はまだ暑かったので、ひんやりした水がうれしかった。


クマが可愛い熊山町のマンホール。


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江戸東京たてもの園

2023-08-09 | 建築巡り・街歩き【その他】
東京へハンガリーのアール・ヌーヴォー建築の講演会へ参加した日、
午前中は、特別展「日本のタイル100年美と用のあゆみ」が開催されてる江戸東京たてもの園へ訪れた。
特別展は、常滑で既に観ていたが、たてもの園へまだ訪れたことがなかったのでこれを機会に。



デ・ラランデ邸、元は平屋建ての洋館でドイツ人建築家、ゲオルグ・デ・ラランデの自邸だった建物。明治43年頃三階建てに大規模増築、昭和31年からはカルピスの発明者、三島海雲が住んでいたという。
下見板張りに赤い腰折れ屋根がかわいい。


1階のダイニングだった?部屋は、カフェになっていた。
まだ見学開始したばかりだったので、利用しなかったけど。



窓周りにはねじり柱やレリーフなど、凝った装飾が施されていた。


リビングには煉瓦造りの暖炉に


アイアンの照明カバー


二間続きの居間
アーチ部分に嵌められた飾り格子も美しい。



天使のシーリング装飾が豪華な照明も。


三井八郎右衛門邸は、昭和27年、港区西麻布に建てられた三井総領家の大邸宅。
京都や大磯、用賀、今井町にあった三井家に関連する施設から、部材が集められて建設されているそう。



玄関ホールにあった球状の照明は、和風の玄関におしゃれだなあと思ったら
ルネ・ラリックのもののよう。


1階の和室の広間は、格天井に、
絨毯敷にテーブルセットが備え付けられて、和洋折衷の趣。


2階の仏間前にはこんな豪華な折り上げ格天井があった。
シャンデリアは、このスペースにはなんかアンバランス?と思いきや
こちらは大磯にあった別荘から持ってきたものだとか。


屋敷の中は杉戸絵が、あちこちにあり、主に鳥が描かれているよう。
仏間の前のこの鳥たちもとても繊細に描写されている。



孔雀の杉戸絵も美しい。


2階の寝室は畳敷きにベッド。


七宝焼きの入った襖の引手。


常盤台写真場。
戦前に開発された郊外住宅地、常盤台に昭和12年に建てられた写真館。



照明設備がなかったころの写真館で、2階の写場には、大きく窓が取られている。


入口には、スクラッチタイル風の型押しタイルと石を散りばめた埋め込んだポーチ。


多くの光を取り込む工夫がされた2階の写場。


階段には縦長の窓が二つ。


1階応接室。


食堂。



子供部屋には窓に沿ってカウンターが付けられてた。
子供たちは、並んで勉強してたのかなあ?


浴室には、ヘキサゴンモザイクタイルが貼られてた。






小出邸は堀口捨己により大正14年に建てられた住宅。
ヨーロッパ旅行から帰国直後に設計したものだそうで、当時のオランダで流行していたデザインなどが取り入れられてるそう。
玄関ポーチも面白い形。


直線的なラインが強調されていて、シンプルな造りの応接室。
飾り棚も板が三段並んでるだけのもの。



壁のラインと格天井のラインがつながってる。


隅にあるストーブ置きにはタイルが貼られていて、
この部分は華やかさがあった。


窯変が美しいタイルにうっとり。





玄関。


玄関ホールの照明。


前川國男邸は、昭和17年に建てられた前川國男の自邸で、
戦時下の建築資材入手困難な時期に建てられている。



大谷石の塀のあるエントランス。


吹き抜けの居間は窓が大きく取られていて、明るく開放的。




広いリビングルームは、こんなソファのコーナーなどいくつかのコーナーに分かれていて、どこを切り取ってもいい感じ。


中2階?はギャラリーのように。


こちらはダイニングスペース。
後方にはキッチンがあって、配膳口から配膳できるようになっている。


寝室。



バスルームは、床が黒いモザイクタイル貼りに、壁面は真っ白なモザイクタイル。






お手洗いは黒いモザイクタイル貼りになっていて、とてもモダンな雰囲気だった。
昭和17年にこんなモダンな住宅が建てられていたとは、、驚く。


大正14年に、郊外住宅地、田園調布に建てられた大川邸。


庭先に、半円アーチのあるパーゴラがついていたりとおしゃれ。


床下換気口も細かくデザインされてる。


玄関照明は、キツツキ?!だった~


どの部屋も大きく窓がとられていて明るく、
お揃いの照明が可愛い。
リビング


ダイニング。


キッチンの造り付けの食器棚。
この小窓が配膳口に。



昭和3年に建てられた化粧品店の村上精華堂。
イオニア式柱が何本も立つモダンな造りに。


明治後期に建てられた万世橋交番。


手前の交番のスペースと、奥のプライベートスペースに分かれていて、



プライベートスペースには、寝泊りできるように布団を敷くスペースに畳敷きの間があり、
洗面台など、必要最小限のものがコンパクトにまとめられてる感じがよかった。


銅板貼りの建物もいくつかあって、こちらは花屋さん。


2階には細かい花のレリーフが


水を扱うので、壁面や棚はタイル貼りで、


こんな市松模様のモザイクタイルも敷かれた。


こっちは金物屋さん。
銅板が網代状に貼られてて、凝った外観。



もう一軒あった銅板貼り建築、植村邸。


乾物屋、太和屋本店。


店先には、いい感じにアールを描いたマーブルタイル貼りのたばこのショーケース。


そしてやはり最もタイル度が高かったのは銭湯、
昭和4年に建てられた子宝湯。
立派な唐破風の玄関に、


両脇には、オレンジ色のふっくらモザイクタイルが貼られ



暖簾をくぐると、たたきには亀甲型のタイルが敷き詰められている。


正面には長寿と夫婦円満の縁起物、翁と媼が描かれたタイル絵。
九谷焼のよう。


驚くほど広い脱衣所。


高い天井は、折り上げ格天井に。



浴室、正面には富士山のペンキ絵が描かれ、


洗い場の壁面には、タイル絵がずらりと並ぶ。


さまざまな昔話の一場面が描かれている。
弁慶と牛若丸


カランが並ぶこのタイル台、天辺はブルーの細かいモザイクタイルに、縁や角、地面からの立ち上がりに貼られた役物タイルが美しく収まっていて、萌え萌え。


女湯には猿蟹合戦の場面もあった。


すずめのお宿かなあ。


女湯のカランの台。
こちらはピンクのモザイクタイル。
床には蜀江文のタイルが貼られてる。

タイル尽くしの銭湯、楽しんだ。


入口が分からなくて最後に訪れた大正11年に建てられた西川家別邸。
こちらのお風呂も、タイル貼り。


床にはちょうど子宝湯と同じ蜀江文のタイルが貼られてた。


腰壁には白いタイルと、縁取りにマーブルタイルが貼られてる。
四隅に付けられたコーナーが可愛い。


めちゃめちゃ暑い日だったので、たてもの園の建物巡りの間には、
途中館内の「日本のタイル100年美と用のあゆみ」展を見て、体を冷やして、外へ繰り出した。


当時東洋一のアパートといわれた江戸川同潤会アパートに使用されていた
山茶窯製のタイル。



柱にこんな感じで貼られていたそう。


旧岐阜県庁舎の床モザイクタイル。
他、多数の展示あり。

常滑のイナックスライブミュージアムでの「日本のタイル100年美と用のあゆみ」展展示はこちら→

この後は上野の純喫茶巡り→
皇居のモザイクタイル尽くしの桃華楽堂&慶應義塾大学旧図書館→
リスト・ハンガリー文化センターでの講演会&岩の湯→


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東京・桃華楽堂&慶応義塾図書館旧館

2023-08-06 | 建築巡り・街歩き【その他】

上野の純喫茶をはしごした後は、講演会までの間にまだ時間があったので、
皇居にある桃華楽堂へ。
桃華楽堂は、昭和41年、今井兼次設計により、香淳皇后の還暦記念に建てられた音楽堂。
八角体の建物の屋根は花びらのような形で、鉄仙をかたどったものだそう。


この建物の外壁はモザイクタイルで覆われている。
各面は、様々なモチーフと共に羽ばたく鳥をイメージしていて、
参観ガイドによると、日本女性の優雅でおおらかな理想像を描き出したものだとか。


建物の前方には柵がしてあって、立入禁止の看板が出ていて近寄れず。
遠目で見ると、着物の反物のようなものや櫛やかんざし、鏡、
そして楽器のバイオリンなどが見える。
モザイクの陶片は、有田焼や信楽焼などが用いられているという。


茶色のタイルに同化してるけど、急須や湯呑などのお茶セットの図柄もあったりと、細かい描写が。


2階の正面には青空と太陽モチーフのモザイクが描かれていて、
箱に入った人形のようなものが置かれている。



拡大するとお雛様のようで、鬼瓦の代わりに置かれたものだそう。



バルコニーのフェンスも松葉か?扇子か?瀟洒なデザイン。





こちらの面は梅の花がモチーフのようで、様々な陶片と共に丸い急須の蓋のようなやきものでかたどられた大きな梅の花を中心にピンク色の梅の花が散りばめられている。


下部には、松のモチーフも。


建物の側面には小さな丸窓もあって、それぞれステンドグラスが入れられいてるよう。
その下には帯状にモザイクタイルが貼られていた。


木々の間から。
細部が楽しいのに、近寄って観れないのは残念すぎる。
外観ぐらい自由に見せてくれんかな~?!



その後やってきたのは慶応義塾大学三田キャンパス。


大正15年にゴシック様式で建てられた塾監局。
義塾の事務全般を担う役割を持つ。


スクラッチタイル貼りの外観に花の形のレリーフ。


スクラッチタイルの良い風合い。




こちらのなまこ壁だが洋風の造りの建物は、
明治8年に開館した日本最初の三田演説館。
創立者福澤諭吉も日本で初めてこちらで演説を行ったという。


そして、慶應義塾図書館旧館。
慶應義塾創立50周年を記念して、明治45年、
曾禰達蔵・中條精一郎の設計により建てられたゴシック様式の赤煉瓦造りの図書館。
現在は、福澤諭吉記念慶應義塾史展示館となっている。






玄関ホールには大理石の三連尖塔アーチは重厚感たっぷり。


階段ホールには、大正4年に小川三知により制作されたステンドグラスが
昭和20年に戦火により失われ、その後昭和49年に復元されたもの。
慶應義塾の建学の精神「ペンは剣よりも強し」の構図が描かれている。





階段の踊り場から。




この照明も今まで見たことないようなタイプの凝ったものだなあ。




2階の展示室。


部屋全体はきれいに修復されていたが、照明は当時のものかな?


このアール・デコ風の照明も素敵。


横から。


1階にはカフェ八角塔があり、一般客もお茶することができるのだけど、
この後の講演会まで時間があまりなかったので、今回はスルー。


そして、ここから徒歩十数分の講演会会場、リスト・ハンガリー文化センターへ向かったのだった。






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リスト・ハンガリー文化センターでの講演会&岩の湯

2023-07-13 | 建築巡り・街歩き【その他】
今回のハンガリー&チェコの旅で、参考にしていた本のひとつ、
「ハプスブルグ帝国のアール・ヌーヴォー建築」の著者小谷匡宏氏の講演会が開催されると、ハンガリー大使館観光室の方に教えて頂き、
開催がちょうど旅行から帰ったばかりのタイムリーな時期だったこともあり、
東京まで講演を聞きに行ってきた。


小谷氏は建築設計や介護施設の経営の傍ら、三十数年の間に世界中の大半のアール・ヌーヴォー建築を見て回られたという。
その現地調査と資料によると、世界のアール・ヌーヴォー建築の1/2は東欧に、1/4はハンガリーにあるとのこと。その分布はユダヤ人の人口の分布と一致し、アール・ヌーヴォー建築はユダヤ資本によって建てられたのでは、
という研究の成果や、現地で実際に見られた様々なアール・ヌーヴォー建築の写真をスライドショーと共に解説して頂けた。


スライドショーでは、自分も見てきたばかりのブダペストのアール・ヌーヴォー建築を見て、リアルに思い出したり、まだ訪れていない都市の特徴的なアール・ヌーヴォー建築の数々を見て、次はどこへ行こうかなあ、と思いを巡らせたり・・
セラミックを取り入れた建築は、ブダペストに多く見られたが、
やはりそれはジョルナイ製のものがほぼ100%らしい。
ひょっとして、ヘレンドとかも建築用陶器を扱ってたりするのかなあ、と思ったが、それはないようだった。

最後はお世話になった観光室の方にご挨拶もでき、小谷氏も、ご紹介して頂き、お話することができてよかった。



この日は日帰りで、泊まらず夜行バスで帰る予定だったので、バスに乗る前にどうしてもお風呂に入っておきたく、
前回行き損ねた赤羽岩淵にある銭湯、岩の湯へ行くことに。
晩御飯は、その近くに見つけた洋食屋さん、「キララ」へ。
デミグラスソースのオムライスを注文したら、ソースがめちゃ美味しかった。
サラダもサービスして頂けてうれしい。


そして岩の湯へ。
加藤郁美さんの「にっぽんのかわいいタイル」にも載っている銭湯で、
前にもおすすめされてたので行ってみたかった。


玄関を入ると、たたきに貼られていたモザイクタイル。


そして両脇には、存在感を放つ傘立て、


中央には宝船が描かれたタイル絵が。
入口からテンション上がる~


ちょうど、訪れた時、誰もおらず、、
しばらく女将さんと話をしていたのだが、誰も来られないうちに写真に撮ってもよいと言って頂けたので、激写。
銭湯へ行くことは、泊まりとかじゃなければそうそうないのだけど、
自分は結構な確率で、誰もいない時間によく遭遇して、
こうして撮らせてもらえることが多い。
タイル好きとしては、とても有難く、うれしい〜


圧巻だったのは、この桃太郎のタイル壁画。
洗い場のシャワー&カランブースに、絵巻物のようにずらっと絵が描かれている。


絵のタッチもとても繊細。
絵の上は、マーブルタイルが一列に並ぶ。


床へ目をやると、玉石タイルの中に貝のタイルが混じってる~
可愛い~この貝のタイル、自分も持ってるけど、こんな広範囲で、所々に入れられてるのを見ると、可愛さ際立ち愛おしくなる。


女風呂と男風呂にまたがって描かれてる富士山らしきペンキ絵も大迫力。
サインが入っていたが、2014年に描かれたもののようだ。
銭湯は、女将さんによると、昭和14年ごろから始められたと言われてた。
とにかくお風呂が広くて、天井も高く、洗い場は4列くらいあった。
この午前中に訪れていた江戸たてもの園で保存されてるお風呂屋さんが、
とても広くて、驚いてたのだけど、現役でもこんな大きなお風呂屋さんがあっただなんて、感激。
床面積が広いから掃除が大変だろうなあ。


一方の壁面は全面ガラスブロックになっていた。


浴槽は、横に並んで二つ。
これが、両方ともとても熱い。
自分はどちらかというとぬるめ派なので、耐え切れず・・


カランと玉石タイル。


洗い場の水の排水周りのタイル貼り。


一画にはこんなタイルも貼られてた。


こちらのタイルも少し新し目。


一部、補修のようなツギハギ部分も。



女将さんがとても親切で、タオル、持ってきてるのに余分に貸してくれたり、
いろいろお世話を焼いてくださった。
タイルも見れて、バスに乗る前に汗を流せてさっぱりできてよかった〜
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旧佐伯邸見学会

2023-06-21 | 建築巡り・街歩き【その他】
昨日は、ワールド航空サービスさんの
「おおさか旅さんぽ」というツアーで、旧佐伯邸&松柏美術館見学会へ訪れてきた。
旧佐伯邸は昭和40年村野藤吾設計により建てられた、元近鉄社長、佐伯勇氏の自邸だった建物。


奈良の近鉄学園前駅から2kmほどの住宅地、松柏美術館と同じ敷地内に建つ。見学者の皆さんで、手配して頂いたタクシーに分乗しやってきた。
建物は三千坪の敷地内にあり、現在は茶室の貸出時や茶会などの催しの際、お庭のみ公開されていているそう。
塀の外から見ると、屋根の高さが低く、ゆったりとした平屋建てに見えるが、
一部二階建てになっている。

門から中へ。
庭を囲む回廊がとても雰囲気がいい。





庭側から入口に向かう回廊と建物を。


茅葺屋根の建物は裏千家の茶室、伯泉亭。庭には丹頂鶴のオブジェ。







邸宅は、大淵池に面していて、どの部屋からも池が眺められ、周囲の景観を取り込めるように、雁行して建てられている。


池の手前に造成された松林。


こちらは表千家の茶室。


手前畳と客畳の間の中板に炉が切られている。


炉の蓋は指一本が引っかかるように小さなツメが取り付けられているなど
細かな工夫と細工が。



網代天井に、下地窓が風流。


ランダムに編まれているが、バランスよくまとまっている。




襖紙は唐長のもので、村野好みの渋めのちりめん模様。



障子につけられた小さな格子窓は、障子の後ろに置かれた空調設備の為につけられたものだとか。
大工泣かせの細工があちこちにみられる。


茶室と茶室の間にある水屋。


四畳半の裏千家の茶室。


少し暗めの室内、化粧屋根裏の突上窓には、光を補う為に蛍光灯が入れられている。



自然なつながりを意識した和室と応接室の洋室との境。


蛍光灯の配置が面白い応接室。
天井クロスは川島織物製。


壁と床の境目は、窪みがアールに施されていて、掃除のし易さが考えられている。


続く部屋には、障子が入れられているので、和室として、又、障子の内側にカーテンレールがつけられているので、カーテンをつけると洋室として使用することもできるようになっているそう。


壁には川島織物製のクロス。


キッチンはラワン合板の造り付けの食器棚が入っている。





シンプルな真鍮の金具が、いい味わい。






レンジフードの造りも美しい。


当時最新式のビルトイン食洗機の搭載されたシステムキッチンもついていた。


外に面する窓の格子は、木製と思いきや、中の芯には鉄筋が入れられ、
防犯面も考慮されている。


お風呂は意外に質素で、浴槽も小さかった。


2階は立入禁止だったが、娘さんのお部屋の襖が見え、桜色だったのが可愛らしかった。



旧佐伯邸を高台から。


旧佐伯邸をたっぷり見学させて頂いてから、松柏美術館も学芸員さんにより
ご案内して頂いた。



松伯美術館は、村野藤吾の設計ではないそうだけど、この外壁が、村野藤吾のシャモットタイルというのに似てなくもないなあと。
バルコニーのデザインもなんとなくそれっぽかったのだけど。


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