INAXライブミュージアムにて、「和製マジョリカタイル展」が開催中で、
先週にあったオープニングイベントへお招きされ、行ってきた。
オープニングイベントでは台湾タイル博物館の館長、徐さんが台湾のマジョリカタイルの歴史や活用事例などについて
講演してくださった。
徐さんは学生時代だった20年前から、解体される古民家からマジョリカタイルを救出し、保存、再生してこられた。
1枚のタイルを救出、保存、再生するには約2か月も要する。タイルの裏面からモルタルを剥がし、
釉薬の裏まで染み込んだカビを取り除く作業は根気のいる重労働。
それらの作業を重ね続け、現在は約5千枚のタイルを保存されている。
その収集のきっかけとなったのは現在の奥さんのハートを射止めるためだったという、ほのぼのしたエピソードを交えながら
素人の私たちにもわかりやすい講演を聞かせて頂けた。
台湾マジョリカタイルは三合院という伝統住宅や赤れんが建築との融合、更には家具との融合など、日本や他の東南アジアでは見られない
台湾独自の使われ方をしていて、
タイルのデザインも果物や花など、それぞれの図案にさまざまな願いが込められた吉祥を表わしているというのも台湾ならでは。
これらのほとんどは日本で作られた和製マジョリカタイルなのだ。
大正から昭和初期という短い間に日本で作られていたものだけど、現在日本にはほとんど残っていないという貴重なマジョリカタイル。
徐さんの活動は保存だけにとどまらず、古民家を修復するために必要なマジョリカタイルの復刻版の開発も手掛けられ、
更には教科書メーカーと協力して、学校教育の中でもマジョリカタイルの歴史なども取り入れるという取り組みも。
子供の頃から美しいものを愛でる心や古く価値のあるものを大切にする心を育もうとする取り組みは素晴らしいなあと思った。
それにかつて日本で作られていたものがこんな風に他国の教科書で紹介されるなんて、うれしく、光栄なことなんじゃないかなあ。
今回は展覧会開催前の関係者と先着数十人の方のみの講演会だったけど、
一般のたくさんの人にも聴いてもらえる機会があればなあと、パネル一枚の展示では
なかなか台湾タイル博物館のすばらしさは伝えきれないのではないかなあ。とちょっと心配;
・・と、これは台湾タイル博物館推しの自分目線だけど。
展覧会では他にも、ダントーさんや個人の方所蔵の珍しいマジョリカタイルコレクションや、当時のマジョリカタイルのカタログ、
リクシルさんが開発された復刻マジョリカタイル、世界へ渡った日本のマジョリカタイルについて、
更にはマジョリカタイル回廊(パネル)など、インスタ映え?!スポットも出現していた!
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【企画展】 和製マジョリカタイル―憧れの連鎖 Japan-made Majolica Tiles―Trail of Inspiration
【会 期】2018年11月3日(土)~2019年4月9日(火)
【会 場】INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」企画展示室
【休館日】水曜日(祝日の場合は開館)、2018年12月26日(水)~2019年1月4日(金)
【観覧料】共通入館料にて観覧可 (一般:600円、高・大学生:400円、小・中学生:200円)
【主 催】INAXライブミュージアム企画委員会
【協 力】株式会社Danto Tile、台湾花磚博物館、コンフォルト(建築資料研究社)
【展示デザイン】GENETO
講演会、内覧会を楽しんだ後は、タイル業界の重鎮の方々や、研究者の先生方、タイル本を書かれた有名人の方々に混じり、
ぷにょさんと一緒にただの一主婦の私も懇親会に参加させて頂いて楽しませてもらった。
このような機会を与えて頂いたリクシルさんに感謝致します。