先日は友人に教えてもらって応募した千里阪急ホテル見学ツアーに参加してきた。千里阪急ホテルは自分の結婚式&披露宴を行った場所でもあり、
思い入れもあるので楽しみにしていた。
千里阪急ホテルは、浦辺鎮太郎設計により建設され、大阪万博が開催された1970年に開業。1976年に東館、宴会場が、1984年に西館宿泊棟がそれぞれ浦辺建築設計事務所により建設された。
合理的な中にも手仕事の温かみが感じられるディティールが随所に見られる建物を
隅々まで解説を聞きながら見せて頂いた。
まずは外観から。
メインエントランスのある棟の屋根にはオレンジ色系のタイルが敷かれている。タイルは7段階もの色味に焼き分けられてるというこだわり。それにより深みのある色合いになっている。
3期に建てられた西館宿泊棟の壁面は煉瓦色と白のタイルが網代状に貼られて
クラフト感いっぱい。
間には植物を表したような面格子。
タイルの模様のデザインも少しづつ違っているのだ。
エントランスの柱の照明。
エントランス扉。
2期に増築されたエントランス付近の壁面には、増築によりロビーが
移設した際、元の玄関にあった千里阪急ホテルのロゴマークの入った壁面が
あちらこちらに取り入れられていて、
できる限り建設当時のものを引き継いでゆくという姿勢が見られる。
広々とゆったりしたロビー。
照明は、建築当初からのさまざまなデザインのものが使われている。
ロビーにはオレンジがかった明るい茶色のタイルが敷き詰められている。
押し出し成型によりひとつひとつ作られたタイルだそうで、
ふっくらとしたタイルが足に馴染み、歩き心地がとてもいい。
そしてフロントのカウンターには
床と色調の似たタイルが貼られているのだが、
その所々に、葉の葉脈がそのまま焼き付けられたようなタイルが
使われているのだ。
「千里の自然、人の手のぬくもり」という設計のコンセプトがまさに現れているようなタイルに感激。
床からの立ち上がりもアールのついた役物のタイル、モールディングタイルが使われ、細かい部分まで丁寧な仕上がりで、カウンターのコーナー部分の床のタイルの貼り方も凝っていた。
天井を見上げると、矢羽根模様の天井装飾が、明るくウッディな雰囲気を盛り上げている。
階段上り途中にあった壁面の飾りは、なんと瓶の底を用いた装飾なのだそう。
瓶の底のようなガラス装飾はたまに見かけるが、よく見るとほんとに
瓶の底部分だった。
こんなアップサイクル精神、遊び心はとても好き。
そして、第一期の1970年開業当時に建てられた宿泊棟をプールサイドから。
プールを囲むようにゆるやかにアールを描き、ゆったりとした低層ホテルは
まるで外国のようで、広い土地が贅沢に生かされている。
各部屋も都会のホテルと比べると、一室がゆったりと広くとられているのだそう。
夏はこのプールサイドでビアガーデンが開かれているのだが、一度行きたいと思いつつまだ行けてない。
モザイクタイルが貼られた噴水らしきもの。